
最近、ハチミツを買うときに「これは加熱されたものですか?非加熱ですか?」と聞く人が増えているんですって。

ふーん、それってなんのための質問なの?

わざわざ「非加熱」とか、「このハチミツは加熱していません」などと瓶に書いたり、サイトに掲載している業者がいるからみたいよ。
加熱して水分を飛ばしていないから、風味がそのままって言いたいんじゃないの?

ずいぶん失礼な話じゃないの。私たちは、巣箱の中で水分を20%以下まで減らし、完成させたら、ちゃんと蜜蓋をしているのよ。人間が水分を飛ばす必要なんてないのに!

また、いつものように怒らせちゃいそうだわね・・・。
お隣の大きな国では、蜜蓋がされる前に採蜜して、以前は釜や真空釜(こちらの方が低温で効率がいい)で煮詰めている場合もあったみたい。そんなウワサは、私も耳にしたことがある。
でも、最近はさすがに機械がよくなって、膜脱水で水分量を下げる工場が完成したりして、釜で煮詰めるというのは減っているとは思うけどねぇ。

隣の国のハチミツはそうかもしれないけれど、日本では昔から、そんなことやってないでしょ。

まともな養蜂家なら、していないでしょ。
釜で煮詰めるのは手間がかかることだし、スチーム釜や工場などを整備したら、コストがかかるでしょ。それよりも、ミツバチさんがちゃんと完成させてくれたハチミツをいただく方がいいわよね。

まあね、家賃分くらいはあげてもいいけど。
でも、わざわざ非加熱です、なんて言ってほしくないなあ。養蜂家ってプライドないわけ?

まあまあ、落ち着いて。御腹立ちはごもっとも。完成品に対してケチをつけられているみたいなもんだもんね。日本国内では、高温加熱濃縮している養蜂家さんはいないと思うわよ。そもそもその設備や処理する量を考えると濃縮をやるほうがはるかに手間がかかる。
以前、砂糖を混ぜたまがい物が多かった時代は、砂糖を混ぜ込むためには煮るしかなかったから、その加熱の指標になるHMF(ヒドロキシメチルフルフラールといういわゆるカラメル色素)の数値を検査してた。今でも、ハチミツの規格分析には含まれているから、これを使って証明しようなんていう動きもある。でも、問題になるほど加熱しないと、この数値が基準値を超えることはないみたい。

また、コストがかかるじゃないの。その分はハチミツのお値段にプラスされるってわけ?
ばっかばかしい。

そうなのよ。差別化するために、結局、自分たちの首を締め始めているってことね。
結晶したハチミツを瓶詰め時に40℃程度の温度をかけて融解させているケースはあるけどね。そのことを加熱と言っているのかしら?でも、40℃程度だと酵素は失活せず、風味が残るから、加熱、非加熱で差別化する意味はないんだけど。

ハチミツの結晶は、ブドウ糖が多いと固まりやすいというだけのこと。海外では、キャンディハニーといって楽しんでいるわよ。
そもそも私たちは巣の中を35℃程度に保って、「加熱」しているんだけどねぇ(笑
人間がハチミツをありがたがってくれるのはミツバチとしては誇りに思うけれど、もう少しハチミツのことを学ぶべきだと思うわ。

はい、仰せの通りです。
中には、「うちのハチミツは完熟です」なんて言って販売しているところもあるらしいもんね…。

なんですって!!!
だから、ハチミツは完成品なんだってば。
人間は、それを横取りしているだけでしょ。人間には絶対に作れないのよ。わかってんの!
まったくもう〜!

しまった!一言余計だった…。
ち、ちかくにお花畑を見つけたから、行ってみない?
気に入る花が咲いているかもよ〜・・・
