2007年01月07日

距離を計算して飛んでいる!?

今日の日経新聞に「ミツバチ 賢さ予想以上」という記事が掲載されています。

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みつばちはエネルギーをからだに予め貯めておいて、蜜を探しに出かけるのではなく
飛んでいきときに消費すると予想されるだけの蜜をからだに蓄えてお出かけします。

蜜が採れる花がどこにあるかわからないときは、その距離の3,4倍の量の蜜を蓄えていくけれど、花のありかが特定できると、仲間に教えて、必要最小量しか持っていかなくなるそうです。

ということは距離を計測して飛んでいっている。
おまけにそれを正確に仲間に伝えている。

す、すごいです。

距離がわかるということは、飛んでいるときに視界に映る風景の流れを量的にとらえて距離を計算しているということだとか。

藤原さんが、社民党のビルの上に置いている箱の後ろの壁に、○とか△とか×とか書いて、帰ってくるときに自分の巣箱を間違えないようにしているといっていたっけ。

何千年も生き続けながら蓄積されたメカニズムって、すごいですね。
人はどんどんそんな知恵とか技を忘れていっているのに。



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2006年10月26日

みつばちは味音痴かも・・・なんですって!

ヤフーの記事で下記のようなものがアップされていました。

<ミツバチ>味には音痴?日米などのゲノム解読で判明

 ミツバチは鼻は利くけど味音痴? 養蜂に使われるセイヨウミツバチの味覚に関する遺伝子が極端に少ないことを米イリノイ大の研究チームが突き止め、26日付の米専門誌「ゲノムリサーチ」に発表した。日米などの国際チームがセイヨウミツバチのゲノム(全遺伝情報)を解読したことに伴う成果で、解読完了は同日発行の英科学誌「ネイチャー」で報告された。
 チームがゲノムを使って、味覚の受容体細胞を作る遺伝子を調べたところ、10個しかなかった。ショウジョウバエは68個、蚊は76個もある。一方、においに関する遺伝子は163個で、ショウジョウバエ(62個)や蚊(79個)の2倍以上あった。
 チームは「幼虫は巣の中で大人からエサをもらっているため、必要以上に味覚受容体を発達させなかったのでは」と推測。玉川大農学部の佐々木正己教授(昆虫学)は「冬眠しないミツバチは、たくさんのみつや花粉を蓄える必要がある。えり好みをせず多くの花の香りをかぎ分ける能力が発達したのだろう」と話す。
 ゲノムが解読されたのは昆虫では、ショウジョウバエ、蚊に続いて3番目。【元村有希子】
(毎日新聞) - 10月26日2時13分更新

甘さを知らずに、蜜を集めているなんて・・・。
彼女たちにとっては、単に花がくれる食料なんでしょうけれど。

桜は複雑な甘さなのよね
私はさらっとした栃の甘さの方が好きだわ
シンプルな甘さなら、アカシアかレンゲよ

なーんてわがままは言わずにせっせっとお仕事に励むミツバチたちなのだ。
人間界も、最近は味音痴が増えて、「幻の○○」なんていわれるとおいしいような気がしている人が多いのでは?

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2006年07月20日

花粉で読み解く大磯の春の百花蜜

はじめまして。
7月8日の蜜会で、Nさんから、ご自宅で採れた蜂蜜をいただきました。
何巣箱かある内、ある巣箱からとれたこの蜂蜜だけ、味が違うということだったので、また、それがとても美味しかったので、花粉分析をしてみました。

結果は下のようになりました。
一言でいうと…“大磯の春の百花蜜”!です。

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総花粉数が、1g中2570個というのは百花蜜にしては少ないらしいのですが、これは、ミカン蜜の特徴が強く出ているためだと思われます。

蜜会でも中村先生が説明していたように、
ミカン蜜は高純度でも花粉が全体の20%しか含まれないのが特徴です。
ミツバチが花粉の少ないミカンの花へ沢山花蜜を採りにいったので、結果的に全体の花粉数が減ったのだと思われました。

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花粉分析は、次のようにして行います。

数グラムの蜂蜜を水に溶き、それをフィルターに通して花粉を濾し取ります(花粉だけでなく蜂の毛や酵母菌、採蜜の際のゴミなども見られる場合があります)。そして、フィルター上の花粉を染色してから乾燥させ、ガラス板(スライドガラスとカバーガラス)で挟み、グリセリンで固定します。

