2012年06月05日

ハチミツなしに人類もなし

ひと頃,「ミツバチが滅んだら人類は4年と生きていない by アインシュタイン」なる怪しげな標語も流行しましたが,今日のお題は,それとは逆のありがた〜いお話.
アメリカ,ネバダ大学のCrittenden博士(行動生態学,栄養文化人類学)による論文「人類の進化におけるハチミツ摂取の重要性」
この地球上に,ミツバチに遅れること300万年あまり,ようやく150万年前に登場した私たち,実はその進化にハチミツが果たした役割が大きいということで,今夜からはミツバチには足を向けて眠れない.辛口ミツバチの久々のお出ましにはこの上ない話題を見つけてきました.

昨年末,Food and Foodway(「食料と食習慣」ってとこか)という学術雑誌に掲載された,上記の彼女の論文は,私たちの祖先がミツバチやハリナシバチの巣を狩って,ハチミツや蜂の子を食べたことが,進化の後押しになったという結論.それが妥当な考えだとすると,人類にとってミツバチ様々ということになるね.
minilogo.pngそういう何かがないと感謝できないことが,そもそも問題だとは思うけどね.でも,ハチミツが人類の進化にどう影響したのかは興味深いね.

人類の進化につながった傍証として,一つは,人類以外の現生霊長類のハチミツ利用の実態をあげている.もちろん,クマやミツアナグマのように,ハチミツを好む動物は多いわけで,霊長類だけが特殊ではない.でも,実際に,チンパンジーには「チンパンジー・ツール」と呼ばれる,蟻塚に作られたハリナシバチの巣のハチミツをなめるために,穴をあける道具や,あけた穴から差し込んで蜜をなめる道具など,多様な道具があることが知られている.チンパンジーでさえそうなのだから,ハチミツや蜂の子を食べたいがために道具を使い,さらにその道具を発達させることができたのは,旧人類にとっても重要な過程だったのは明らかだろうと述べている.
minilogo.pngまあ,自然界にハチミツほど甘いものはないし,蜂の子も高タンパク質だしね.ハチミツの歴史は人類の歴史っていう言い回しがあるけれど,もうちょっと踏み込んで,人類の進化の歴史にすればいいんだよ.

いや,まだ結論に行くのは早い.人類の特徴は大きな脳.この脳が消費するエネルギーはとんでもないけれど,基本的に脳はブドウ糖を優先的に利用し,これにはハチミツのような高濃度でブドウ糖を含む物質が有効だったのは間違いないだろう.
minilogo.pngでも,そのためには,毎日食べていなきゃならないんでしょ.今も人類はミツバチを酷使しているけど,そんな時代から,毎日毎日,ミツバチからハチミツを搾取してたんだね.まだ容器なんて持ってなかったのに,そっか,蜂の巣が容器代わりか.

暗に,地球上で「容器」を手にした最初の生き物はミツバチだといっているな.さて,その大きな脳を入れるために頭蓋骨が大型化したのに,大臼歯は小さくなちゃった.これは,よく噛まなくても食べることができる食料を手に入れた証拠だとされている.これまでは肉とイモ類がその転換をもたらしたとされてきたけれど,ハチミツも忘れてもらっちゃ困ると,彼女は書いている.
minilogo.pngなるほどね,蜂の子だってほとんど噛まずに食べられるしね.

えっと,申し訳ないね.その蜂の子は,タンパク質源として重要で,特に乾期の食料不足時期には意味のある食料になっただろうとも書いている.
minilogo.pngまあ,でもよくそんなに蜂の巣を見つけたもんだね,その当時.

その頃は地球が豊かだったということでもあるんだろうけれど.ただ,その蜂の巣を見つける能力が高いことに意味があるってことだ.おまけに,彼女が研究対象としているタンザニアの狩猟民は,蜂の巣狩り専用の石器を発達させているんだそうで,それも一つの証拠として,明らかにハチミツが人類への道を後押ししたと結論している.
minilogo.png昔のミツバチは,道具を発明させてあげたり,ハチミツや蜂の子の栄養をあげたり,ずいぶん人類に貢献してきたっていうか,神様みたいに寛容だったんだねえ.それが今じゃこっちが酷使されている.人類,あまりに感謝知らずなんじゃないかな.

そ,そうだね.いや,日々感謝はしているつもり.こうした論文も,150万年遡って感謝した方がいいって教えているようなものだし.
minilogo.pngいやいや,昔のことはともかくね.今だよ,今,今のミツバチに大切なのは.でも,この論文は久々にミツバチ的にも明るい話題だねえ.しばらく休んでたけど,ちょっと元気出てきたかな.

posted by みつばち at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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