
確かに,すごい人だったね.でもそこじゃなくて,プレゼンの内容についての感想をどうぞ.

いや,どっちもどっちかもね.植物の種類では確かに都会の方が多様なんだけど,あくまでも人為的なものだし,生物間相互作用の構成員になっていないものも多い.生物多様性が種類が多いことだけでいえるなら,動物園や植物園にかなう場所はないからねえ.田舎は,資源として意味のあるサイズで群落を構成している花も多いけれど,種類は限られるので,やはり多様性という観点での評価は厳しいだろうなあ.相互作用の実質ということを考えると,実際にはどちらも多様性が高いとという表現はできないかもね.

そうそう,都会だと,この1匹で全部集め切っちゃうよなという咲き方の花にもちゃんと来ているね.あれで一度巣に戻るとしたら,効率はかなり悪いだろう.ミツバにチは,途中で花を切り替えたりしないで同じ花を続けて訪れる「定花性」という性質があるけど,それが発達しているということは,やはりもうちょっと群落サイズの大きな植物を利用しているってことなんだろうね.

そうか,定花性って,つい単花ハチミツを作るのに適した性質って理解で語られることが多いけれど,人間のためにそんな性質が発達するわけないよね.

でも,ミツバチを飼う人たちは,どうしてもハチミツにも期待するし,加えて,ミツバチが健やかに暮らせるような資源環境も欲しいと思っている.それをどう実現するのか,そこが課題になっている.というのがプレゼンの主旨だったんだけど.そのあたりはどう?

では,そこはぜひ手伝って欲しいな.人間の方の仲間も集めておくから.
ミツバチが減っているといわれる地域の多くで,やはりミツバチための資源不足が問題視されています.資源不足は,あらゆる次なる問題への起点にもなるからです.ミツバチは巣の周辺の花々を頼る生き物ですから,ミツバチだけを見ていても,実は見えていないところがあるのです.今年5月末から岩波ホールで公開されるドキュメンタリー映画"More than Honey"は,人間がミツバチの「野生」を奪ってしまい,その弊害が今,いかにミツバチを蝕んでいるかを伝えています.家畜化と同時に,もうひとつ,私たちは,ミツバチがくっついていた巣の周囲半径2kmの土地に関心を払うのを忘れてしまったのではないでしょうか.でも,その土地は,実は私たちも住んだり,作物を育てたりして,「同居」しているのです.無関心ではいられないですよね.