こうして顕微鏡下で、花粉をみます。
どの植物由来のものか見分け(同定)、数を数えることによって、それがどのくらいの割合で含まれているのかを、換算して求めます。

花粉を同定する際には、花粉の2点を見ます。
2点とは、赤道観と極観です。
赤道観とは花粉の断面、極観とは花粉の表面構造です。

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写真はツバキとチャです。

ツバキ、チャは同じツバキ属です。
写真ではチャの花粉がつぶれて、内容物が二股になって飛び出ているので、違うもののように見えますが、実際のこの二つの形態的な差は大きさくらいで、非常によく似ているので、見分けがつきませんでした。

花粉は見る角度や、潰れているか、いないかなどで、同じものでも随分違うものに見えたりします。

ツバキなどに関しては属で類似した特長がありますが、
同属でも、違った特徴を持つものも少なくありません。
見分けるのが難しいのはこれらのためです。

ここで大きな手がかりとなるのは、採蜜地周辺に生えている植物種や、採蜜期間です。
Nさんから自宅周辺に生えている植物を教えていただき、想像を膨らませました。
色々な植物に訪花するミツバチを思い描きながら・・・

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ところで、今回みられたチャは、花粉にタンニンが多く含まれているために、蜂にとっては有毒なのだそうです。蜂がチャから多くの花粉を採ると、蜂児が死ぬという害があるらしいです。(通常、問題ないです)

さて、今回の考察・・・
あのス〜っとする特徴的な味は、ミカンのシトラールで、あの美味しさは、沢山の植物が蜜源として複雑な味を作り出しているからなのかもしれない・・・と思いました。
あと、ミツバチたちとNさんたちの汗と努力の結晶の味っかな?

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2006年07月13日

数字で知る みつばちの健気さ

蜜会2006の第2回目「花粉の秘密」(7月8日開催)で解き明かされたみつばちたちの労働状況です。

花の最盛期
巣と花の1回の往復飛行で得る花蜜 20〜30mg 
糖としては10〜15mg

1日に花に通う回数 10回

1匹のみつばちが一生のうちで蜜を採りに行ける期間 約10日間

一生のうちに採ることができるはちみつ
10回/日 x 15mg x 10日間 =1500mg
ただし、天候、季節、場所に左右される。

はちみつには20%の水分が含まれているのではちみつに換算すると・・・1.8gほど。
スプーン1杯はおよそ6g

一生に1匹のみつばちが集めるはちみつは、実はスプーン1杯にも満たないのです。

みつばちの行動範囲はおよそ半径1.5km
1回の飛行を人換算をすると、片道100kmの出張とほぼ同じ。もちろん徒歩です。

おまけに体には飛行のためのエネルギーとして半分のはちみつしか入れて行かない。なぜなら、満タンにして帰らなければならないから。

あまりの健気さに言葉を失います。
スローフードがどうしたなんて、みつばちの前では言えないです。

みなさま、みつばちたちにしっかり感謝して、はちみつをいただきましょう。

posted by みつばち at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばちたちの秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月07日

巣だっていろいろ

これなーんだ?

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マメコバチの巣!
昔、屋根に葺かれていた萱が巣です。

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ここは静かなりんご園の中。

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マメコバチの成虫は秋ごろ、この萱の中で孵化し、冬を過ごします。桜の咲くころに出てきて、6月ぐらいには卵を産んで死んでしまいます。
1本の萱がそれぞれの雌にとっての巣になるわけですが、その萱がたくさん集まって集団営巣になるようで、みつばちの営巣とはかなり異なります。

受粉のために飼養されており、今回もさくらんぼの畑でも見かけました。
もちろん寒い冬の間は、雪に埋もれてしまわないように別のところに移動させます。

岩木山が見下ろすこんな絶景の場所で、おいしい減農薬のリンゴが育まれていました。この手前がりんご畑です。

青森県鯵ヶ沢町は、どこからでも岩木山を仰ぐことができて、あ、ここもいい、あそこもいい眺めと、思わずデジカメ撮りまくりになります。

ラベル:受粉 マメコバチ
posted by みつばち at 18:41| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばちたちの秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月27日

