昨日は、21世紀社会デザイン研究学会年次大会の「自然と共生する社会デザイン」をテーマにしたパネルディスカッションに登壇させていただきました。
簡単に活動についての発表をした後に同学会の会長で、立教大学名誉教授の北山晴一先生から、登壇者にそれぞれ質問をいただきました。
「ミツバチの視点から見えてくる環境」というテーマでお話しした私への質問は「とても内容の濃い活動をしているが、そうした方法論はどのように確立していったのか」というものでした。
さすが!!!
なんという的確な質問でしょう。
まさにみつばち百花の活動の特徴をきちんと捉えていただいたと、とってもうれしくなりました。
私の答えは、「科学的なアプローチを踏み外さないことを大切にしている。科学は足かせではなく、より深い、広いところへの到達に欠かせない」というものでした。
情報があふれているからこそ、物事すべてをなんとなくイメージでとらえてしまうことが多いのが現代です。その結果、短絡的な結論を導きやすい。でも、そこで見落としがちなことこそ、とても重要なこと、解決しなければならないことがたくさん潜んでいるはずなのです。
そして、科学の目でミツバチに接してみると、彼女たちがさまざまなことを雄弁に私たちに伝えてくれます。
ミツバチは、今、飼うことがちょっとしたファッションになっているのかと思うほど、あちらでもこちらでも、プロジェクトが立ち上がりつつあります。
でも、ちょっと待って!
ミツバチは減っているのでしょ?
どうやったら増えてくれるのかは、飼うこととは別の次元のことです。
なのに飼うことで環境問題やミツバチの問題が解決できるような錯覚を得ていませんか?
不幸なミツバチを増やす結果になっていませんか?
などなど、この点については語りたいことが山ほどあります〜。
北山先生とはもっといろいろやりとりさせていただきたかったのですが、とにかく時間がなくて・・・。
終わってから、何人もの方々にミツバチの発表が面白かったと言っていただけました。
きちんとお伝えする大切さをあらためて感じました。
学会のみなさん、お世話になりました!
次回は、連携先の富士見町で同じテーマでお話しさせていただきます。
地方の方と都市住民の方たちとの反応の違いはどうなるかなと、とっても興味深いです。
最近は、都会の頭で考えた安易な日本ミツバチによる地域活性化を目的とした怪しいプロジェクトも散見され、西洋ミツバチだけでなく、日本ミツバチもまた、経済効率を追求したシステムのなかに取り入れられてしまうのかとハラハラしているところです。
このあたりのことは、Junbeeと辛口ミツバチにとってかなり頭の痛い課題になりつつあるようですよ。
辛口ミツバチの「いい加減に人間中心に考えるのはよしてちょーだい。私たちだって花も十分なくて苦労しているのに、これ以上、人間の稼ぎの部分までめんどうみきれないわよ」という声がどこからともなく聞こえてくるような…。