桜の花が終わるころ、梨の花が咲き始めます。
お天気がよくて花が満開!というこの景色は、ほぼ1年に1回だけ。
梨園の中。
梨園を上から見たところ。
見事ですね〜!
さて、このような日は、受粉に最適の日。梨園の農家さんは、花粉付けに追われます。
この梨園は、くにたち蜜源ガーデンのすぐ向かい側にあるので、先日、花粉付けのお手伝いをしました。
要するにミツバチのお仕事をやってみたというわけです。
花粉は、受粉していないオシベがピンクの花を採取して・・・
オシベの部分を温度を上げて開かせ、乾燥させて、花粉を取ります。
ほとんどが手作業。
そうしてできた貴重な花粉。
目に見えているのは、乾燥したオシベの殻やら茎の部分。
花粉そのものは、人間の目にはほとんど見えないです。
こんな鳥の羽でできたポンポン(と勝手に命名)に花粉を付けます。
ポンポンにふんわりかかっている黄色いのが花粉。
このポンポンを花の上でハタハタさせる。
メシベを傷つけないようにかるーく、かるーく、ハタハタ、ファンファンと…
要するにミツバチが花から花へと飛び回る感じ、です。
これが簡単そうで難しい・・・
だって、ミツバチじゃないですから・・・
見えない花粉をハタハタ、ハタハタ・・・
やった感がなくて、これでいいのか?いいの?受け取れている?
と、思わず心の中で花に話しかけちゃいました。
達成感ない・・・まったくない・・・
でも、目がくしゃくしゃするし、体中が粉っぽい感じがした。
相当めしべに花粉が舞い降りたね・・・と自己満足するしかない花粉付け。
花は、こうやってお待ちかねなんですよ。
ここよ、ここよ!

って感じですかね。オシベがピンクのものが、受粉お待ちしています状態の花。
思い切り背伸びして、花粉を待っている感じのメシベ。わかりますか?
本当は花の上に、こんな感じでミツバチが舞い降りれば、めでたく受粉完了!✌
決定的瞬間、です♥👀
体中、花粉がかかっているし、お腹が完全にメシベにすりすりしている。
オシベは花粉を付けようと、ミツバチの体を待ち構えている感じですね。
ところが、ミツバチも、アブも、梨園にはたまに目にするぐらいしか来ていなかったのです!
ひょっとして魅力ない?
こんなに美しい花なのに虫たちにとっては見かけだけなの?
バラ科よ?リンゴも、桜も、同じ仲間のバラ科よ?
そうなんです。
梨の花は、あまりミツバチにモテないんです

蜜源としては魅力なし。
一応蜜は出してはいるけれど…
真ん中でキラキラ光っているでしょ?
花粉源としては、こんなふうにダンゴにしているくらいだから、かなりイケてます。
特大花粉ダンゴ、ですね。
が、しかし、その花粉も、ミツバチ側の事情に大きく左右され、開花時期に育児が盛んだと,花粉を集めに行くけれど、蛹が多くて幼虫が少ない状態だと梨の花は無視されます。
育児には、4月いっぱいくらいまではそれなりに周期性があるので、その周期と開花が合うかどうかが問題となるわけです。
たくさん群数があれば、巣箱内の事情にばらつきがあるから、行く蜂群もいる可能性もあるかも…
と、かなりミツバチ側の事情は複雑。
そのうえ、この時期は、例えば今年のように桜が同時期に咲いてしまったりして、梨以外にミツバチが頼るものがあるかどうかも、梨の花側にとっては大きな問題です。
待つ身は、いつもつらい…
というわけで、人間がポンポンをもって、ハタハタ、ファンファン、することになります。
花粉が花の上に落ちてから、受粉までには最低3時間は必要なんだそうです。
その間に雨が降ったら、アウト。
人間がやらずに、自然に任せておくと、実はできても、大きくなれず、落ちてしまうそうです。
いつの間にか自然に行われていると思っていた受粉が、とてもデリケートな条件の上に成り立っていることを体験できた花粉付け作業でした〜。
今年の秋は、梨をいつもにもまして美味しくて感じられそうです。
この日、ガーデンの近くの公園では、桜の花吹雪で大地がピンクになっていました。
谷保天満宮では、ツバキの花で真っ赤な大地に。
季節がすごい勢いで変わっていきますね。
初夏は、もうすぐそこ!