発酵の謎 その1

発酵の謎はこの3層にあり。

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引き続き発酵しています。
先日の蜜会で中村先生にお聞きしました。

はちみつが結晶して沈んでいくうちに、通常より多く水分を含んだ部分(濃い色のところ)が自然にできてくるというわけです。本来は水分20%以内だから発酵は進まないのですが。

みつばちにとってはちみつは食料。その場でどんどん消費していくもの。1年で食べてしまうものなんですね。だから、巣の中で発酵することはありえないというわけです。

不思議なのは、なぜか日本みつばちのはちみつが発酵すること。
西洋みつばちのはちみつが結晶しても自然に発酵するのは見たことがありません。
やはり日本みつばちの方が酵素が多いのでしょうか。

posted by みつばち at 09:28| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばちたちの秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月18日

雄の悲哀 再び

前回の記事で話題にした映画「ダ・ヴィンチ・コード」ですが、カンヌ映画祭での上映では一部失笑を買ったと報道されていますね。
予告編だけ観ると、すごく面白そうですけれど・・・

さて、なかなか興味深いのがみつばちの雄と巣の関係です。
前回もお伝えしたように繁殖期が終わるとともに夏ごろから徐々に、雄は巣を追い出される運命にあります。
当然ながら、裕福な巣ほど遅くまで滞在することができ、貧しい巣ほど早く追い出されます。

でも、雄はもともとその巣のためには何の貢献もしていないのだから、仕方がないといえば仕方ないですね。

こういう話をすると男性はなぜか自分の身に置き換えて考えるという思考回路が働くようで、「身につまされるなあ」とかつぶやく御仁が多い。だって、ちゃんと働きバチをしているんだから、同じに考えなくてもいいのにといつも思います。

女は絶対にそういう思考回路は働きませんね。
だから、しっかり働いてもらわなくっちゃ!となる。
そうか、だから、身につまされるのか・・・。

posted by みつばち at 10:38| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばちたちの秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月11日

みつばちの雌雄におけるダ・ヴィンチ・コードの黄金比は間違っている!?

世界中でベストセラーになっているダン・ブラウンの同名小説を映画化した超大作ミステリー「ダ・ヴィンチ・コード」が公開前から話題になっています。原作を読んだ方も多いようで、友人から「みつばちの雌雄の割合は、1:1.618という黄金比なんだって!」というメールが来ました。

黄金比とされているものはほかにもヒマワリの花の種の配置、巻貝の渦の割合、松毬(松ボックリ)の渦や植物の葉のつく割合、人間の全身長とヘソからしたの割合、腕全体と肘から先までや指の関節の割合、ダヴィンチの絵の構図の中や、音楽の巨匠たちの旋律にも盛り込まれているのだとか。(この部分だけ知りたい方はこちらのサイトをご覧ください。小説の抜粋だとか)

ん?ちょっと待って!
みつばちの巣の中を眺めていると、そんなに雄はいない。
探すのが大変なぐらいでせいぜい10匹に1匹ぐらい。
1:1.618という割合では、巣を維持できないはず。
というのが、雄はなーんもしないから。蜜も集めない。巣を守るわけでもない。ただ、ただ、無芸大食、いるだけ。
繁殖の季節になって交尾するだけのためにいるというわけです。
その代わり、繁殖に出かけた後は、交尾したら即死だし、秋風が吹くころには巣から追い出されてしまいます。

ミツバチの世界のオスはそういう存在なんです。
だから、どう考えてもこの割合は変!

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というわけで当クラブの顧問である玉川大学ミツバチ科学研究施設の中村助教授に早速、お聞きしました。
以下は先生からのお答えです。

「この件は有名で、ノートルダム大学のハーン(フランス語読みならアーン)教授のwebに「ダビンチコードの数学」というpdf文書があり解説が出ています。ミツバチにおいては雄には片親しかいないことを利用した理論展開です。

雄は半数体といって,未受精卵から孵るので,父親がいません。母親しかいません.雌は受精卵から発生するので必ず二親がいます。ある1匹の雄からその先祖をたどると、雄のひとつ前は雌1匹,その雌には雌雄の二親が、その雄親には雌の、雌親には二親で合計の3の...というように先祖をたどると,1,1,2,3,5...という例のフィボナッチ数列の法則性に当てはまります(添付図参照)。

その世代ごとの雄雌比がまた徐々に黄金律に近似するという見事なもので、これをいいたかったのでしょう。しかし、これは1匹の雄から辿った場合の雌雄であって、そこにはそれぞれの世代の個体数が脱落しています。実際には子を産むのは女王蜂だけだし、雌の働き蜂は子を産みません。また1匹の女王蜂が多数の雄蜂を産みます。したがって本文の表現は明らかな誤りですが、図を見ると確かにΦになるという話ですね。

実際には10%程度が最大でいる雄の数でしょう。冬期は雌だけで冬越しをするので年間を通して考えるとさらに少なくなります。というわけで、文中にある表現では、みつばちに限っていえば黄金比は当てはまらないということですね。どの巣でも雄蜂と働き蜂の数が黄金比になっているということはあり得ません。ただ,闇雲なでたらめではなく、多少こじつけであっても、雄蜂が未受精卵から発生するので父親がいないという知識をベースにした場合、そう断言するに至る経緯はあるということについては,ある程度評価したいですね」

現実にそんなに雄がいたら、私たち人間はみつばちたちから、はちみつをとても分けてもらえないでしょう!

posted by みつばち at 20:57| Comment(0) | TrackBack(1) | みつばちたちの秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月08日

はちみつの歴史は人類の歴史って本当?

昨夜、NHKの「ダーウィンがやってきた!」で日本みつばちを取り上げていましたね。
みなさん、ご覧になりましたか?
始まってあわてて録画したので、最初の4分ほどをミスってしまいました。残念。

偵察にやってきたオオスズメバチが、一斉にみつばちたちに襲いかかられて、熱死させられるという衝撃シーンもありました。すごいパワー!それもすべてはちみつを食べることでカラダを燃えさせているというのだから、ますます興味のつきないはちみつです。

寒い冬を木の洞などにつくった巣の中で越せるのも、はちみつが体温を保ってくれるおかげだそうです。


先日の中村先生の講義によると、みつばちが出現したのは5000万年前、ホモ・サピエンスが登場したのは150万年前。そう、はるかにみつばちの方が私たちより先輩なのです。

1万年前に人の定住が始まり、5000年前に養蜂が始まったそうですから、「はちみつの歴史が人類の歴史」というのが正しいというよりも、はちみつ先にありきだったわけです。

私たちの遠い祖先も、はちみつパワーで寒さや飢えを乗り切ったのでしょうか。
小さな、小さな虫たちに支えられてきた一面が人類の歴史の中に組み込まれている、いのちの不思議を感じませんか?

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2006年04月23日

これじゃなくて、もっといいのを持ってきて!

4月22日に日本伝統食品研究会主催による「ヘルスフードとしての伝統食」という講演会が開催されました。東京はちみつクラブの顧問をお願いしている玉川大学助教授の中村先生が「機能性健康食品としてのハチミツ」という題で講演されたので、6月の蜜会の打ち合わせも兼ねて参加してきました。

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先生のお話の中でいくつか新しい発見があったのでご報告。
巣箱に蜜を持って帰ってきたときに、貯蔵係りがその蜜の質をチェックするそうです!
で、よい蜜でなかったら、
「これじゃなくて、もっといいのを持ってきて!」とつき返されてしまうこともあるとか。

彼女たちの「よい蜜」とは、今、最盛期を迎えている花の蜜のこと。
もちろん見逃されてしまうものもあるそうで、それが次の最盛期を迎える花の走りだったりということもあるらしいです。

「今ね、貴方が採ってこなければならないのはこの方角に咲いている花の蜜よ」
と教えるのが有名な八の字ダンスなのです!

