2011年07月26日

講演会「心への種まき 学校養蜂」に参加してきました

7月23日に久留米市で開催された「心への種まき〜学校養蜂」という講演会(企画:はちっこくらぶ)に行って来ました.講演者は,兵庫県神河町の南小田小学校の神崎良三先生.
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プーさんのT-シャツで登壇した神崎先生


講演会の存在自体は,はちっこくらぶ代表の西村靖子さんから,みつばち百花のNLを講演会で配布できないかという連絡があったことから.西村さん自身,百花のサイトはこれまでも見て下さっていたそうですが,もともとは宮崎県の養蜂家の方に紹介されたとか.何となくつながりができつつあるなあと感激しつつ,行ってきました(直前まで行くか行かないか迷ったこともあり,ついでに九州新幹線にも乗ろうと,全行程鉄路でいってきました.町田から久留米までたった2回の乗換えです).実は,近々「教育でのミツバチ利用」の話をしなきゃならないので,参考にと思っていったのですが,期待を上回る収穫でした.先生のお話と,ハチミツ(今年の巣蜜と16年もののハチミツ)の試食がセットになった2時間,どんな内容だったのか,ちょっと夏ばて気味の辛口ミツバチに進行を手伝ってもらって紹介します.なお,この日の参加者は41名で,ミツバチネタだからかやはり女性率が高かったですね.

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今年の巣蜜(上)と16年前の蜜(下)も神崎先生直々にサービス



minilogo.png神崎先生とミツバチとの出会いからいこうかな.
神崎先生は,近畿大農学部(受験の時には玉川も候補だったそうだよ)のご卒業で,卒業研究でスズメバチとかかわることになり,駆除専門業者で研修された.それが縁で,教員になってからも社会福祉協会などからの依頼で,駆除を手伝っているうちにミツバチも駆除対象に入ってきて,でもこれは飼えるということで始められたそう.17年前のことだとか.

minilogo.pngニホンミツバチさんなんだね.ご自宅で飼い始めて,ついでに学校でも?
この部分が,講演会のチラシで「ハンカチなしでは聞けないお話」となっていた部分.ご自宅で採れたハチミツを8年間,校長先生が替わるたびに持っていって,機会をうかがっていたけれど,いつも「先生のハチミツおいしいねえ〜.おいしいけど,学校でミツバチ飼うってはいわんといて」といなされていたそう.そこで先生は一計を案じた.それが「巣門体験」.ニホンミツバチの巣箱(神崎先生が使っている巣箱は重箱式)の最下段は,ミツバチの巣箱の玄関部分.この正面の板を取り外して,中に素手を差し入れるというもの.校長先生,町の教育委員会や県教育事務所の所長(+その運転手さんまで)にこれを体験させて,ミツバチの小さな翅が作る風を感じてもらい,同時に安全をアピールして,遂に6年前に学校養蜂がスタートしたんだそうだよ.もちろん,なぜという部分には,小学生の教科書の中での蜂類の扱いが「危険な生き物」一辺倒だったという点もあるとか.

minilogo.png危険なだけじゃないってことを知ってもらうためにも,安全をアピールするってことなんだね.で,結局,誰も刺されなかったから始められたんだね.ニホンミツバチさんおとなしいっていわれてるからなあ.セイヨウミツバチじゃあ,どうだったかなあ.
いや,ニホンミツバチさん(つい「さん」がついちゃうな)だからって必ず安全ということではないんだそうだよ.ニホンミツバチは刺さないという人は多いけど,そういう人だって刺されたことはあるに違いないし.先生によれば,静かな山の中にいるニホンミツバチはやはりいきなり人の手が入ってきたら騒ぐそうだよ.先生のミツバチは,道路際の少し騒がしいところに置かれていて,多少ことでは騒がない体質になっていたらしい.

minilogo.png普通ならその方がストレスがたまって攻撃的になるのでは?
程度問題だろうね.それとやっぱり花があるかどうかが問題だと思う.採れているハチミツの量も結構なものだけど,実際,小学生の頭の高さよりも高い7〜8段の重箱巣箱で飼われるくらいの強群だし.多少のことでは動じないのかもね.ミツバチの攻撃性は,環境が作った下地に,人間などの与えるストレスの強さで決まると言えるから,やはり環境がよかったことと,適度で,慣れることができる程度の騒がしさだったんだと思う.刺されないために慎むべき5つのこととして「つまむ」「はさむ」「つぶす」「玄関以外から入る」「蜜を盗む」を挙げておられたけど,どれも人間だって同じでしょうといっておられた.人間がされて嫌なことはミツバチにもしない.あたりまえのことだけど,普通にはそういう理解はないかもね.そうやって刺害を極力防ぐことには成功してきたそうだ.

minilogo.png学校ではミツバチを飼ってどんなことを学べたのかな?
こどもたちは観察日記を交替でつけたり,採蜜体験,自分用のハチミツ瓶のラベル製作,蜜ろうの精製とロウソク作りとか,結構いろいろやってきているね.もちろん,観察していると,分業も見えてくるけれど,そこからクラスの中での役割分担の意味を悟ったり,蜜や花粉を誰のために集めてくるのかというところで,働いて稼いでくる親の位置づけを理解したり,小学校ならではの学習効果はあるようだよ.特定の教科というのではない教材としてミツバチが存在できているというのかな.

minilogo.pngこどもたちの反応はどうなの? ちゃんとミツバチのことわかってくれるのかな?
小学生らしい感じだけどね.現在,高校2年生の卒業生たちが寄せてくれた感想があって,「ニホンミツバチを見つけたら,久しぶりに友だちに出会ったような反応をします.ハチって怖くないんだよっていろいろな人に教えたいです」とか,「ハチがかわいく思えるようになった」なんてのも.経験したことがすばらしかったのは確かだろうし,それ以上にミツバチという生き物を適度な距離感で見れるようにはなっているんだね.

