2014年01月29日

エコプロダクツ2013

昨年の12月14日に,日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2013」の富士通ブースの「ICTによる地球と社会の持続可能な発展への貢献」をテーマにしたステージで,NPO法人みつばち百花も「ミツバチと花のあんまり甘くない関係」を発表しました.富士通から提供されている「携帯フォトシステム」という生物調査システムを利用した「ミツバチ来てたよ,大調査」の成果を盛り込んで,結果を将来にどうつなげていくかという話でした.少し時間が経ってしまったけれど,隣で聞いていた辛口ミツバチに感想を聞いてみましょう.

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minilogo.png人が多すぎたよ.ミツバチの巣箱の中も過密状態なんだけどね,人間はやっぱり疲れる.
確かに,すごい人だったね.でもそこじゃなくて,プレゼンの内容についての感想をどうぞ.

minilogo.png都会は花の種類が多いよね,でも一つ一つはちょっとずつ咲いている,なるほど確かに実感あるなあ.それに較べると,田舎は,一つ一つの花の量は多いんだけど,やっぱり種類は少な目かなあ.この展示会は,多様性もテーマだったけど,種類が多いことを多様性というなら都会の方が優れているっていっちゃうわけ?
いや,どっちもどっちかもね.植物の種類では確かに都会の方が多様なんだけど,あくまでも人為的なものだし,生物間相互作用の構成員になっていないものも多い.生物多様性が種類が多いことだけでいえるなら,動物園や植物園にかなう場所はないからねえ.田舎は,資源として意味のあるサイズで群落を構成している花も多いけれど,種類は限られるので,やはり多様性という観点での評価は厳しいだろうなあ.相互作用の実質ということを考えると,実際にはどちらも多様性が高いとという表現はできないかもね.

minilogo.pngふ〜ん.ミツバチはもともとは熱帯出身だから,たくさんハチミツを貯める必要もなかったし,そんなに大規模な植物群落もないところにいたんだと思う.それが寒冷地に進出して冬が長くなったし,そして今は人間にもハチミツ採られちゃうし,やっぱり効率よく蜜を集められる花がある方がいい.その点では,田舎の花は,蜜を集めやすいよね.カボチャみたいに一つの花で充分な蜜を集めることができるものもあるけど,一回の採餌飛行で数百から千個の花のわずかな蜜を丹念に集めて持ち帰らなきゃってときもある.そうなると,同じ花が,一か所にまとまってたくさん咲いていることはありがたいことなんだ.都会の花の咲き方は,それとはちがうよね.
そうそう,都会だと,この1匹で全部集め切っちゃうよなという咲き方の花にもちゃんと来ているね.あれで一度巣に戻るとしたら,効率はかなり悪いだろう.ミツバにチは,途中で花を切り替えたりしないで同じ花を続けて訪れる「定花性」という性質があるけど,それが発達しているということは,やはりもうちょっと群落サイズの大きな植物を利用しているってことなんだろうね.

minilogo.png唱歌の「ちょうちょう」みたいに「菜の葉に飽いたら桜に」っていうんじゃさあ,受粉できないんだよ.私たちは,花に食べ物をお世話になる代わりに花粉を運んであげている.別の花に行ったら花を裏切っちゃうことになるでしょ.もちろん,蜜を集めたり花粉を集めたり,花の取り扱い方が同じ方が作業の効率もいいから,同じ花に通うのは好き(毎回取説読むのは疲れるんだよ).でも大昔は,もうちょっとたくさん咲いていたんだろうね,今の都会の花よりは.
そうか,定花性って,つい単花ハチミツを作るのに適した性質って理解で語られることが多いけれど,人間のためにそんな性質が発達するわけないよね.

minilogo.pngあったりまえでしょ! 私たちは,厳冬期は1週間で1kgずつくらい貯蜜を使うけど,普段はそんなに大量に使わない.だから,そこまで効率のいい蜜源資源には期待しないし,単花ハチミツを作るとか,わけわかんない.でも,人間ときたら,いきなり10kgとか持ってちゃう.そんなのは想定外なんだから.
でも,ミツバチを飼う人たちは,どうしてもハチミツにも期待するし,加えて,ミツバチが健やかに暮らせるような資源環境も欲しいと思っている.それをどう実現するのか,そこが課題になっている.というのがプレゼンの主旨だったんだけど.そのあたりはどう?

minilogo.png人間が私たちにしてくれることのすべてが悪いとはいわないし,私たちも,ここなら人間のためにハチミツを作ってもいいと思うような場面はある.でも,ミツバチらしく生きてはいたんだよね.そういう意味では,休耕地利用のお花畑には興味がもてたよ.どんな花がいいのかの検証が必要なら手伝ってあげる.私たちだけではなくって,ニホンミツバチさんやほかのハナバチさんたちにも,きっといいことだと思うから.
では,そこはぜひ手伝って欲しいな.人間の方の仲間も集めておくから.

ミツバチが減っているといわれる地域の多くで,やはりミツバチための資源不足が問題視されています.資源不足は,あらゆる次なる問題への起点にもなるからです.ミツバチは巣の周辺の花々を頼る生き物ですから,ミツバチだけを見ていても,実は見えていないところがあるのです.今年5月末から岩波ホールで公開されるドキュメンタリー映画"More than Honey"は,人間がミツバチの「野生」を奪ってしまい,その弊害が今,いかにミツバチを蝕んでいるかを伝えています.家畜化と同時に,もうひとつ,私たちは,ミツバチがくっついていた巣の周囲半径2kmの土地に関心を払うのを忘れてしまったのではないでしょうか.でも,その土地は,実は私たちも住んだり,作物を育てたりして,「同居」しているのです.無関心ではいられないですよね.
posted by みつばち at 19:11| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばち百花プロジェクト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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