なーるほど。だから、ソメイヨシノ、ユリノキ、菜の花、といった一つの種類の花の蜜を私たちがいただけるというわけですね。

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2006年01月29日

自然のおうちがやっぱりいいわ

三鷹で趣味で養蜂をされているSさんのうちに、三鷹で採れたハチミツを分けていただくために訪問したところ、
「昨年、武蔵境で巣をつくっているから、取りに来て」と頼まれて、日本みつばちを引き取ったそうです。

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早速、巣箱を見せてもらいました。
引き取るときに、新築の巣箱を設置してお迎えしたのに、
結局、ひょんなことでもらってきていた、自然にできた柿の木の洞の巣箱を置いておいたら、そちらに引っ越してしまったそうです。

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こちらが用意した巣箱とほぼ同じもの。

先日、食用油の専門家の方に聞いたお話。
コレステロールを予防したり、脂肪がつきにくいとかいう油と、
自然のままの油とそれぞれで揚げたフライを置いて、ネズミに選ばせると、
なぜか自然の油の方にだけに行くそうです。

野生とはそういうものなんでしょうか。

ラベル:日本みつばち
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2005年11月22日

横領、着服などとは無縁だ、えらいゾ働き蜂さん

久しぶりに、今日はミツバチの神秘について。ミツバチを知るにつれ、彼女らの体の不思議には驚かされっぱなしです。今回は、働き蜂の採蜜に関する神秘に触れてみましょう。

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働き蜂は、巣を出て花から蜜を集めるときは、大体30〜50、多いときは60ミリグラムの花蜜を「蜜胃」という花蜜専用の胃に貯えて巣に運んでいきます。これは体重の半分からほぼ同じ重さに相当するというから力持ち。ちなみに、これにさらに人間で言えばスイカ1個分の重さの花粉団子を両足にくっつけて飛びます。そしてミツバチは2、3km圏内で採蜜をするので、ミツバチを人間の大きさに例えれば、一回の採蜜で飛ぶ距離は東京〜大阪までの往復。すごぉーい!

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しかしそれよりも感激したの、蜜を貯める「蜜胃」。なんとミツバチは花蜜をどんなに集めても自分では食べられないのです。なぜならば、この蜜胃と消化器官である中腸の間に弁があって採蜜中はずっと閉じているから。蜜胃にためたまま巣に戻り、今度は若い内勤の蜂の蜜胃へ口移しで吐き出します。吐き出したとたん、「さぁ、また蜜を集めなきゃ」という気持ちになるんだそうな。(蜂に聞いたことないから分からないけど)群全体を維持するために、外勤役はどんなにたくさん花蜜を集めても、自分で着服することもなく、せっせと蜜を集め続けるのです。
ちょっと前に騒がせた某組合の年金不正流用など、横領や着服が耐えない人間社会の群とは大違いですな。人間もミツバチに見習わなきゃねー。

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しかし、実際のことろ、働き蜂は花蜜そのものを自分で着服するよりも、巣の仲間が花蜜から化学変化と物理変化によって濃縮させたハチミツを食べるほうが効率的。巣から飛び発つ前に、仲間から口移しでもらいます。さながら、出勤前に奥さんがダンナさんにキスをしているのと似ている?!(しかし、キスははちみつのようなパワーはもたらさないだろう・・・)

今日もまたハチミツの不思議に感心いたしました。皆さんもご存知のことがありましたら、BLOGにコメントでお寄せください!

posted by みつばち at 11:04| Comment(2) | TrackBack(0) | みつばちたちの秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月17日

みつばちはレタスを齧るか・・・

先日、お伝えしたレタスとみつばちの第2弾の画像が届きました!
おお!やはり齧っているではないですか。

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犬が、普段食べない草をむしゃむしゃすれば、胃腸の調子を整えようとしているというのを何かで聞いたことがあります。みつばちも、本能的に消毒や殺菌を必要とする場合、葉ものを齧るのかしら。

巣では、緑っぽいものは発見されないから、持っていくわけではない。としたら、やはり食べている?

謎は深まるばかりございます。

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2005年10月21日

ミツバチが結実の鍵を握る柿

今、一番はまっているハチミツは柿!
クセがなくて、濃厚で、品がよくて、コクがあって、まさに柿の甘さがハチミツになったような感じです。

玉川大学ミツバチ科学研究施設編纂の「蜜源植物」によると、柿は雌花と雄花があるけれど、単為結果力を持っていて、必ずしも花粉がつかなくても実をつけることができるとあります。ところが、この力が弱い富有柿などは受粉が必要で、ミツバチたちの出番!というわけです。広範囲で柿の栽培を行っている地域では、ミツバチが導入されているとあります。

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柿の花は、咲いている期間が短いこともあり、ハチミツはかなり貴重なもの。今、手元にあるのは、友人からおみやげにもらった富山市の水島柿のハチミツです。

