クリスマスといえば、イチゴのショートケーキ。
なんと日本は、一世帯あたり年間3.1キロもイチゴを食べる世界一の消費国だそうです。
好きな果物の1位もイチゴなんですって。

ミツバチが聞いたら、「私たちのおかげでしょ!」って言うかも。
いや、絶対、言いますね。
だって、ミツバチが花粉をつけて、花の上をくるくる回らないと、受粉できないし、きれいなイチゴの形にならないのですから。
イチゴは、あの形が一つの実だと思われがちだけれど、種一つずつの実が集まったもの。
要するにすべてミツバチのお仕事の結果というわけです。

11月ごろから4月ごろまでハウスの中に閉じ込められて、イチゴだけの食事で過ごすミツバチたち。栄養が偏るので免疫力が衰え、ダニや病気に打ち勝てず、ハウスの中で冬を越した後の巣は壊滅的な状況になることが多いです。
そもそも冬はミツバチにとって、冬ごもりの季節。暖かいハウスの中とはいえ、イチゴだけの蜜と花粉で半年も過ごすのは、労働環境として過酷すぎます。
最近では、1個600円以上もする品種が開発されるなど、品種間競争が激化していて、イチゴ市場はちょっと過熱気味。その陰で、ミツバチたちが日夜ハウスの中で奮闘していること、どうぞ忘れないでください。
みつばち百花も参加しているみつばち協議会では、昨年から検討を重ね、農水省のみつばち安定確保支援事業の一つとして、今年の秋に施設園芸農家向けの「ミツバチにうまく働いてもらうために 花粉交配(ポリネーション)用ミツバチ管理マニュアル」を作成し、全国のイチゴ農家さんに配布しました。

現在、イチゴの受粉のために働くミツバチは8万群以上にものぼります。
正確な統計はありませんが、この数字は、国内で飼育が届けられているミツバチの40%以上にあたります。
そのほとんどが、イチゴの栽培現場で消耗しているとしたら…。
実は農薬などで死んでしまうよりもはるかに多いミツバチが犠牲になっているともいえます。
みつばち百花では、12月4日に開催したイチゴの蜜蝋キャンドルキャンペーンなどを通して、多くの人にミツバチの現状を知らせ、理解し、ミツバチを応援してもらえるように今後も取り組んでいく予定です。
