2010年08月26日

ミツバチのグレートジャーニー その2 移動が引き起こすもの

さて、前回は北海道以北、南西諸島、小笠原諸島にはニホンミツバチは生息していないという「衝撃の事実」が明らかになりました。

Lazy bee
かつてまったく生息していたことはなかったんですか?


Junbee
日本で見つかっている化石ミツバチにはオオミツバチ系のものも含まれる。温暖な時期にはトウヨウミツバチだけではなくいろいろなミツバチが生息していた可能性はあるよね。その後、最終的には暑いところでも寒いところでもうまくやっていけるような折り合いの付いた生活を選択しているトウヨウミツバチ(ニホンミツバチ)だけが、寒冷な気候を耐え抜いてきた。


現在も北海道にはニホンは持ち込まれていないんですか?

かつて北大の坂上昭一先生(本田睨の「 蜂の群れに人間を見た男―坂上昭一の世界」で紹介されている偉大な蜂の研究者)が研究用に持ち込んだことはある。

今やちょっとした養蜂ブームで、ミツバチがあちこちに移動 させられていますよね。

最近も趣味の方が飼育を試みられるなど、人為的には持ち込まれています。

見晴らしの丘7.jpg

北海道美瑛町見晴らしの丘

坂上先生の頃は時代が時代といえばそれまでだけど、現状での、自然分布を越えた移動をどう見るべきか...

ハナバチが1種類増えるだけ、というほど軽いものではない?

花をめぐってのハナバチ同士の競争は必ず起きる。ミツバチは群れも大きいし、行動半径も広いので,在来のハナバチからすればそれなりの強敵になる。それに,現地に固有な植物には、特定のハナバチをパートナーとして交配を手伝ってもらうものもある。そのハナバチが競争に負けたら、この植物も危ない。ミツバチがこの植物の受粉はしないくせに花蜜はいただいちゃう(盗蜜という)ことが起これば、花は魅力を失って、パートナーのハナバチに見捨てられてしまう。

あるいはミツバチと親和性の高い外来性の植物が繁殖して、植物同士の競争によって固有の植物が影響を受けかねない。一部の事例を除けば、まだまだリスク論ではあるけれど、生態系が大きく移り変わる可能性もあるよ。


自然は常に生き物同士が激しくせめぎ合っていますからねぇ。ほかにもリスクがありそうですね。

そうだね。自然分布域内でも長距離の移動は病気の蔓延や、地域の個体群の遺伝的な特性を薄めちゃうなどの問題につながったり、いろいろリスクがあることは理解して欲しい。
ブラジルでは、50年ほど前に、それまでのヨーロッパ産のセイヨウミツバチを改良して、熱帯への適応性を持たせる目的で、アフリカから人為的にミツバチを持ち込んだ。これが管理下から逃げ出して、やがてキラービーと呼ばれる 凶暴なミツバチへ変身を遂げた(アフリカにいたときから気性は荒かったんだけど)・・・


よほど生存競争が激しかったんでしょうか?気が荒くなっちゃったんですね。

野生の生き物って繁殖力が強いか、攻撃性が強いか、そんなイメージだなあ.アフリカミツバチの繁殖性の高さと気性の荒さが,ヨーロッパ産のミツバチとの混血になっても維持されて、急速に中米を越えて、北米にまで達してしまった。

わずか50年というのがすごいですね。

動物の人為的移動を甘く見ちゃいけない事例のひとつだね。

まあ、人間も戦後65年たって、まったく生活スタイルも変わってしまいましたもんねぇ。
草食系、なんていうのも出てきたし・・・一方で女性パワーがアップしている。ん?ミツバチに近づいてきたのかな?


posted by みつばち at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばちたちの秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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