ほら、黄金色!(ハチミツはみんな黄金色かも)

ずーっと昔、砂糖が貴重品だったころは、柿が甘味に利用されていたと聞きます。
岡山県奥津町の郷土食をまとめた「わしら こんな風に食べよった 先人の知恵に学ぶ」には、「渋柿あんこのまんじゅう」というのが掲載されています。すり鉢で渋柿の熟したものをすりつぶして、小豆の煮たものを加えて煮ます。それを丸めて、上新粉の皮で包んだものです。これがとっても食べてみたい!
これ以外に、すりつぶした柿に玄米を混ぜたり、はったい粉(麦を炒って、ひき粉にしたもの)を混ぜたりしただけのおやつも出ています。

私は干し柿も大好きで、柿がなっているのを見ると、「ああ、干したい」とつい思ってしまいます。というのは、最近は庭木などに植えられているものは、そのままにされているのをよく見かけるからです。地元の人に聞くと、木から採るのが大変だそうです。これも高齢化の影響なのかなあ。
柿収穫応援をしたら、できた干し柿をくれるかなあ。
でも、木登り、得意じゃないし・・・

まあ、いずれにしても、ミツバチさんたちががんばってくれたから、りっぱに結実したというわけです。

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2005年09月28日

恐るべし!オオスズメバチパワー

画像は今年5月に都内で藤原誠太氏が作業中に捕まえたオオスズメバチです。この大きさ、わかりますか?

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瓶の隣は携帯電話です。すでに死んでいるので体が丸くなっていて、一回り小さく見えています。

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藤原さんによると、ミツバチの世話をしているとき、ふと気がつくと耳の横でホバリングしていたこともあるそうです。「ヤクルトの瓶ほどあるんだよな」とのこと。さすがにドキッとしたそうですが、そこは藤原さん。今ではこのスズメバチを捕らえて、蜂蜜漬けにして、天然プロポリス、ローヤルゼリーを加え、アルカリイオン水仕立てのドリンク「スズメバチウォーター」として商品化してしまったのです。

1分間に1,000回以上という高速で羽を動かし、1日に平均して100kmを超えるほど飛べる驚異のスタミナの持ち主がスズメバチ!刺されると死に至ることもあるぐらいの強い猛毒も、口から入り胃腸で分解・吸収されると無害でとても有効な成分に変化するそうです。(参考:藤原養蜂場ホームページ)アスリートたち御用達のドリンクとのこと。高校生のお嬢さんは、1匹いくらで捕まえるアルバイトをしてくれるとか。藤原家、恐るべし!

ミツバチが大好物のスズメバチは、まず一匹で偵察に来るそうです。この偵察隊を返してしまったら、編隊を組んでの来襲にミツバチたちの巣はひとたまりもありません。ほんの数時間で数万匹が全滅ということもあるそうです。

が、なんと!日本蜜蜂は1匹ならみんなで取り囲んで体温をあげ、熱死させてしまうという技を持っています。す、すごい・・・。

各地の仲間のブログでスズメバチが話題になっています。
対処方法などが書いてあるので、ぜひ、ご覧ください。

種山ヶ原森林公園の9月23日

地球デザインスクール里親ブログ(京都府宮津市)

ラベル:スズメバチ
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2005年09月11日

ミツバチのビオトープガーデン

先日、岩手に出張へ行った際に、藤原養蜂場を訪れました。
車で連れて行ってもらい車が止まったときには、え?ここに養蜂場が?と思ってしまうような、盛岡市内の普通の住宅街にあります。藤原養蜂場が明治時代に創業した際には、この付近は市街区の周縁部として緑豊かな場所だったそうですが、今では周囲がすっかりと様変わりしたというわけです。

左の塀の中側に養蜂場があり、赤い車の先端が見えるところが入り口。右側は、閑静な住宅街です。

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さて中へ入ると、このように巣箱が並んでいます。そこに面白いものを発見!

