2010年10月31日

ハロウィン収穫祭は無事終了!

昨日の悪天候の中、参加してくださった方々、ありがとうございました。
開始した午後5時半ごろは、かなり激しく雨が降っていましたが、飲んだり、食べたり、話したり、蜜蝋キャンドルをつくったり、ミツバチぶんぶんダンスをしたりしているうちに気が付いたら、雨はすっかりあがっていたのでした。
要するに楽しくて、わーわー騒いでいるうちに台風はどこかに行っちゃったということです。よかった〜。

帰れなくなることを覚悟で集まったみなさん、本当に本当にありがとうございました!
なんと参加お申込みの8割の方が来てくださっただけでなく、「来ちゃった〜」といった思わぬ方々も。
ううっ、うれしかったです〜。

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帰りには傘を忘れそうになりました。

会場にはかわいいミツバチたちがブンブン飛び交い、最年少の男の子の参加者ぐーちゃん(3歳)は、「ミツバチのお姉さん…」と熱い視線を送り続け、今朝もふたたび「ミツバチのお姉さんは?」と探してしまうほどだったとか。

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↑ミツバチのお姉さ〜ん…ツンツン、こっち向いて〜

若いミツバチのお姉さん、お兄さんはもとより、ちょっと年齢を経た分蜂間際のお姉さんたちも、みんなでコスプレしながら、ブンブンしました。

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↑みんなでブンブン中。
ゲストの富士見高校養蜂部による、ミツバチになって養蜂部の巣箱を訪ねあるくというもの。とてもうまく工夫がされていて、全員ですっかりミツバチ気分になってしまいました。
途中、スズメバチがやってくるシーンも。
力を合わせて撃退する方法も教えてもらいました(笑)

メニューは、もちろんコラボ・カボチャづくし〜。

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アチパンさんのタルトとスコーン。

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どれもおいしかったです。カボチャはミツバチのための蜜源植物として植えたので、できはそんなによくなかったと思いますが、カフェスローさんもアチパンさんも、さすがです。おいしくお料理してくれました。

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キャンドルを灯してのネパール音楽。
素朴な音色が流れる中、壁には事務局長の黒澤さんの、国分寺でこの夏、激写したミツバチと花の写真の数々がスライドショーで展開されました。
花とミツバチの無言のコミュニケーションが、人が奏でるやさしい音色とマッチして、ちょっとうるっとしてしまいました。
メンバー同士で「萌えるよね」なんてささやきあいました。

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団子にできないんだけれど…。マロウの花の上で悪戦苦闘中。

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オレンジ色が流蜜のサイン。

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春の蜜源花粉源植物の代表として菜の花の種をみなさんに配りました。

いつもながら人気のディッピング蜜蝋づくり。

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さて、第1回目のコスプレ大会優勝者は…次回にレポートします。
(誰かちゃんと撮影していた〜? つい夢中になって、私は撮影できていなかったのでした)



ラベル:国分寺

2010年10月29日

高嶺ルビーの花畑にはハナバチたちがいっぱい

収穫祭に参加してくれた方には国分寺の畑で育てた高嶺ルビーの花を差し上げます。
明日、午後に花を切りに行こうと思っていたけれど、台風という予報なので、今日、急きょ、畑に行ってきました。

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満開だったけれど、昨日の大雨でかなり倒伏してしまいました。
もう少し種を深く埋めた方がよかったのかな。
ミツバチは見当たらなかったけれど、いろいろなハナバチたちが忙しそうにしていました。

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また、出会ったオオハラナガツチバチ(名前をついに覚えられた)

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こんなのも、来ていました。

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バケツに一杯の花!
カフェスローに持っていったら、なんとオオハラナガツチバチがくっついて来てしまった。

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よほどご縁があるようで…。
カフェスローの店長の間宮さんが裏の畑に放しましょう、とのことでお預けして帰ってきました。

