年度末で毎年、年末よりもあわただしい時期です。
寒風に身を固くしながら、ミツバチたちはちゃんと冬を越せているのかとつい考えてしまいます。
例年より雪が多かったり、温度が低かったりしています。
十分なハチミツがあれば、体を温めあうこともできるのだけれど。
さて、先週の土曜日にNPO法人くにたち富士見台人間環境キーステーション主催による「ミツバチのつなぐ夢」連続講座の7回目が開催されました。
講師は、当みつばち百花の理事で、玉川大学ミツバチ科学研究センターの中村純教授。
今回は、市民養蜂家が増えている中、養蜂にはどんなリスクと責任が伴うのかという辛口ミツバチならではの視点でお話しをしてもらいました。
最近、ミツバチを「飼いたい」という人が急増中。
東京都に出されている飼育届けは、平成22年1月1日付で過去5年で1.5倍に増加しています。
巣箱を置いたら、勝手にハチミツを採ってくれそうだけれど、ミツバチたちは人間のために採っているわけではなく、生きて行くために必死なのです。
趣味養蜂だからといって、いい加減なことをしたら、ただでさえ減っていると言われているミツバチたちに迷惑をかけるだけ。
折しも、卯年ということでウサギブームらしく、そのあおりを受けて「捨てウサギ」なるものが急増中だと報道されています。ふと、ミツバチはどうなんだろう…と。
捨てミツバチは病気の温床にもなりかねません。
だから気を引きしめて、ミツバチとの付き合い方をきちんと考えよう!という講座を実施してみました。
「飼いましょう」という養蜂講座はいくつもありますが、こんなリスクをテーマにした講座は全国でも初めてだと思います。
今回の教材となった東京都養蜂ガイドラインの中には「社会的なマナーを守り、事故やトラブルを防止」するためには次のような点が必要とあります。
「飼育を始めるために必要な知識・情報の収集に努める」
「隣家や道路の近くに巣箱を置かないようにする
「蜜源の保護や増殖に努める」
といわれても、具体的にはどうしたらいいのかわからないというのが現実でしょう。
「本を読んで、ウシを飼える?豚を飼える? ミツバチは本を読んでも飼えるようにはならないよ」とは辛口ミツバチのお言葉。
たしかに…
養蜂の世界には徒弟制度みたいなものが残っているということですが、出会う師匠によってミツバチへのスタンスは大きく異なるはず。
なにはともあれ、自然の生き物と付き合うには、自然のペースに合わせることが肝心です。
「ハチミツが採れた!」と喜ぶだけでなく、ミツバチのスローな生き方からたくさん学んで行こうという姿勢が一番大切なことではないでしょうか。
ながーい目で見て、ゆっくりミツバチと一緒に成長していきましょう。
さて、次回2月19日はいよいよこの連続講座の最終回です。
ミツバチは、国立市民として定住数を増やしていけるのか。
これまでの振り返りとともに市内の農業や養蜂の現状、みつばち百花プロジェクトの今後など、もりだくさんな内容となります。