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並んでいるのは、巣箱。それも日本ミツバチのものです。日本ミツバチは、もともとは木のウロのなかに巣をつくって暮らします。それを模したものが左から2番目のもので、できるだけ管理しやすく、またミツバチにとって暮らしやすいように変えてきたものが、そのほかの巣箱です。

注目してほしいのは、巣箱の前のミニガーデン。これは、なんとミツバチの水場なんです。ミツバチも当然生きるために水を必要としています。しかしそれ以外に、ミツバチにとって水は非常に重要なファクターなのです。

なぜなら、ミツバチは、採ってきた花蜜の水分を蒸発させ糖度を高めた状態でハチミツを巣房に保存していますが、子どもたちに食べさせるときは、また水で薄めてから給餌するのです。

もう一つ重要なことは、巣箱のなかの温度管理です。巣のなかは約35度前後に保たれていますが、暑い夏は巣の中も温度があがってしまいます。そのため、ミツバチは水を運んできては、巣の中で水をまき、その気化熱で温度を下げます。(そのほかにも羽根を使って扇風機代わりもします)そうやって、みんなで協力して、巣の中を快適に保つよう、ミツバチは働いています。

ミツバチは、水を汲みに行くときは、体のなかのエネルギー(ハチミツ)を全て巣に置いてから、飛んでいくそうです。なぜなら、ハチミツが体に蓄えられていると、水をたくさん運べないからです。エネルギーが体内に残っていないので、遠くには飛んでいけません。500m圏内の水場まで行き、よっこらせと水を汲んで巣まで帰ってきます。

そんなミツバチたちに、この夏、悲劇が起こりました。岩手県南部でミツバチが大量に死ぬという事件がありました。カメムシ被害の予防のために、広い範囲に散布された農薬が水に混ざり、ようやくたどり着いた水場にミツバチの致命傷となる農薬が含まれていたのです。ミツバチのことを思うと、とても心が痛む事件です。


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そんなわけで藤原さんは、ハチたちが楽に、また常に良質の水が手に入れられるように、巣箱のそばに水場を作ってあげます。

藤原さんの工夫はまだまだ続きます。この養蜂場の奥には、道具などを保管しておくプレハブ小屋がありますが、その屋上にも実は水場があります。

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はしごを上ってみると、こんな感じ。
山の中に在る養蜂場にも、このような小屋を設置する場合が多いのですが、その場合もこのような水場をつくっておくそうです。地面に置いてあるよりも安全です。それに、屋上が冷やされ、プレハブ小屋のなかの温度が上がらないそうです。つまり屋上緑化と同じ効果を発揮しているわけで、一石二鳥!小屋に、採蜜した製品を保管しておくことがありますが、暑い夏だと室温だけで蜂蜜が「焼けて」、色や香りが変化してしまうそうです。そんな変化も防いでくれます。

水場は、止水であっても水が腐らないように、ミズゴケを生やしたり、炭を入れたりして工夫をしています。また、上の水場は、トキソウを配置したり、石を並べたりして、まるでガーデンのよう。これは藤原さんの遊び心ですねー。

巣箱も、色を変えたり、カタチにちょっとこだわったりするのも面白いですが、こんな水場もつくってあげて、箱庭的ビオトープガーデンとしてデザインして遊ぶのも、とても素敵ですね!

ラベル:日本みつばち
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2005年08月02日

蜜も毒をもつトリカブト

東北の友人から、この季節になると、山の蜜はもう採らないという情報が入りました。なぜならトリカブトの蜜が混じるからだそうです。これは西洋ミツバチではなく、日本ミツバチのお話のようです。昔は、木を切りだしにいくと木の穴の中にミツバチの巣あって、それをとってなめた人たちがとりかぶとの中毒になったこともあったそうです。

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トリカブトはギリシャ神話にもたびたび登場するぐらい昔から毒薬としては知られた存在です。根だけではなく、全草に毒があるのでご用心。この毒は、「アコニチン」と呼ばれるアルカロイドで、なんと解毒剤がない!のです。
和名では附子と言われ、狂言の題材や一休さんのとんち話にもなっています。量を間違えなければ、強心作用、鎮痛作用もあり、漢方では利用されています。

ネットで調べていたら、なんと葉を齧ってみている方がいました。絶対に止めましょう!!!
ニリンソウなどの山菜に間違えられてしまうこともよくあり、昨春、私は出された山菜にほんの少量混じっていたようで、とんでもない目に会いました。トリカブトなら死んでいたから、別の毒草という説もありますが。

