4月から半年ぶりに原宿でハニーウォークをしました。
秋といっても、各地で記録を更新するほどの異例の暑さが続いています。
とはいえ、この時期は花が少ない。
いったいどんな花に出会えるのか…。
今回は、顧問で、玉川大学名誉教授の佐々木正己先生と一緒に歩きました。
朝10時半から、午後4時ごろまで!
ミツバチ目線になって、原宿裏通りから、代々木公園まで。
表通りはものすごい人出で、歩くのも大変なほど。
みんな、どこに行くのかしら…。
植物と昆虫ばかり見て歩いているのは、我々ぐらいなものでした(笑
今回は、この機材を活用して、ミツバチの飛行する直線距離をみながらのウォークで、結果的には、おおよそ半径600〜700mの距離の範囲内での散策になりました。
起点は、巣箱が置かれているコロンバン本店。
表参道の裏手に行けば、そこは住宅街。庭や生垣には、5月から6月ごろに咲いてくれる蜜源植物がけっこうあるんだけど、今は…。
道路際にちょっと意外な植物がありました。アロエです。
アフリカでは蜜源として認知されているそうです。蜜の量が多く、鳥が飲むぐらいだとか。
それはすごい!と一同色めき立つミツバチ目線

これはキダチアロエという種で、日本でも12月ごろから3月ごろまで花が咲きます。
ガーデンに植えてみたくなりました。
佐々木先生と一緒に歩いていると、花が咲いていなくても蜜源がわかっちゃう!
マンションの入り口の植栽に注目。ハマヒサカキは、ツバキ科で2月末から3月に花が咲く蜜源。
またまた有力蜜源発見。目立たない花だから、咲いていても人間はほとんど気がつかない。
が、しかし、問題は今の時期。まったく花がないです。いったいどちらでお仕事をしているのか…。
と、ようやく会えたのが、やはりマンションの植え込みのアベリア。
そうよねぇ、これぐらいしかないよね。
先生から、チェックすべし!との指令。
そうです。アベリアの後ろに赤い実をたくさんつけているのはクロガネモチでした!
赤い実は、ミツバチをはじめ虫さんたちのお仕事の結果です。
やっと会えたね〜!
表参道の道路の分離帯のところにもアベリアが植えられていて、本当はチェックしたいんだけどなあ(笑
巣箱を屋上に置いている表参道のコロンバンさんによると、アベリアの香りがするハチミツが採れているそうです。
たくさん花があるときは、アベリアは優先順位の低い花なんだけど、この時期はありがたい花です。
あと1カ月ほどで咲き始めるかな?サザンカです。
満開のフヨウ。飛び回っているのは見かけたけれど、花粉が大きすぎるうえ、蜜腺は探しにくい場所にあって、あきらめるのも早い。
途中にこんなビオトープ風のビルの庭があり、スズメたちの遊び場になっていました。
よく見ると、蜜源もけっこうあるんだけれど、枯れかけているのが目立ちました。
今年の夏は、酷暑の上、日照りが続いたから、かも。
こういう空間は、昆虫だけでなく、人間にも貴重ですね。
東郷神社の裏手でキリを発見!大きな木なのに、種はこーんなにちっちゃくて、軽い。
つぼみもたくさんつけていました。5月ごろ開花。有力蜜源です。
すぐそばで、こんなキリの幼木を発見!
なんてたくましいんだ!
でも、これからどーするのぉ?ちょっと心配。
最後に人でごった返す原宿駅を通りぬけ、代々木公園へ。
なぜ? すごい人だった…。
最後にもう一匹くらい出会いたいと執念でバラ園へ。
いました!
黄色いバラにもぐりこんで花粉を集めていました。
花から出てきたと思ったら、私の頭の上をくるっとまわって、びゅんっと飛び去ってしまいました。
佐々木先生によると、お仕事を終え、巣をめざすときの仕草なんだとか。か、かわいい・・・
(先生より、追加のレクチャーです。
「巣を目指して飛び立つ時に、自分の訪花していた場所を画像記憶にとどめるために、旋回しながら見ているのだと思われます。ですから何度も通っていると(覚えてしまえば)、帰るときはもうまっすぐに飛び立ち、旋回することはなくなります」
このときは、覚えるための旋回だったのですね。)
1日歩きまわって30種類以上の蜜源植物を確認。種類はあるけれど、量としてはどうなんでしょう。
4月から6月ぐらいは、かなり樹木系の花が次から次に咲くけれど、その後はけっこうきつい感じだなあ…。
都会暮らしのミツバチ、なかなか大変そうです。
ビルやマンションの植栽をもっと考えて植えてもらえるといいかも。
人間の植える植物によって生態に変化が出る面白い例をひとつ。
これはツマグロヒョウモンという蝶。
以前は関西以南にしか生息していなかったけれど、最近は関東でもよく見かけるようになった蝶です。
スミレの葉が幼虫の食草。最近、植栽などでよく見かけるパンジー。どうもあれがスミレの代用になっていて、増殖のきっかけになっている可能性が…。そして、温暖化も?
生態系とは、繊細なものなんですね。
ミツバチは、養蜂で飼われているから、特に都会ではこの生態にどこまで関わるのかというのは難しい位置づけ。
でも、ミツバチが利用できる植物がたくさんあるということは、昆虫たちにとっても、暮らしやすいということ。みんなで仲良く暮らしたいものです

道路際の植栽で咲いていたミントでハラナガツチバチに出会いました。