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「お任せください」と間宮さん。
ご本人は自らの置かれた立場も知らず、高嶺ルビーの花に顔を埋め続けていました。
「蜜、蜜、蜜〜!」って感じでしょうか。

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よい子を産むのだよ。って、コガネムシの幼虫にとっては迷惑な話だけれど・・・。

posted by みつばち at 14:24| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばち百花PT@国分寺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月28日

おいしいカボチャのタルトが待っていますよ

もうすぐ30日、ハロウィン収穫祭です。
が、このお天気はなに〜!
今頃になって台風が近づいています。それもすごいパワーのが…。

でも、めげずにハロウィン収穫祭、やりますよ。
コスプレも着々と準備中です。

天然酵母のパン工房アチパンさんが、ミツバチと私たちのコラボ・カボチャでタルトをつくってくれます。
アチパンさんといえば、おいしいパンでファンが多いお店。
どんなタルトができるやら。わくわく。
こちらに試作品が出ています。

めずらしいカボチャの焼酎も持っていきます。
メンバーのNさんが関わっている青森県むつ市と東通村で栽培している「一球入魂かぼちゃ」でつくった焼酎「北瓜(きたふり)」です。さて、どんなお味でしょうか。

雨にも、風にも負けず、やりますので、みなさん、ぜひ、いらしてくださいね〜。
お待ちしています。

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ラベル:かぼちゃ 蜜源
posted by みつばち at 16:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 蜜会のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月27日

みつばちの庭のお客さんたち

みつばちの庭は、ただいまニラが満開です。

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といっても、ニラは酷暑の間中も満開でした。
疲れを知らないニラです。
そんなニラの花にはいろいろなお客さまがやってきます。
昨日は、こんなお方が来ていました。

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オオハラナガツチバチの雌です。
産卵前に栄養を付けようということなのか、蜜を求めて熱心にニラの花の上でうろうろしていました。
雌は大きなあごを持っていて、触角が短く、穴掘りが得意なんだそうです。それもそのはず。地面の中のコガネムシの幼虫を地面に穴を掘りながら追いかけるのですから。
捕まえた幼虫には麻酔を打って、卵を産み付けます。卵から孵った幼虫は麻酔が効いて眠っているコガネムシの幼虫を食べて成虫になります。幼虫は、オオハラナガツチバチ(長い名前。どこで切れるんだろう。オオハラ・ナガ・ツチバチ?)に見つかったが最後、というわけです。

アブラナ科ののらぼうは、芽を出して本葉までつけているのに青虫に食べられてレース状になっています。青虫の奴め…と退治していたら、カマキリとバッタを入れた虫採り箱を大事そうに抱えた二人の小学生の男の子に声をかけられました。
「あ!青虫だ!それ、いただけますか!」
「あら、どうぞ」と青虫が食らいついたままの葉ごと渡すと、こわごわ「アオムシ・・・」と感極まった様子。
「もっといただいていいですか?」と丁寧に言われたので、もちろん「どうぞ、どうぞ、好きなだけどうぞ」。
しばらくの間、のらぼう菜の前で、二人はしゃがみこんで額を寄せ合って夢中で青虫を探していました。
「みつばちの庭」には、ミツバチはなかなかやってこないけれど、こんなかわいいお客さんもやってきます。

ビービーツリーの葉の上で出会ったアゲハの幼虫には、申し訳なかったのですがやはりお引き取りを願いました。
ビービーちゃん、丸裸寸前でした(汗)

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posted by みつばち at 17:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 花蜂の秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月25日

初の蜜蝋キャンドルづくり・ワークショップ終了

自分たちのイベントでは、蜜蝋キャンドルづくりの体験をやってもらったことはあるのですが、今回は初の出張キャンドルづくりでした。
それもいきなり表参道!
事務局をやっている風土倶楽部のお取引先であるブラウンライスさんの年に一度開催されるイベント「ホールフードマーケット」でキャンドルづくりをやってみました。

まずはディッピングのスタンバイ。

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こんなにかわいいディスプレイもつくってみました。

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こちらは花型キャンドルづくりのコーナーです。

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ずらっと並んだかわいい箱は、ニールズヤード・レメディーズのアロマテラピーブレンド。
8つのテーマ別にエッセンシャルオイルをブレンドしたもので、花型キャンドルが固まる前に好きなオイルを選んで添加します。

みつばちの庭の満開のバラを切って水に浮かべてみました。

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お客さんが入り始めて、ドキドキ。

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どうやら楽しんでもらえたようです。
お客さまのエプロンと手カバーに注目!
メンバー手作りです。手前はメンバーのIさん。

花型キャンドルの方も、お弁当のおかず入れのシリコンカップに溶かした蜜蝋を注ぐだけ。
「簡単にできるんですね!」と驚かれる方続出。
灯して残った蜜蝋は、溶かしてホホバオイルなどのオイルと混ぜると蜜蝋クリームになりますよ、というと、またまたみなさん、「なるほど!」と喜んでもらえました。
ミツバチに無駄はないのです(笑)

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ブラウンライスを経営するニールズヤード・レメディーズの社長で、ロンドンから来日中の梶原さんも、蜜蝋キャンドルづくりにトライしていただきました。

ハチミツのテイスティングなどもいつも和みますが、蜜蝋キャンドルづくりや蜜蝋クリームづくりもやっぱりほんわかいい気分になります。
いつもながら、ミツバチは私たちを幸せな気分にしてくれるんですよねぇ。

梶原社長さんによるとブラウンライスさんは今後とも「心があたたまる商品と場所」を提供していくことをめざしたいということです。ミツバチと私たちも、また、ぜひ、そんなお仲間に入れてくださいね。
お世話になりました〜!


ラベル:蜜蝋

2010年10月21日

高嶺ルビーが満開に

国分寺の畑に行ってみたら、赤蕎麦の高嶺ルビーが満開になり始めていました。

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短日花だから、日が短くなると咲くということです。
寒くなると色が濃くなっていくとか。
さて、問題は流蜜です。
標高が低い国分寺でも、ちゃんと蜜を出してくれるのかどうか。
お天気のよい日の午前中に確認に行かなくっちゃ!

もうひとつの畑の方では、のらぼうの芽がたくさん出ていました。

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秋に芽を出して、早春に花を咲かせるミツバチにとっては心強い花です。

posted by みつばち at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばち百花PT@国分寺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月20日

ミツバチに感謝するハロウィン収穫祭

かなり前からやるやると言いつつ、いつものように直前になってドタバタ準備中です。
前回の告知記事のコメント欄に決まったものをぽつぽつ入れていましたが、全部まとめて再度お知らせします。
またしても盛りだくさんの内容になっています。

開催日:2010年10月30日 土曜日
時 間:18:30〜21:30 (開場 17:50)
会 場:カフェスロー
参加費:2000円(ワンドリンク付き お食事は別料金)
キャンドルづくり体験:+300円(1本)、+500円(2本)

お食事
国分寺の畑で収穫したカボチャをカフェスローでお料理してもらいます。
ミツバチと私たちの共同作業によるカボチャです。

キャンドルナイト
ディッピングによるキャンドルづくりを体験できます。
太陽の光で育った植物。その植物から蜜と花粉をミツバチがもらってつくった巣。その巣が蜜蝋キャンドルとなります。いわば昼間の太陽の光がミツバチが夜の闇を照らす光へと変えてくれたともいえます。

ミュージック
ネパールの伝統楽器「サーランギ(弦楽器)」と「マーダル(打楽器)」の演奏をお楽しみください。演奏は「バンチャパリワール(台所の家族の意味)」のみなさんです。
ネパールでは、11月4〜7日がティハールという「光の祭」。日没後に灯明を灯してお祝いをします。
秋の夜長のひとときにぴったりの音楽とともに。

コスプレ大会
ハロウィンといえばコスプレ!ミツバチのかわいさ、健気さ、面白さを自由に表現してください。賞品も用意しています。こちらは出場者大募集中です。

特別ゲスト
全国でも珍しい養蜂部のある長野県富士見高校から、養蜂クラブのみなさんが参加してくれます。みつばち百花の連携先の一つでもあります。
ミツバチとの楽しい日々をイキイキと伝えてくれます。
みんなの手作りの絵本や貴重な日本みつばちの蜜蝋クリームの購入もできますよ。

活動報告
国分寺をはじめ、岩手県、福島県、長野県の各地との連携など、みつばち百花の活動報告もします。国分寺の蜜源・花粉源植物はどんな花があるか。お楽しみに〜。

三日月参加する方は、できればミツバチ柄をどこか一か所でいいので付けてきてくださいね。
参加ご希望の方は、メールでお申し込みください。
お待ちしています。

半月蜜蝋キャンドルづくりを体験したい方は、18時ぐらいにはお越しください。

やや欠け月カボチャ畑についての詳細は、カテゴリー「みつばち百花プロジェクト@国分寺」をご覧ください。
満月案内のチラシは、みつばち百花のサイトのこちらでダウンロードできます。


posted by みつばち at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 蜜会のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月18日

イエローキャンパスと高嶺ルビー

昨日の土と平和の祭典は、お天気もよく、大盛況でした。
みつばち百花は、風土倶楽部、akarizmと合同で出店しました。

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花いっぱいのお店です。

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これはイエローキャンパスという珍しいレモンイエローのコスモスです。
玉川大学により開発された品種です。

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こちらは高嶺ルビー。今、国分寺の畑で栽培している赤蕎麦です。
気温が下がると赤さが増してきます。
どちらもミツバチが大好きな有力蜜源植物です。
コスモスは花粉源植物でもあります。

さて、次回は23日土曜日11時から、表参道のブラウンライスで開催されるホールフードマーケットで風土倶楽部と一緒に出店します。
ディッピングの蜜蝋キャンドルや花型のキャンドルづくりを行います。
数に限りがありますので、キャンドルづくりをご希望の方は、お早めにお店まで直接ご予約ください。
いろいろな食材の本物の味を知るよい機会でもあります。
ぜひ、お立ち寄りください。





2010年10月16日

明日の土と平和の祭典に出店します

直前になってしまいましたが、明日の土と平和の祭典に出店します。
アースデイマーケット枠で風土倶楽部とakarizmと一緒のブースです。
オリジナルの蜜蝋キャンドルや蜜源植物のコスモスなどを販売します。
お天気もまずまずのようなので、ぜひ、遊びに来てくださいね。
会場は日比谷公園です。


posted by みつばち at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | そのほかのお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月10日

10月30日夕に収穫祭を開催します

今年も各地でミツバチたちが大活躍して農産物の収穫時期を迎えています。先日来、レポートをアップしたように国分寺のカボチャ畑でもカボチャがしっかり収穫できました。
そこでミツバチたちに感謝する収穫祭&ハロウィン・パーティを10月30日午後6時から、国分寺市のカフェスローで開催します。

毎回、養蜂の現場のフレッシュな若手の方をクローズアップしていますが、今回は長野県富士見町から富士見高校養蜂クラブのみなさんをゲストにお迎えします。
日本の高校では2,3校にしかない数少ない養蜂クラブの一つ。富士見高校は、今年の長野県農業高校農業クラブ最優秀賞を受賞。今年2月にできたばかりの同クラブですが、すばらしい内容の活動を行っています。
DSCF3498.jpgミツバチに感謝する日として、ハロウィンとはいえ魔女や精霊ではなく、もちろんミツバチがテーマです。
初の試みとして、第1回ミツバチ・コスプレ大会を同時開催します。
出場者を大募集中!
ぜひ、楽しい、かわいい、面白いミツバチになりきってみてください。
カボチャ料理も、お楽しみいただきます。


2009_0808cafeslow0039.jpgまた、昨年、8月に開催したフォーラムで大好評を博したディッピングによる蜜蝋キャンドルの体験も実施します。(画像は昨年の様子)


タイムスケジュール

17:50〜 開場
18:00〜 ディッピングでのキャンドルづくりをやりたい方は早めにいらしてください。
18:30〜 オープニングのご挨拶
18:40〜19:15 お食事タイム&キャンドルづくり
その後、みつばち百花からの活動報告、ゲストの長野県富士見高校養蜂クラブの高校生による「ミツバチ、大好き!」レポート、会場のみなさんとのミツバチトーク、ミツバチコスプレ大会など盛りだくさんです。

参加される方はミツバチ柄(黄色と黒の縞柄。縦になるとトラになるのでご注意ください)をどこかにつけてご来場ください。

参加費:2500円
ワンドリンク付き、ディッピングキャンドル2本体験付。体験されない方は参加費2000円。

お食事・飲み物は各自、カフェでオーダーしてください。

会場ではみつばち百花オリジナルのキャンドル、日本みつばちの蜜蝋キャンドルを販売します。

主催:NPOみつばち百花  協力:カフェスロー

<お問合わせ・お申込み> info@bee-happy.jp まで。
ミツバチ・コスプレに参加ご希望の方は、事前にその旨、ご連絡ください。
ディッピングキャンドルづくりの体験をご希望の方も、ご連絡ください。

ご参加、お待ちしています。

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カボチャの後に植えた高嶺ルビー(赤蕎麦)の芽が順調に育っています。


posted by みつばち at 19:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 蜜会のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月05日

どれだけミツバチがいるのが普通? 現状は危機的?

先般(8月21日),国立市でNPO法人くにたち富士見台人間環境キーステーション主催のまちかど講座「ミツバチがつなぐ夢」での講演の際,8.15平方kmの面積の国立市には,野生の状態ではミツバチが8群しかいられないという話をしました.でも,もっと飼っていますとは参加者の方々.住んでいるのと飼うとは別の話なんですが,ヨーロッパを中心とした研究で,飼われているミツバチの平均的な密度情報が含まれた論文が出ましたのご紹介.

これによればイギリス,フランス,ドイツは1平方km当たり1〜3群,スカンジナビア半島諸国はやはり寒いから1群以下,中央,南,東ヨーロッパになると数はやや増えていきます.これと密接に関係するのは実は年間平均気温.ざっくり見れば10℃で3群,20℃なら8群といった増加傾向.日本の各地の年間平均気温を大雑把に見れば,北海道が10℃,東北が15℃,関東以西が広範囲に20℃,沖縄が25℃といったところ.これに基づけば,国立では60群以上のミツバチを飼育できる計算.

もっともこの研究(ドイツのマーチン・ルター大学のJaffeをはじめ,ヨーロッパからアフリカ各国の研究者16名でデータ収集した大論文,出典は下記参照)のいいたいことはそれじゃありません.最近はこの「問題」を扱う研究も増えている,そんな事情を辛口ミツバチと見ていきましょう.
Jaffe et al. 2010. Estimating the density of honeybee colonies across their natural range to fill the gap in pollinator decline censuses. Conservation Biology 24: 583-593.


minilogo.pngそれにしてもヨーロッパからアフリカまで,すいぶん大規模な調査研究だね.ミツバチの密度はどうやって求めたのかな? 歩いて数えた?
さすがに16人の研究者では無理なので,25か所のサンプリング地で,半径2.5〜3kmの円内にどれだけミツバチが飼われているか,養蜂家にしらみつぶしに探してもらっている.今ごろはgoogle mapなんて便利なものがあるから,養蜂場があったらそれに記録してもらったらしい.公式な統計には含まれていない,無届けで飼われているものとか,趣味養蜂家のミツバチなんかも含めることができたそうだ.

minilogo.pngでも,それだけじゃ密度を計算できないよね?
もちろん.ひとつは交尾のための雄蜂の集合場所で雄を捕まえた.ひとつの集合場所にどのくらいの巣から雄が来ているかは,遺伝子を調べればわかる.近辺の巣箱から働き蜂も捕ってきてこれも遺伝子を調べた.これによって女王蜂がどんな雄蜂と交尾しているかがわかるから.あとは,そうして推定した,ひとつの交尾場所に飛来した雄蜂の数の中央値を,雄蜂の交尾可能な面積としての推定値である2.5平方km,あるいは女王蜂のそれとしての4.5平方kmで除算して求めている.

minilogo.pngわかったようなわかんないような.で,計算したらそれが気温と密接な関係にあったということと?
先に書いたとおりだけれど,年間の平均気温が高くなるにつれて密度の上昇が見られた.高密度なところは,遺伝的な多様度も高かった(飼われているミツバチだけど,いろいろな血筋のものが混じっていた).

minilogo.png気温だけが関係していて降水量は関係していないという結論だけど,雨が降れば餌を集めるのは不都合だよ
雨が問題になると思われるのは,雨季乾季のはっきりしたアフリカなど.でも,それよりは越冬がうまくいくかどうかにかかわる温度の方が生き残りには大きく響くので,より明確に蜂群密度に関係したということだろう.もっとも,熱帯では多少の降雨では負けずに採餌している印象もあるけどね.雨降りでも気温が高かったり,スコールのように短時間の降雨が多いせいかな.

minilogo.pngアイルランドとイタリアでは野生のセイヨウミツバチが見つかっているね.
飼われているものよりも蜂群密度も遺伝的多様度もやはり高かったそうだ.野生のミツバチの話は,ちょっと前にニホンミツバチの話としてしたよね.

minilogo.pngで,ここからが問題の部分だよね? この研究のいいたいところというべき? これまでにやられてきた野生のハナバチさんの減少状況の推定だけではヨーロッパの花粉交配の危機を訴えきれない.だから,セイヨウミツバチ,それも人間が飼っている方の事情を加えて,現状を洗いざらい見せようとしたというところかな.
よくつかんでるね.Jaffeたちは,ミツバチの蜂群密度や遺伝的多様度と各地の土地利用状況との関係を見ようとしたんだ.蜂群密度も遺伝的多様度も,自然の残っている未開発地では,農地に較べて高かった.ちなみに蜂群密度は未開発地では1平方km当たり11.88群で,対する農地では7.46群だった.ただヨーロッパだけに限ってみるとこの差はそんなにはっきりしない.ヨーロッパ全体では,公式統計から推定した蜂群密度とも差はなかったそうで,趣味養蜂家の寄与率は低いということでもあるのかな.

minilogo.pngヨーロッパでは土地の開発が盛んで,農業開発や森林減少が,ハナバチさんの生息場所を減らしたり,遺伝的多様度を低下させてしまうというのが問題なんだよね.
だいぶ勉強したね.でもヨーロッパだけじゃない.アメリカでは開発が進んだことで,野生のハナバチに期待される花粉交配への貢献度が,これまでの1/3〜1/6程度になったと見積もっている研究者もいる.その分,人間が飼うミツバチに期待しなければならないという状況にまですでに陥っているということだろう.で,そのミツバチの状況はと思って調べたら,というのがこの論文のストーリーだね.

minilogo.pngこれ自体,驚きなんだけど,ヨーロッパ全体としての蜂群密度が,カラハリ砂漠やサハラ砂漠近辺の乾燥地帯と同程度に低いという結果はどう考えればいいの? 寒い北欧は別にして,中央ヨーロッパでさえかなり低い密度だよね.ミツバチが希薄な感じ.
公式統計からの推測値との差がないことから,この研究で見てきたミツバチは基本的に飼われているミツバチの実像を表しているといっている.希薄といってもそれが人間が飼うことのできる精一杯の数なんだろう.で,ミツバチからすればそれがそこにいられる精一杯の数で,野生のものにはほとんど余地が残されていない.そのことは今後も開発が進めば,あるいは病気が流行すれば,ますます野生のミツバチは失われ,人間が飼っているミツバチだけが生き延びている状態になる.つまり「養蜂」なしにはヨーロッパのミツバチは絶滅する可能性まであるということだ.すでに砂漠地帯と同程度の蜂群密度ということは,その養蜂でさえが,ぎりぎりの状況で,本来の密度までミツバチを増やせないということだしね.

minilogo.pngでも,農業現場では,花粉交配用のミツバチをもっと必要としている印でしょう? もっとミツバチを増やさなければ,実もならないし,種子も採れなくなっちゃう.
ハナバチの減少に加えてミツバチが減っていることは,ヨーロッパの農地や,こちらも忘れちゃならないが,野生の植物を主体とする生態系全体での花粉交配に深刻な影響を与えかねない段階にある.Jaffeたちは,養蜂を,単にハチミツを生産するビジネスとしてだけではなく,生物多様性を維持するためにも不可欠な要素として理解しなければならないと結んでいる.そのためには,養蜂自体が成り立つ,なおかつ交配用ミツバチの生産も維持できる環境を作らなければならないわけだ.ただね,それは,ミツバチによって花粉交配の恩恵を受ける野生植物や,農地の作物が充分にあるということでもあって,だから花を増やしてミツバチを増やそうというのは,すごく特別なことではないはずなんだけどね.

minilogo.png農地として開発されたけれど,遊休地になっているところを,元に戻して,お花畑にしてくれればいい.ハナバチさんも増えられるだろうし,もちろん私たちミツバチも.結局,そうなれば今度は周囲の農地の花粉交配には私たちが協力できるってことだし.そして,そのことが,結局は人間も含めた生物多様性の維持になるってことだよね.
ヨーロッパでは,こうした方向での研究がここ10年くらいに盛んになってきた.あるべき状況を目指して,現状を推定,比較することで,ちゃんと訴える方向を見誤っていない.養蜂においても,できるだけ各地域に適応している在来のミツバチを利用することを推奨して,それによって病気の持ち込みも防ごうとか,ミツバチ自体の体力強化も含めて,全体的に守ろうという方向を打ち出している.世の中の流れに沿って研究を進めている点もうらやましいけど,こうした研究者ネットワークがちゃんと機能していることもうらやましいな.

minilogo.pngミツバチの立場では,目指しているものはぶれたことはないし,あるべき方向は自助的にも作っている.それなのに追いつかないのは,この環境を一緒に利用している人間のせいだと思うよ.うらやましがってないで,パートナーとしてはもうちょっと頑張って下さい!



posted by みつばち at 16:25| Comment(1) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月04日

最強の生物スズメバチ

スズメバチの被害があちこちで出ているようです。
グスッ・・・たらーっ(汗)
私たちの国分寺もやられました。
カフェスローの土台の排水溝跡にあった巣はスズメバチの来襲を受け、今や乗っ取られてしまったのであります。
昨日、上からのぞいてみると、出たり入ったりしていました。
カメラを向けていたら、すーっと上がってきて、威嚇。あわててガラス扉を閉めたら、外側から威嚇。もうしませーん、許して〜、と思わず謝りそうになりました。とほほ・・・。

スズメバチは、この穴の中を占拠中で、蛹などの食料調達場所として当面それを確保しているだけなので、遅かれ早かれ立ち去るそうです。でも、来年、もう日本みつばちが入ることはないでしょ。寂しいなあ。
Junbeeによると、
「夜通し見張りを配置して、日中、かなりの数の働き蜂を動員してせっせと獲物を自分の巣に持ち帰ります。彼らなりに犠牲を払っているのでその執着心はものすごいです。写真を撮ろうとしたのは極めて危険でした。占拠中のオオスズメバチは最も攻撃的」とのこと。

無事でよかった〜。みなさん、うっかり近寄らないでね。

友人によると、「小学校の遠足で山に行くのだけれど、学校からスズメバチ除けのために白い服を着てくるようにと言われた」そうです。
ミツバチはクマが天敵の一つなので、黒いものを攻撃してくる可能性は高いけれど、スズメバチに天敵はいないから、白い服を着ても意味がないのでは?とJunbeeに確認したら、
「明るい場所では白と黒だったら黒が攻撃目標として選択されるけれど、深い藪の中や夕闇などでは白はかえって狙われやすい。色だけなんて、それほどスズメバチも単純じゃあない

そりゃそうだ。
でも、出会ってしまったら?

「背景から目立って動くものには基本的に反応する。まずは姿勢を低くすることが重要で皮膚の露出したところを守りながらゆっくり退却し、安全を確認する。オオスズメバチの場合は威嚇音(あごをカチカチ鳴らす)が聞こえるかどうかが目安です」

威嚇されたら、そーっと逃げるしかないです。
初夏に、私は梅林で梅の収穫をしているときにアシナガバチに威嚇されました。もちろん、「お邪魔しました」とそっと木から降りました。↓

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先日、ある植物園で「お花畑だ〜!」とミツバチなど花蜂がたくさん集まっている風景を眺めていたら、急にヤツが現れて、私の目の前で花に向かっていたクマハチにバチっと音がするぐらいの勢いで遅いかかり、葉陰に連れ込むのを目撃。直後に新たなヤツが現れて、今度はミツバチに襲いかかっていました。
ムシさんたちは命がけで花の上や中でお仕事をしているんですね。

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↑ここで弱肉強食の世界が繰り広げられている。
「お花、きれい〜!」と呑気に見ているのは人間だけ。

でも、スズメバチがいないと、人間にとっての害虫もたくさん生き残ってしまう。ミツバチやハナバチはヤツらにやられるけれど、だから適正な数を保てて、資源を十分利用できる。生物多様性とは、そのような厳しいバランスの上に成り立っています。

そのバランスを崩す一番悪いヤツはといえば、実は人間です。バランスを思い切り崩しておいて、「ミツバチを救おう!」だとか「絶滅危惧種を増やそう!」とかいう。どこまでも勝手なんですよね、人間は。

Junbeeによると
スズメバチは日本で最も危険な生き物です。死亡者数的にはクマよりも、マムシよりも、ハブよりも、フグよりも、スズメバチ!」とのこと。
そのスズメバチと長年共存している日本みつばちってすごい!とあらためて思ってしまう。
日本みつばち様御一行を「救おう!」なんて、そんなおこがましいことは口が避けてもいえません。
ミツバチが生きていける世界の片隅に邪魔にならないように、少しだけ貢献しながら、いさせてください、とお願いするっていうのが、ざんざん勝手なことをしてきた私たち人間のせめてもの言い分かもしれませんねぇ。

生物多様性は人間の謙虚さが試されているのではないでしょうか。




ラベル:スズメバチ
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2010年10月03日

秋の蜜源

いよいよ秋到来!
今年ほど秋が待ち遠しかったことはないかも、です。
ミツバチたちは、そろそろ冬仕度に入っているころかな。

こんな秋の花で訪花を確認しました。

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ツルボです。
雑草ともいえる花で、日当たりのよい場所でよく見かけます。

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園芸店で花を見ていたら、たくさん来ていました。
八重咲きのクジャクアスターで、ガーデンアスターとありました。

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こんなふうに後ろも大好きなコスモスなのに、アスターの方にばかりいました。
ということは流蜜の時間が違うのかな。
午後5時近くで、そろそろうす暗くなっていくころ、まだ、忙しそうにしていましたよ。

DSCF3871.jpg


三尺バーベナにも群がっていました。
この花は晩夏から秋まで長く咲くので、ミツバチにとっては大好きな花の一つかな。

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お花屋さんの店頭ではなく、ちょっと道路寄りのはずれたところに置いてあったカラミンサにも、花にからまるようにたくさん来ていました。

冬仕度、がんばってね〜。

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