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蜜もやはり毒をもっているんですね。ところがミツバチたちはまったく平気。毒とは関係ないようです。神経伝達物質が人と虫では違うため、人の神経伝達機構に働く毒物は虫には効かないということらしいです。殺虫剤はこの逆を利用したものとか。
ところで、この季節に熊がミツバチの巣を襲って、プーさん状態でなめなめしたら・・・熊には効かないのでしょうか?
トリカブトのハチミツで死んだ熊なんていないような。いてもわからないか。

鳥兜と書き、鳥頭(うず)と呼ばれたり、西洋ではモンク・フード(修道士のフード)といわれたりします。なるほど、花の形にとても特徴がありますね。山で出会うと思わず「あら、きれい!」と思ってしまうのですが、きれいな花には棘どころか、毒がある、なのです。

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2005年05月11日

女王蜂と働き蜂、そしてオス蜂のヒ・ミ・ツ

第一回のみつばちスクールは「ミツバチってどんな虫?」というテーマ。昨日も少し記述しましたが、本当に興味深い生態です。最大の謎は、やはりなぜ女王蜂だけが出産をするのか、という疑問です。個体は皆自らの遺伝子を最大限に残そうとするのが自然の理です(だからオスは浮気をするのはしょうがない、とかいうネタを扱ったドラマが放映されていましたが)。では、なぜ働き蜂は出産しないのでしょうか?

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みつばちプロジェクトの本題から外れるかもしれませんが、ちょっとミツバチの生態と遺伝子についてお勉強しちゃいましょう。(といっても専門家ではないので、表現に不適切なところがあるかもしれません。その際は、コメントをお願いします)

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スクールでも説明がありましたが、女王蜂は一回の交尾で精子を受精嚢という袋に蓄え、六角形の巣室の出入り口で「お、この室は広いな」、「お、小さいな」と思って(思うのではなく本能ですね、きっと。)、前者の場合受精嚢の出入り口を括約筋でぐっと閉めて「未受精卵」を生み、後者は括約筋を緩め卵を受精させてから産むのです。つまり、オス蜂は未受精卵から産まれているのです!

通常の動物は、両親が二つずつ持っている染色体をひとつずつ受け取ることで、一般的には、親子の血縁度(生物間においてまったく同じ遺伝子が発見される確率。つまり、わかりやすく「血の濃さ」と考えてください)は、1/2。兄弟間も1/2になります。

しかし、ミツバチは未受精卵から生まれたオスが入ってくるから少々ややこしくなります。女王の娘は、通常の受精卵から生まれるので、父、母の遺伝子の半分ずつ受け取り、普通に血縁度は1/2です。女王の息子の場合、未受精卵から生まれ、遺伝子はすべて母から来ていますので、息子から見ると母は血縁度1ですが、量が半分になるので、女王から見ると血縁度は1/2。さて、では姉妹はどうでしょう。

女王のもっている2つの染色体のうちの半分と、オスの1つの染色体の半分の遺伝子をもって、メス蜂(ワーカー)は誕生します。ワーカーたちは遺伝子の半分についてはどの個体も父親からまったく同じものを受け継いでいるので、血縁度は1/2×1=1/2。ワーカーたちの遺伝子の残り半分は、女王から来た遺伝子を半分の確率で受け継ぐので、1/2×1/2=1/4になります。つまり、兄弟間の血縁度はこの二つの数字の合計、3/4になります。(図にしてみましたが分かりますでしょうか?クリックして拡大してみてください)

ということは、なんと、ワーカーが自らオスと交尾して娘を生む場合の血縁度1/2を上回るのです。つまり、自分が娘を産むより、女王蜂が自分の姉、妹を産んでくれたほうが、自分の遺伝子をより効率よく残してくれるというわけです。娘より、姉妹のほうが近親関係にあるということ。計算すると、確かにそうなんだけど、頭で考えるとなんだか不思議。

こういう訳があって、ワーカーは一生懸命働き、女王蜂にたくさんのこどもを産んでもらい、自分たちの遺伝子をせっせと残しているというわけです。これは蟻も同じ性質をもち、社会性昆虫と言われるそうですが、しかしなんとも奥深い生態です。



ラベル:女王蜂
posted by みつばち at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばちたちの秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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