minilogo.png周囲の大人はどうなのかな.神崎先生はいいとして.
学校養蜂のハードルは,1)学校管理者,2)保護者,3)隣接住民,4)地元の養蜂家で,学校管理者に関しては,苦節8年目で何とかクリアできたのは最初にいった通り,もちろん保護者は協力的.隣接住民は,「ダメなら諦めます」と弱気な先生に「うちの畑を貸してやるからやれ」とまでいって下さったそう.地元の養蜂家は,神崎先生の方が養蜂暦が長い(当時で12年目)とわかると「いろいろ教えて」ということになったんだって.

minilogo.pngだけど,そもそもなぜミツバチだったのかな.
先生の書いたものを読むと,ふるさとに魅力を感じられるこどもを育てたいというのが先生の中の中心命題のようだね.実は過疎化で学校の統廃合が進んでいて,せっかくの現場になった南小田小もあと2年で閉校になるそうだ.田舎からの人口流出はなかなかとめられない.でも一方で,町のこどもたちは町の暮らしをそれほど肯定的には見ていないというアンバランスな状況にあるんだそうだ.だからこそ,魅力ある田舎暮らしを体験させたいという思いがあって,ニホンミツバチさんということになったんだと思うよ.

minilogo.png今回の講演会の主催者のはちっこくらぶは全国の小学校で養蜂をというのを目指しているみたいだから,少し思いとしてちがうのかな.
最初の思いはともかく,まだ情報収集段階だから,これからでしょう.それで,今回の講演会が最初の勉強会だったらしいよ.でも,ミツバチにピンと来て,いろいろな可能性や魅力を感じているところは,百花の面々とも通じるものがあるよね.
そもそも,ミツバチを学ぶことは「養蜂」以外の形でもできる.とにかく飼わなきゃというのは「ミツバチ」というキーワードから来る強迫観念に過ぎないよ.飼育に踏み切った南小田小は小規模校だってこともあったし,何より神崎先生がミツバチを扱える人という利点が大きいよね.周辺の豊かな自然もあるわけだし.そんな恵まれた条件はないという中で,じゃあ何ができるっていう部分はあんまり整備されていない(だから無理して飼っちゃう).学校や,親や,こどもたちだけではどうにもならない部分も多い.でも,そう思えば逆にやることが何かは見えてくるのかも知れないよ.どうにもならないことができるのは誰だろうって考えればいいという部分もある.先人としての神崎先生のお知恵も拝借しながら,こどもたちがミツバチと「友だち」になれることを目指していきたいし,ミツバチが住んでいる空間に,田舎であれ町であれ,自分のふるさととして魅力を感じて欲しいね.そのために,大人たちがやっているいろいろな活動が連携していけるといいだろうね.


posted by みつばち at 15:55| Comment(9) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月10日

ひまわりの間引きなどを行いました

いよいよ夏本番ですね。
先日、播いたヒマワリやコスモス、高嶺ルビーの様子を見がてら、間引きを行いました。
9時半に谷保駅に集合したときには曇り空だったのに〜曇り
10時ぐらいからは太陽が顔を出し、ぎらぎらの夏空になってしまいました晴れ とほほ…。

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天水だけなのにヒマワリもコスモスも、ちゃんと芽を出して元気に育っていました。

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高嶺ルビーも。
んー、でも、早く播きすぎちゃったな。
キヅタが、ものすごい勢いで繁殖中だったので、きれいに取り除いてあげました。

来年は、こんなに暑くなる前に種を蒔こうとみんなで誓いましたたらーっ(汗)
現在、市内の巣箱は約40箱。国立の面積なら、およそ60箱ぐらいまでは大丈夫。ただし、蜜源がちゃんとあってのことです。

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近くの家の庭先のチェリーセージにミツバチが…。
とてもせわしなく動いていて、花の付け根でうろうろ。
チェリーセージは花粉をくれるはず。
そこから花粉は無理だと思うよ…と教えてあげたくなりました。
クマ蜂が空けた穴でもあるのかな?

畑のヒマワリやコスモスは蜜源植物としてとても有効。
でも、各家庭の庭の園芸植物にも、どんどん蜜源・花粉源植物を取り入れてもらいたいです。
なので、みつばち百花では、訪花の確認できた園芸種もデータにどんどんアップしています。
庭づくりの参考にしてくださいね。
蜜源・花粉源植物データベースはこちらです。



2011年07月05日

生物多様性関連セミナー「開発途上国での養蜂振興―ミツバチは救世主か侵略者か」のご案内

養蜂は地域の有望な産業となりうるのか。

養蜂を促進し、地域特産としてハチミツをという地域振興は考えられがちですが、そこにはさまざまな課題点があります。
発展途上国でも、養蜂を産業化して雇用の促進をめざす動きが現れては消えて…を繰り返しています。
地域活性化の方策として、はたして養蜂はありうるのか、を、途上国でのサポートや研究などの豊富な経験を踏まえ、みつばち百花の理事で、玉川大学ミツバチ科学研究センターの中村純教授がJICAの地球ひろばにて、生物多様性関連セミナーの一環として講師を務めます。

テーマは、ずばり「開発途上国での養蜂振興―ミツバチは救世主か侵略者か」です。

日時は7月12日午後6時から
場所は、JICAの地球ひろばです。

詳細はこちらをご覧ください。

posted by みつばち at 15:06| Comment(1) | TrackBack(0) | そのほかのお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする