2010年06月29日

蜜蝋の精製

じゃーん!
手作り蜜蝋キャンドル、完成!

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なーんだ、型に流し込むだけでしょ。
そう、私もそう思っていました。

ところがどっこい。蜜蝋はなかなか手ごわいです。
熱くすると油みたいにどろどろになるけれど、ちょっと温度が上がるとすぐに固まる。手についたら、なかなか取れない。服についたら、もう大変。テーブルについたり、ガスコンロについたり、一度付くと取れない!

うー…こんなに大変なものだとは。

「服に付いた蜜蝋を取るには…」と検索したら、「肌に貼りついた」だの「手錠が」だの、変な文脈の検索結果がごそっと出てきたりして。

蜜蝋って、そーゆうもんだったのか…。

とまあ、それはさておき、手ごわいけれど、面白い素材で、このところちょっとはまってしまいました。

メンバーさんにもらった日本ミツバチの蜜蝋をまずは精製するところからはじめました。タオル、布巾、お茶パック、ストッキングといろいろやってみたけれど、やはり王道の布巾が一番だった。

DSCF2033.jpg鍋に水を入れて(この鍋は、使い古しのどーでもいいやつにしましょう。二度ときれいにならないから)、ゴミがついたままの蜜蝋を入れて、温めます。煮立ってきたら、蜜蝋が溶けて油みたいになります。この画像のときはお茶のパックを使用しました。
なので、今、書いているやり方は、このパックがない状態です。

別の鍋に布巾をかぶせ、そこに溶けた蜜蝋を流し込み、ゴミを濾す。この方法が私には一番やりやすかったです。
後は、湯水はすぐに布巾からこぼれおちるので、鍋で受けて、そのまま蜜蝋を搾っていきます。まあ、茶巾の要領ですね。割り箸を上手に使いましょう。

湯水の上に搾った蜜蝋が浮いている状態。布巾の中にはゴミがたまる。
そのまま冷ませば、蜜蝋が固まり、取り出せるというわけです。その下には湯水があるので、取り出すときに気を付けましょう。

写真を撮ろうと思いつつも、蜜蝋だらけでうっかりデジカメを置けない、持てない状態で、画像を撮ることができませんでした。

みなさんも、いい方法があったら、教えてくださいね。

服に付いた蜜蝋は、裏からアイロンをあてて溶かし、ペーパータオルでついとるといいそうです。メンバーさんのakarizmのカトウチナツさんに教えてもらいました。灯台下暮らし!

でも、シミは取れないので、エプロンは必須アイテムです。テーブルなどの上には新聞紙も!



posted by みつばち at 11:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチと一緒にHappy Honey Days  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月27日

7月4日(日曜日)にハニーウォーク!

久しぶりに蜜会を再開します。
昨年からミツバチのメッセージを受け止めようという活動を開始したところ、どんどん深みにはまりこみ、なかなか蜜会を開催することができませんでした。せっかく深みにはまったので、進化した蜜会を再開します。

まずは7月4日日曜日、朝10時から、ハニーウォークを開催します。
私たちメンバーにとっては、すでに何度も歩いた国分寺のお鷹の道周辺ですが、今回は玉川大学ミツバチ科学研究センターの佐々木正己教授とご一緒に歩きます。
佐々木先生による「蜂から見た花の世界」が7月10日いよいよ発刊されます。みんな、首をながーくして待っていた図鑑です。

その発刊にさきがけ、歩きなれた道をじっくり歩いてみようというのが今回の企画です。
ミツバチだけでなく、ほかの虫たちの話もしていただく予定です。

集合場所:カフェスロー入口
集合時間:午前10時
歩いた後、カフェスローの2階で30分程度お話した後、解散。12時半ぐらいまでには終了の予定です。
参加費は2000円です。

参加希望の方は、info@bee-happy.jpまで、お申込みください。
先着20名まで。

歩きやすい靴、日よけの帽子をお忘れなく。


posted by みつばち at 14:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 蜜会のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月26日

BEE GARDENは花盛り

二坪畑あらためBEE GARDENは着々と花を咲かせつつあります。
お手入れしていると道行く人に「きれいに咲いていますね」とか「よく手入れされていますね」と言ってもらえます。
ふふふ、でしょ。予想以上のできになりつつあります。

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ベルガモットでしょ。

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レモンバームでしょ。

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松葉ボタン。

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ニラ。2月ごろ咲いていたのに、また咲き始めした。そんなにがっばっていいの?

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蝶のお客さま。ピンボケ。花はヒメイワダレソウ。
ラベンダーの後ろの砂漠地帯にも実験的に植え中。
そちらはやはり花が小さいです。でも、勢力を広げ中。パワーあるわね。

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一番目立つハニカムプランターについに花が咲きました!
みんなで相談の上、カラミンサさんに入植していただいました。
これから秋までずっと花が咲いてくれるようです。

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タイムも、伊吹ジャコウソウも、チャイブも根付いて、広がりつつあります。
ラベンダーも満開だし、あとはミツバチさん御一行のお出かけを待つばかりです。

でも、この畑周辺ではあまりで会ったことがないのよねー・・・。
後は看板を置かないと。
蜜源・花粉源植物ばかり集めてあるなんて、誰も思わないですよね。。

庭になにを植えようかな…とお悩みの方、ぜひ、参考にしてくださいね!


posted by みつばち at 12:31| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばちの庭@三鷹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月22日

ネオニコチノイド系農薬とミツバチ

相変わらず,いい加減な記事や,根拠のない言説が氾濫しているので,ネオニコチノイド系農薬をどう考えるべきか,現時点で一度まとめておかなきゃいけないような気がしてきました.ただ,私自身も,実際にこの問題での調査をしているわけではありません.そこで,自分が持っている断片的な情報を,できるだけ合理的につなげてみるという方法で,その意味ではしょせんは個人の推測として書いていることは了承して下さい.辛口ミツバチにも手伝ってもらいましょう.

minilogo.pngネオニコチノイド系農薬が原因とされる蜂群の大量死の実態はあるって理解でいいよね,実際にミツバチは死んでいるんだから.
方法やサンプル収集には異論もあるようだけれど,大量死した蜂から農薬成分は検出されているから,影響があるのは間違いないね.もっとも,これは,有機塩素系,有機リン剤など,かつてもミツバチの農薬被害は発生していたという事実を踏まえれば,過去にも現在にもその実態はあることだといいたい.国内だけではなく,海外でも事例報告はある.確かに新しい局面はあるけれど,「ネオニコチノイド」だから特別に新規な問題ではないことには理解が必要.

minilogo.png「ネオニコチノイド」って括られていわれるけれど,ネオニコチノイド系農薬ならどれでも同じように問題なのかな?
研究フィールドのある和歌山県では,モスピラン水和剤(アセタミプリド製剤)が,ミツバチが訪花中のミカンに散布されるので,現地の養蜂家が「あたる」という表現をする,外勤蜂の大量死が発生する.自分の目で見たものでは蜂場全体の平均で500頭/群/日くらいにはなっていた.
これに較べて,東北や北海道で水稲のカメムシ防除に使用されるダントツ(クロチアニジン製剤)やスタークル(ジノテフラン製剤)による被害(いずれもフロアブル剤や粉剤など高濃度散布が可能なもの)はちょっと雰囲気がちがう.自分の目で経過を追ったことがないけれど,巣門付近での外勤蜂の大量死以外に,2週間程度で急速に巣全体の蜂量が減少している.
つまり,散布される薬剤(成分)や,時期や対象作物によって,被害の発生メカニズムから同じとはいえないだろう.今のような十把一絡げな扱いでは,問題を見誤ってしまうので,注意は必要だろう.


minilogo.png急速な蜂量の減少は,結果として蜂群の崩壊につながるわけでしょう?
ちゃんとした研究があるわけではないけれど,成蜂の急激な減少は,その先の蜂群の崩壊につながりやすいのは経験的にもそうだと思うよ.これは農薬に限らず,自分で把握している現象としては,例えばオオスズメバチの襲来を受けた後にも,時々起きている.農薬被害の場合,どの程度まで成蜂が減少したかが問題ではないという印象もある.というのも外勤蜂だけなら回復可能なこともあるのに,内勤蜂が多数失われると,社会構造の破綻が帰結となりやすいようだね.古い養蜂家が,以前の農薬被害(外勤蜂の多量損失)では蜂群は立ち直ったのに,最近の被害事例ではぜんぜんダメだと嘆いていたが,状況的には合致しているように思う.

minilogo.pngネオニコチノイド系農薬被害では外勤蜂だけではなく内勤蜂が死んでいるということ?
これも国内できちんとしたデータを取るべきだけれど,海外では大量死した巣箱に残された花粉中から高濃度の農薬が検出されている.ここは推論だけれど,同じネオニコチノイド系農薬でも水和剤のような剤形では,直接被曝した外勤蜂だけが死に,農薬の巣内への持ち込みはそのせいもあって制限される.しかし,粉剤やフロアブル剤では,外勤蜂が散布時に被曝するのはなく,イネの場合,散布後に,開花した花を訪れて,花粉と一緒に葉上や穂に付着している薬剤を集めてしまい,これを巣に持ち込んでしまう.外勤蜂が徐々に農薬に冒されて死ぬまでには,ある程度の花粉が持ち込まれるのだろう.海外のケース(フランス)はイネではないだろうから,水田水を汚染源とするようなイネ特異的メカニズムが影響の主体とは思えない.そして,持ち込まれた,農薬汚染された花粉を食べて中毒を起こすのは,巣の中では一番若いグループ,つまり,社会構造の底辺を支える部分ということになる.

minilogo.pngつまり内勤蜂が死ぬことが社会の崩壊につながるということだよね.私たちミツバチの社会は,安全ではない外勤活動を,働き蜂の一生の最後の仕事として分担するので,重要な巣内の仕事は基本的に若い蜂が担当している.この日齢分業は非常によくできたシステムで(なんといっても500万年,この地球上で機能しているからね),安全な巣の中で,外勤になるまでに担当すべき仕事はほとんどの蜂が担当できるので,仕事の生産性は極めて高いし,蜂群は安定的に維持されることになる.その安定には余剰労働力もものをいうので蜂群サイズが大きいと,蜂群はより安泰ということ.
そうだね.ところが,小群(8000匹以下)では,仕事の量的な振れが大きく,例えば最初に外勤活動に出る日齢には2週間以上もの差ができることもある.こうした蜂群は,外界の変化に影響を受けやすく,人間の庇護下でなければ生きていけない.内勤蜂の中でも一番若いグループが死ぬと,分業が寸断されて,巣の環境維持や,働き蜂を産出するサイクルが狂い,巣の生産性は急激に減衰する.結果として蜂群の小型化は加速する.本来,環境に応じて,徐々に小型化が進む場合には,ミツバチとして回復できる能力は持っているはずだけど,農薬被害のようにミツバチの想定以上に急激な変化では立て直しは難しく,やがて崩壊する.研究者も,数千匹が数百匹になる経過を時間で追えてはいないので,崩壊部分の実態は未だに不明なままで,そういう意味でも蜂群崩壊症候群CCD(本来これは「異常な」崩壊現象であって,崩壊自体は,ミツバチにとっては群れとしての自然死でしかない)に似ている.

minilogo.pngそれでもCCDとは異なるわけ?
CCDの定義の問題かも知れないが,農薬被害は,蜂群の小型化へのプロセスに関しては単純だし,多くの場合,その原因を実証できるんじゃないかな.でもCCDは,原因の特定はまだ難しい状態だし,現状では農薬の影響といっている研究者は限定的だね.むしろ栄養状態が悪いところで,ダニやウイルス,ノゼマなどが複合的に絡んでいるという見方が有力になっている.
蜂群の小型化,分業の負担増や余剰労働力の消失,死亡率増加という経過的部分だけが似ていて,つまり衰弱プロセスは同一性が高いが,そこに至る原因や経過は異なると見るべきだろう.これは人間の場合に,血圧低下,脈拍数減少といった,心停止前のプロセスが同じでも死因は同じではないといえばわかりやすいかな.


minilogo.png日本でのミツバチ不足がすべて農薬が原因のようにいわれているけれど,影響は大きいものと見ていいのかな?
もちろん影響を軽く見ることはできないだろう.ただ,2009年に日本養蜂はちみつ協会が実施したアンケートで,養蜂被害の原因として上がった最大のものはダニだった.全国の飼養群17万群(この数字は被害発生時の母数とはほど遠く,小さ過ぎるかも知れない)のうち,あいまいな回答を除くと,何らかの被害があったものは4万群超,そのうちの約1万群が農薬(薬剤の種類は特定されていない)による被害を受けているそうだ.ただし,この「被害」は全損だけではなく部分的被害を含むので,実際に農薬による蜂群崩壊レベルの損害は,この数字に基づけば量的には大きくはない.ただ...

minilogo.pngそれでも大きな問題だと?
そうだね.この問題が,防ごうと思えば防げる可能性を含んでいる点では極めて大きな問題だと思う.農薬反対も部分的には有効かも知れないが,なぜミツバチが農薬に被曝したり,花粉と一緒に集めて来ちゃうのか,その部分の理解がなければ意味がない.イネの場合,やはりなぜそこにミツバチがいるのか,問題発生のメカニズムをちゃんと押さえなければ,農薬が変わっても問題は継続するかも知れない.「農薬で死んでいる」は直接的死因で,自動車にはねられたといっているようなもの.なぜ農薬との接点があったのか,車道を歩いていたのか,相手が酒酔い運転だったのか,そうした事情がわからなければ,再発の防止はできない.

minilogo.png農薬よりもダニなのかなあ? それにこれ以外の要因はないのかなあ?
この部分も難しいところだなあ.ダニに関しても実態は見えてないねえ.対策を打つにももうちょっときちんとした情報収集は不可欠だろう.他の要因も気にとめる必要はあるよ.例えば,今年は花粉交配用に,各都道府県の養蜂組合が今まで以上にミツバチを供出した.その結果,大きな不足はなくシーズンを終えた.ところが,採蜜養蜂家の一部が,越冬に失敗したり,春の低温もあって,採蜜群を立ち上げられなかったりしている.こうした養蜂家は,交配用に拠出した分,越冬時の蜂群サイズを小さく設定したそうで,技術的な問題でもあるかも知れない.それも,結局のところ,園芸用のミツバチ需要が大きく,それを支える養蜂業が体力的に支えきれていないという事情が露見したという雰囲気だけどね.
それに,養蜂家の間で明暗が分かれている感じだけど,冬期の損失が例年以上に大きいという印象はある(読売の新聞記事になった養蜂家なども含めて).昨年国内で発見されたアカリンダニの被害かどうかもわからないけれど,今一度,病原の浸潤状況について広域の調査を行うことも急務だと思う.


minilogo.png結局のところ,ネオニコチノイド系農薬とミツバチの関係はどう考えればいいの?
農薬が農業の現場で用いられていて,なおかつミツバチも農業の現場に組み込まれている.その点で接点がないわけではないので,そのことをきちんと認識して,危険な接点をどう減らすかということを考えるのだろうね.減農薬の推進や,農薬の使い方の見直しもけっこうなことだけど,花に来て蜜を集めているだけのように見えるミツバチが,もっと広範に農業に役立っているという認識があれば,本来は自ずと防げるんじゃないかと思う.
根拠のない漫然とした不安や嫌悪感から何となく農薬を悪者にすることは,養蜂家と農薬の使用を前提としている農家の対立構造を招くだけ.本当は,受粉を必要とする園芸農家と養蜂家が協調できるような方向性こそをメディアは訴えるべきだろう.工業立国もままならない日本において,今,農業のあり方はいろいろな意味で問われていると思う.現実的な視点に立って,理想論や他者の存在を忘れた議論に走らず,広く情報を収集して記事にして欲しいよね.


minilogo.pngその点は,ミツバチ一同も同じ.よろしくお願いします.


posted by みつばち at 08:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月21日

ミツバチ大失踪は人間社会のひずみを投影?

読売新聞に「数万匹×120群…丹波でミツバチ大失踪の怪」(6月16日)という記事が掲載されました.
丹波の養蜂家の事例や,兵庫県立大自然・環境科学研究所の大谷剛教授の談話で構成されているこの記事,締めくくりは,「人間社会のひずみを投影」という結論(?)です.さすがにしばらくおとなしくしていた辛口ミツバチも我慢の限界のようです.


minilogo.pngこの記事に関しては,農薬ネットにも疑義が挙げられているけれど,やっぱりどこか無理があるよ.農薬が,越冬期に効いてくる可能性はあるかも知れないけれど,養蜂家が,実際に被曝した時期に何も気がつかなかったはずはないし.
確かに,他県での事例との整合性はないね.記事を書く立場で,農薬原因説が頭の中に先行していて,他の要因を明らかに無視したがっているといわれても仕方ない展開だと思う.いつものように分解して検討してみよう.

minilogo.png異変が起きたのは1月3日だけど,イネやマツクイムシ防除が行われたのはいつだろう.イネでのネオニコチノイド系農薬によるカメムシ防除は出穂期の8月が一般的だから,その影響が1月まで出ないとは考えにくいよね.
北海道で交配用ミツバチの増群を行う養蜂家たちが農薬被害を受けるのは,散布時期からの数週間だといわれているから,確かに1月に気がつくのでは遅い.この時期であれば,最近確認されたアカリンダニの影響の方が推定原因としては重要ともいえそうだね.今年は,交配用にミツバチを拠出して越冬蜂群のサイズを例年より小さくした養蜂家が,越冬に失敗しているケースも多い.原因に関して明らかに取材不足だろう.あいかわらず一個人発の情報ですべてを書いちゃったという感じだね.

minilogo.png1月3日というのは,ミツバチが2日まではいたということなのかな? こんな冬期に,しかもセイヨウミツバチが逃去するとは考えにくいし,蜂群の状態としての劇的変化が,この時期にすべて同調して起こるなんてあり得ない.
これはおそらくこの養蜂家が気がついたタイミングがこの日だったということであって,それ以前から徐々に起きていたのだろう.記事にする時点で「劇的」な表現にしたかったという感じかな.そのことには意味がないんだけどなあ.

minilogo.pngこの養蜂家は中日新聞の記事では100群を全滅させたといっているけど,今回は120群になっているね.ミツバチとしては,被害が正確に伝えられるべきと思うけれど...
その点は,正確なことはわからないな.取材が相次いだことで,養蜂家自身に,より正確な情報を提供したいという気持ちが働いたのかも知れない.ただ,この記事を書いた記者が,中日新聞の記事を見ていれば,自分が挙げた数字の根拠を示して書けただろうに.正直なところ,このことだけでも,この記事の信憑性は低下すると思うよ.

minilogo.png兵庫県立大自然・環境科学研究所の大谷剛先生は,日本で一番長い時間ミツバチを観察してくれた人だから,その発言は重いと思う(養蜂レポート参照).この見解は正しいのかな?
8群中一群で,巣内の残留花粉にネオニコチノイド系の薬剤が検出されたというなら,少なくともこの一群の損失要因としての見解は間違いではないだろうね.もちろん,イネの花粉があったということだけでは,この結論は性急すぎる.ただ,記事では,丹波の120群をこの言説で説明できるといいたがっているように見える.でも丹波のはあくまでも冬期の話だし,大谷先生のいっていることがそれを説明しているという雰囲気をこの記事に持たせるのは読者を間違った方向に誘導しているとしかいえない.大谷先生は関連性を指摘していないのに,話の内容から何とか結びつけようとしたんじゃないかな.

minilogo.png大谷先生は,ネオニコチノイド系の農薬はミツバチの脳に作用するといっている.そんな恐ろしいものが世の中にはあるってこと?
その点は,ミツバチには気の毒だけれど,存在自体は事実だねえ.ただ,例えば「沈黙の春」で問題視されたDDT(有機塩素剤)も,一世を風靡(?)した有機リン剤にしても,ミツバチを含む昆虫の神経系に作用するという意味では同じことで,これはネオニコチノイド系農薬特有の話ではない.なんとなくネオニコチノイド系農薬だけがそのような効果を持つような一般的理解があるけれど,その点は明らかに誘導された誤解だねえ.それに神経伝達をかく乱することが,脳に作用するというのもやや文脈的な勇み足で,神経系が複雑な昆虫では,必ずしも「脳」に作用するまでもなく致死的な効果はあるはず.今のところ,誰もそのような死因診断をきちんとできた試しはないから,そういう言説自体は科学的とはいえないかも知れない.巣に戻れなくなるというような話もネオニコチノイド系農薬で初めていわれた話ではなくて,合成ピレスノイドでも,致死量以下の被曝で帰巣が困難になるという報告はある.この点で,ネオニコチノイド系農薬だけがミツバチにとって恐ろしいものではない.それに「ネオニコチノイド」も,単にグループの名前であって,その中でもミツバチに対する影響は成分ごとにも異なるし,かつ剤形的に影響のあるものとないものがあることもわかっている.

minilogo.png大谷先生はミツバチが「環境指標生物」といっているね.この点は意見が異なるのでは?
そうだね.飼育可能な動物を環境指標にすることはできないし,カナリアのように環境悪化の検出器に使うことすら難しいだろう.というのは,例えば農薬でミツバチが死んでいても,それが人間の環境悪化に直結するわけではないから.ネオニコチノイド系農薬が人間にも害を及ぼすなら,そうした一面は肯定的に考えられるけれど,昆虫への特異的毒性を発揮できる農薬という観点では無理だ.カナリアとの相違も同じ観点で,坑道で人間にも影響のある炭酸ガスや一酸化炭素ガスの検出にカナリヤを用いるのとは訳が違うってことだ.
この流れで,帰巣性に関しても,記者が明らかに言葉をはしょって誤解している感じだな.


minilogo.pngさらに「昆虫を殺し尽くすことは生態系を壊す。将来、人間に大変な結果をもたらす」といってるよ.人間にも大変な結果って何?
この部分は,明らかに何か言葉が欠落しているね.昆虫も生態系の一員で,というより人間よりも構成員の数として多いのだから,生態系の破壊というような言い方自体はできると思う.ただ,人間にとって大変な結果というのは,何を伝えたい言葉だったかはわからないし,恐怖を煽るおどろおどろしい脅し文句でしかない.もっと具体的に言及されているべきだと思う.記者が具体的な部分を聞き損ねたのかなあ.最近の記事では,こうしたわかんないまま書いたよという展開が多いような気がする.

minilogo.pngミツバチとして「育児放棄をしていなくなる」なんていわれたくはないな.しかもそれを人間の行動と同列に扱われている.冗談じゃない.
これは,確かに恣意的な言葉遣いというか,言葉遊びだね.ミツバチでは「共食い」として,育てきれない幼虫を働き蜂が食べて栄養の再回収を行うことはあるけれど,それは育児放棄ではない.あるいは,巣を捨てて緊急避難する場合(攪乱誘導型の逃去)には,確かに幼虫や蛹は見捨てられる.でもこの場合は,火災などで,子供を救えなかったケースと同じであって,最近,人間社会で問題になっている「育児放棄」とは次元が違う.この記者はその点に関して,ある外因が「育児放棄」を促すもので,それがミツバチでも人間でも同じだといいたがっているかのようだね.でも,それにはまったく根拠がないし,表面的にも考えたとは思えない(記者としては,根拠がない根拠を示せというかも知れないけれど).

minilogo.png結びの「ちらつく農薬の影、育児放棄……。人間社会のひずみを投影しているように見える。」は何が言いたいの? ミツバチの小さな頭では何を言いたいのかまったくわからないよ.
エモーショナルに書きたいという雰囲気だよね.言葉は悪いけれど,書いていることに酔っている状態だと思う.人間とミツバチで起きていることが同一要因とすることで,書いている本人は責任を逃れている,つまり,ミツバチの問題からも人間の問題からも.正直なところ,この文章というか,言葉遊びが誰かの心を動かすことはないと思うよ.

minilogo.png結局のこの記者さんは,人間社会のひずみの原因を農薬のような「モノ」にすげ替えることで,自分は悪くない,何も考えなくてもいいと表明したがっているってことなんじゃないの?
最初から,すべての根源はネオニコチノイド系農薬であるという態度というか思い込みがあるようだね.でも,整理してみると,大谷先生が指摘するような農薬被害が1月に発生するとは考えられないし,剤形の面はともかく,作用の面ではこれまでの農薬と変わりはない.ネオニコチノイド系農薬の一部の成分および剤形がミツバチに毒性が高いこと自体は間違いないけれど,それを日本で起きているすべての事例に適用できる内容ではないし,確かに読者から考える材料を奪っているとしかいいようのない記事を「作った」感は否めないなあ.どうしてこういう記事が後を絶たないんだろう.

minilogo.pngそうだよね,どうしてこうした報道では肝心な部分が見落とされるのかな.いい加減な農薬原因説の陰で,農薬以外の原因でミツバチが死んでいるかも知れないのに.おまけにどうして人間社会と一緒くたにしなければならないの?
農薬以外の原因というのはアカリンダニとか,病気のことだよね.確かにこちらの問題をきちんと把握して,対策を立てる必要は大きいね.この点の調査が遅れていて,ミツバチが直面している問題への対応が遅れているのは申し訳ない.
社会という意味では人間社会もミツバチの社会も同列に議論できる部分はもちろんあるだろうけれど,だからといって人間の社会で起きていることがミツバチの社会で起きている問題ということにはならない.「投影」という言葉にこの記者が託したものが何かはわからないけれど,ひずみやゆがみというものの存在を嗅ぎ取ったということではあるのかな.ただ,相互に同列感はあっても,中身は見つけられなかったんで,警鐘的に書いてやろうと思ったんだろうけど,情報不足なまま書いたので,結果的には明らかに責任逃れな,いい加減な記事になってしまった.その点は人間として恥じ入るよ.


minilogo.pngいつもと同じ終わり方になるけれど,どうか記者の方,こうした記事が伝えることがちゃんと意味をなすように,書く立場での責任を感じて下さい.小学生だって新聞を読んで,ミツバチのために何をすればいいのか聞いてくれる時代です.大人が,特にメディアに所属する方がちゃんとした情報発信をしなければならないのではないでしょうか? わからないことはミツバチに聞いて下さい.私たちにもわからないことはたくさんあるけれど,一緒に考えてくれる人もたくさんいます.その人たちの意見も聞いてから記事にして下さい.ミツバチとして農薬が不安視されるのは結果的には悪くないように思ってもらえているのかも知れませんが,科学性がなければそのことには本質的な意味がありません.ミツバチは農薬が必要な農業の現場でも働いているのですから.誰もが納得できる,普遍的な事実をちゃんと伝えて下さい.ミツバチからの,いつものお願いです.
posted by みつばち at 01:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月20日

ちょっとしたスター?

すっきりしないお天気が続きますね。
ミツバチたちは、どうしているのかな、とつい考えてしまいます。
また、読売新聞に「数万匹×120群…丹波でミツバチ大失踪の怪」なんていう「まさに怪」そのものの怪しげな記事が出てしまいました。
はあ・・・。辛口ミツバチがまた、文句言いそう・・・。

だってね、11月には120群いたミツバチが1月にいなくなったって冬場でしょ。
それを農薬のせいにするのはいくらなんでも強引じゃないですか?
秋口にどんな農薬を使う場面があるのでしょう?
そして、その場面とミツバチはどんなふうに絡むのでしょうか?
百歩譲って、夏場に使った農薬がミツバチに作用したとしたら、そんなミツバチが製造したハチミツになにも含有されていないのでしょうか?

「農薬」といえば、みんなが「やっぱりねー」ですぐ納得するから?

ほかの飼っている人の体験談とか読んでいると、けっこうそういうことってあるみたいで、「ダニ」が原因だという人もいます。メディアの論調は現象と伝聞をつなぎ合わせて、専門家の意見を書いて、「ちらつく農薬の影」なんて思わせぶりに終わらせてしまう。ちょっと無責任では?と辛口ミツバチでなくても、一言言いたくなります。

冷静にいろいろな角度から検証してみないと本当に大切な問題点が見えないままに終わってしまいそう。

ところで国分寺のミツバチたちは、今のところとっても幸せそうです。
先日は、カフェスローで仲間内で蜜蝋とミツバチの勉強会をしました。

というのも、カフェスローさんのスタッフの方たちは、いつもはお店があるので忙しくて、イベントでミツバチの話をしていても聞いている暇がありません。そこで定休日にわざわざ集まってくれたのです。

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蜜蝋キャンドルを灯しての勉強会。
蜜蝋は奥が深いです。これはまたあらためて。

みつばち百花のメンバーでもあるワイルドツリーの平賀さんが蜜蝋について、私がミツバチについてをお話した後、国分寺フィールドをみんなで歩いてみました。そう、ハニーウォークです。

カフェスロー裏の巣箱の前で撮影会。まるでちょっとしたスターみたい。

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かぼちゃ畑にも案内。「こんなところがあったなんて」とみんなびっくり。

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その後、武蔵国分寺公園へ。
午後4時ごろなのに、まだ、クローバーで忙しそうにお仕事中。

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「これ、うちのミツバチ?」とみんなが聞くので「たぶん」(色がかなり黄色いので)というと、「かわいいさひとしおだなあ」って。
またまた、ミツバチファンが確実に増えたのでした。
どんどんファンを増やしていくミツバチはすごい!これも生存をかけた戦略かも?

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じみーなナツメの花。
普段なら気がつかないけれど、ミツバチがいるのを発見して、花も発見!(笑)

資源量としては、やはり樹木の花の存在は大きいですね。



posted by みつばち at 18:47| Comment(1) | TrackBack(0) | みつばち百花PT@国分寺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月16日

ミツバチはヘアリーベッチが大好き、みたい

群馬県榛東村の梅林に梅収穫に行ってきました。
ヘアリーベッチを蒔いた自然農の梅林です。
ありそうでないでしょ?
事例研究として貴重かも。

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みつばち百花としては、最高にすてきな風景!
ヘアリーベッチが満開!

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腰ぐらいまでヘアリーベッチが生えています。ほかの雑草を抑える意味もあるのだとか。

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ミツバチは狂喜乱舞といった様子で、ぶんぶん羽音が聞こえる。
セイヨウミツバチばかりなので、近くで養蜂をしている人がいるのかも。

同じ場所にクローバーも咲いているのに、ヘアリーベッチにばかりいっていました。そんなにおいしいの?
肝心の梅は、今年は不作。探さないとないぐらい。

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こんな感じでついているのはまれ。
ミツバチの春先のお仕事の結果です。

この梅林で栽培された梅を原料に梅酒などをつくっているメンバーさんのSさんによると、天候不順とミツバチ不足では?とのこと。

ヘアリーベッチでしっかり栄養をとって、冬に備えてね。
まだ、これから花の少なくなる夏を乗り越えなければならないから、ミツバチも大変です。

タグ:蜜源

2010年06月11日

花壇を作ろうよ!!

いつも通る散歩道の脇にある、市民花壇。
ふと見ると、ミツバチたちが。家までカメラを取りに行って、再訪。

黄花コスモス?
中心にストローを刺して吸っている。
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ついでに花粉もくっついちゃう。
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矢車草。
クルクル回ってる。回るのが早すぎて蜜吸ってんだか、花粉集めんのか分からなかった。イチゴとか黄花とか、こういう花って、クルクル回るよな。効率良い?
お顔に花粉たっぷり。
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マロウ。この花がキレイで足を止めた。矢車よりさらに早いスピードで飛び交う。花に深さがあるのと、ちびっ子メリッサの視線よりずっと高いところにいるので、これも花粉を取ってるのか、蜜吸ってるのか分かりませんでした。
ただ、どのミツバチも顔面、否、全身が花粉まみれになっていました。

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中心に蜜はあったし、蜂の体勢からして、蜜?

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ブルーセージ。
ハチはいなかったけど、きれい。
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エキナセア。
つぼみたくさん。咲いたら、ハチ行くかな。
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市民花壇。
センターは植え替え準備中。メリッサ、こっそり種蒔いちゃおうかな。
何のだ?
みんなもこれから植えるなら、ハチが集まって来るのにしようかわいい
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今日、おニューのメリッサのスニーカーくつ。ミツバチカラーだぞ!!(この間、裸足。花壇にて…。)
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P.S.後日談
その後、事務長・黒澤より、「マロウなどアオイ科の花は花粉が大きすぎて、団子には使えない」との指摘あり。
なるほど。
だから、あれだけ花粉まみれになっても団子を足に付けてるやつは
一匹もいなかったんだな。これで、謎がとけた。
花粉を前に出して、奥の蜜を吸わせる。花って考えてるなあ。
帰り道、無駄に重いのかな?




2010年06月10日

みつばちと一緒に村づくりを提案に福島県飯舘村へ

6月8日に福島県飯舘村を訪問、「第1回までいな暮らし創造塾」として「みつばちと一緒に村づくり」を当団体理事の中村純先生とともにお話ししてきました。
そのときの様子を朝日新聞福島版に掲載していただきました。

「までい」とは、飯舘村がこの10年間取り組んでいる暮らし方で「手間ひまを惜しまず」「丁寧に」「時間をかけて」「じっくりと」「つつましく」暮らす飯舘流スローライフのこと。

あら、ミツバチの暮らし方にぴったり合う!

ということで、今回は一緒に村づくりをしましょう!と呼び掛けてみました。

会場は、この春、環境省の事業により開設した「までいな暮らし普及センター」。随所に環境に配慮した技術が取り込まれています。

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会場には、ニホンミツバチを飼っている方もたくさん参加しておられ、「巣箱を置いたら、入っちゃったんだよねー」という方も。
うらやましい・・・。
その逆の入ったけれど、出て行っちゃったというのももちろんあり。

どうやらニホンミツバチにとっては、居心地のよい場所らしく、かなり自由気ままに暮らしているみたいです。
ミツバチに会いたい、といったら、役場の方がこんなところに連れていってくれました。

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キャンプ場の管理棟の壁の中です。
うまいところを見つけますね。毎回、その知恵に驚かされます。

ぶんぶん飛び回っていました。
すぐそばのクローバーにも。

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岩手県紫波町でも始まった「みつばちと一緒に村づくり、町づくり」。
ハチミツを採ることだけを目的にするのではなく、人間よりも早くから住みついていただろうニホンミツバチも大切な住民として捉え、生き物の視点も取り入れた自然環境を創出をしましょう!というものです。
今後は、ハチミツや花粉などで科学的な分析調査を行いながら、地域の自然環境をどのように充実させていくことができるかを検討していきます。

来月には紫波町でも、講演会を開催します。
下旬からは、国分寺市でも、半年かけて順次開催の予定。
ミツバチの里づくりネットワークがどんどん出来上がりつつあります。
ご興味のある方、自治体の方は、事務局までご連絡ください。



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2010年06月07日

Boys Bee Ambitious! 養蜂クラブ ハッチ・Bee・8ご来訪

日曜日に長野県富士見町の富士見高校養蜂クラブ「ハッチ・Bee・8」のメンバー3名と顧問の北原俊文先生が三鷹&国分寺フィールドの見学に来てくれました。

三鷹BEE GARDENの前で。

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左から、北原先生、葉山幸恵さん、上原春実さん、右から二人目が竹前千春さんです。

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武蔵国分寺公園を下ばかりみて歩く面々。
クローバーの花にわんさかミツバチが来ていました。
今日もミツバチパラダイス!

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かぼちゃ畑で。

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みんなも育てているそうで、ハロウィンパーティに参加してくれるとのこと。にぎやかなかぼちゃパーティになりそう。

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「やっぱり神社とか好きよね〜」とみんなで納得。
今年は山門の土台の部分に巣作りしちゃったんですねー。
ものすごい勢いで飛び回っていて、知らない人は「危険!」だと思っちゃうだろうなあ。平和なミツバチたちなのに。

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セイヨウミツバチたちにもご挨拶。
「あ、確かにさっき公園にいたミツバチたち!」
そう、訪花を確認できるようにわざと体色が黄色いハチを連れてきています。

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養蜂クラブの活動レポートをもらいました。
部員数12名、うち男子が3名。
あれっ!みつばち百花と同じ男子率2割。
「ミツバチの巣箱の雌雄構成とやはり同じだわねー」と盛り上がりました(笑)

昨年、7月に発足して以来、ものすごく積極的に勉強しています。なんと今年、1月10日に開催された玉川大学ミツバチ科学研究センター主催の研修会にもちゃんと参加していました。

いろいろ学ぶ中で、ミツバチのために何かしよう!花を植えよう!と考え、みつばち百花を訪問することになったというわけです。たった1年足らずでそこまでに至るとは…。
実は、昨年の秋に諏訪で開催された佐々木正己先生の講演会にやはり参加していた百花の事務局長黒澤によると、
佐々木先生にミツバチの血縁選択説(なぜワーカーは子孫を残さないのか)のことを質問していて驚いたそうです。若いって、すごい吸収力があるんですよね。きっと。

いろいろな方の話を総合して、花の増殖に目をつけるとは。たいしたものです。

巣箱も家族と一緒にもちろん手作り!

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生き物たちときちんと向き合って活動していきたいという彼女たち。
「ミツバチの視点で環境や私たちの暮らしを捉えなおしてみましょう!」という私たちの考え方をしっかり受け止めてもらえたようです。
とびきり若くて、頼もしい仲間ができてうれしいです。
そして、私たちが学ぶべきところもたくさんありそうです。
今度は富士見町を訪問したいです。


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2010年06月06日

BEE GARDEN完成!六角形のプランターになにを植えるか

やった〜!ついに完成!BEE GARDEN。
蜜源・花粉源植物を植えましょう!と言ったら、必ず聞かれるのが「どんな花を植えたらよいの?」
ならば「こんな花!」というのを見せられたらということで、以前から野菜などを育てていた二坪畑をBEE GARDENにすることにしました。

花の選定をみんなでするうちに「六角形のプランターを置こう」ということになり、早速、実現させちゃいました。メンバーのTさんがラッキーなことに材木屋さん。手作りです。焼き杉です。国産材です!
すごいでしょ。

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さて、何を植えるか。
実際に置いてみたら、予想以上に良い感じなので、植えるものを再考することにしました。
さて、何がいいかな〜。

花は植えたばかりのものが多いのでこれからどんなふうに育っていくか。宿根草と多年草を中心に植えてみました。
ベルガモット、ラベンダー、ローズマリー、カモミール、タイム、チャイブ、ヒメイワダレソウ、ワイルドストロベリー、イブキソウ、マツバボタン、ニラ、レモンバームなど。
ハーブが中心のナチュラル・イングリッシュ・ガーデンをめざします。


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国分寺フィールド、一緒に歩けばbee-happy!

風がさわやかなお散歩日和のよいお天気が続いています。
このところ、国分寺フィールドの見学が2グループ続いてありました。

まずは先週の金曜日。香りのよい石鹸やボディケア商品を全国的に展開されているラッシュジャパンのスタッフのみなさまが訪問されました。
このたび、みつばち百花がラッシュジャパンさんのサポートをいただけることになりました。
それだけではなく、会社の所有する地所で蜜源・花粉源植物を育ててみたいとのことで、そのミーティングを兼ねて国分寺フィールドをご案内することとなりました。
いよいよ企業の花畑第1弾となるかも!
どんな花がいいかみんなで考えるのが楽しいです。

武蔵国分寺公園は、ただいまクローバーが一面の花盛り!
まるでミツバチパラダイスです。

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国分寺の山門で。
湧水が流れるお鷹の道は何度歩いても気持ちがいいです。

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先日、植えたかぼちゃ畑もご披露しました。

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根付き始めたかな…。

公園には、こんなかわいいイロハカエデの種ができていました。
これもミツバチのお仕事の一つです。

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花を探しながら歩くハニーウォークの楽しさにはまっていただけたようです。この楽しさ、クセになるんですよ。


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2010年06月03日

蜂神社のある岩手県紫波町でみつばち百花プロジェクト始動!

いいお天気が続いています。
岩手県紫波町でのみつばち百花プロジェクトが始動しました!

先週、対象地域の一つである紫波中央駅広場の整地が行われました。

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さすが岩手県。広大です。
今年は、この駅前広場のほか2地域、全部で町内3ヘクタールにまずは夏の蜜源・花粉源植物として有力なひまわりの種を蒔きます。

こちらの地域は環境マイスターのみなさんがタネ蒔きや管理を担当。

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ワンコも参加していますねー。
循環型まちづくりに取り組んでいる紫波町では、環境保全活動の推進を担う地域の環境保全活動のリーダーとなる人材を環境マイスターとして育成しています。

駅前に見渡す限りのひまわり畑、出現なるか!

ところで紫波町には、以前、ちらっとお伝えしたように全国的にも珍しい蜂神社があります。

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なぜ蜂が祭神なのか。
陣ヶ岡と呼ばれるこの地域は、1062年の前9年の役で源頼義、義家親子が安倍貞任を討つときに戦勝祈願した場所です。ここでたくさんの蜂の巣を見つけ、これを袋に詰め、安倍陣営に口を開けて投げ入れたところ、蜂が大活躍して勝利を納める原因になったと「吾妻鏡」にあるそうです。
蜂といっても、ミツバチではなく、スズメバチだったかもしれませんね。

平家にまつわる話もあります。
平将門の乱のときに平貞盛が蜂の神霊によって蜂神が現れ、敵を討ち戦勝したので、軍神として蜂を祀ったとか。

なにはともあれ、蜂が大活躍したみたいです(笑)
さて、この蜂神社、これだけでは終わりません。
なんと春日大社、そして東大寺へと蜂のご縁はつながっているのです。
これはまた、次回のお楽しみに。




posted by みつばち at 08:39| Comment(0) | TrackBack(0) | みつばち百花PT@各地 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月02日

蜂群崩壊症候群〜ついに原因解明か?

5月25日に,アメリカ農務省ベルツビル・ミツバチ研究所のジェイ・エバンズ博士がサンディエゴで開催された第110回アメリカ微生物学会の「絶滅現象における微生物」部会で,「蜂群崩壊に関与する微生物」と題した発表を行いました.
まだ予備的な証拠とはいうものの,注目に値します.また,そこから導かれているストーリーは,蜂群崩壊かどうかはわからないなりに,ミツバチ不足の危機感を持っている他の先進国にも共通の問題です.アメリカの養蜂雑誌Bee Cultureのキム・フロッタム氏のブログを素材に少し解説しておきます.


ノゼマ原虫(この場合はトウヨウミツバチを原寄主とするNosema ceranae)が働き蜂成虫の腸管内に侵入して,その上皮細胞に損傷を与えて,その中で増殖する.結果として傷ついた上皮細胞はイスラエル麻痺病ウイルスの侵入経路となる.これが蜂群の崩壊につながると推測されている.
minilogo.pngこうした連続的な微生物の攻撃は,学界のそれまでの常識的には認められていなかったんだって.ただ,入手した資料だけでは,ウイルスが実際にどう影響したのかはよくわからないな.この先の筋書きの方がやはり怖い.

エバンズ博士は,蜂群への他のストレス,特に栄養ストレスがこの過程に影響するといっている.蜂群崩壊は一種の季節現象,春に起きやすいもの.この時期は,越冬した古い働き蜂が,新しい働き蜂を作るために採餌を開始し,同時に,花粉をミルクに変換している時期.この時期以外であれば,働き蜂はどちらかを担当し,同時にふたつを担当することはないから,これが働き蜂にとっては大きな負担で,不足を補うためには,自分自身の体からタンパク質を再吸収してでも利用すると.
minilogo.pngどうかなあ.一匹の働き蜂が両方を担当することはないと思う.そういう場面でも本来は分業は起こるはず.ただ,働き蜂になってから,数ヶ月経過しているので,他の季節なら10日齢くらいまでの若い働き蜂が担当する,花粉の消化・吸収に関してはかなり無理を強いられちゃう.もちろん花が少なくて栄養不足になれば,飛翔筋からタンパク質を再吸収してでもミルクを分泌しなきゃならないし.

早春期は,天候も不安定だし,充分な花粉が得られるとは限らない.でも一度育て始めた蜂児に対しては餌を与えなきゃいけないから,栄養的な負荷は相当に大きいね.ニホンミツバチ(トウヨウミツバチ)では,こうした場面では成長途上の蜂児を共食いして,再吸収,再分配する.セイヨウミツバチもこのシステムは持っているんだけど,トウヨウミツバチの方がより効果的にやっていた.
minilogo.pngだから,トウヨウミツバチの方が足るを知るタイプだ,セイヨウミツバチは勢いで進んじゃうタイプだとかっていいたいんでしょう? まあ,そうなんだけどさ.

で,ノゼマ病に冒された働き蜂では,消化・利用率がさらに下がることが予想され,結果として餓死,そして蜂群崩壊の始まりということらしい.
minilogo.pngでも餓死だったら死体は見つかると思うな.蜂群崩壊症候群のこれまでいわれてきた特徴と,こうしたメカニズムの整合性に関してはもうちょっとデータが必要そうだね.

この研究成果に基づけば,秋季に充分な餌を持たせて越冬させることと,ノゼマ病の予防をきちんとすることが推奨される.いろいろな餌の開発も進んでいるから,そういうものも利用されることになるだろう.ノゼマ病に関しては,日本での実態はまだわからないな.養蜂家が使えるように登録された防除薬もないので,予防をといってもできることは限られてしまうけれど.
minilogo.pngコロラド州立大学のドゥルバ・ナウ博士のグループが,去年いくつか論文を出していて,ノゼマの影響は,開発が進んだ場所で顕著となることを予測しているよね.つまり花粉源や蜜源が少ないという栄養的ストレスが,ノゼマ病によって加速されるということ?

そういうことらしい.そういう意味でも,ノゼマの実態がわからない現状では,越冬期前後の栄養状態が悪くならないように,ミツバチが利用できる植物を増やすことには意義がありそうだよ.
minilogo.png結局は,人間頼りにはなってしまうけれど,花を増やして下さい.それがどんな人にもできるミツバチにとっての救いの道です.よろしくお願いします.


posted by みつばち at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ミツバチの沈黙? 黙ってられない!

中日新聞の「ミツバチの沈黙」の連載が7回で完了しました.前回,第6回だけを批判的に取り上げましたが,辛口ミツバチはなにやら収まりがつかない様子.この連載,環境を考えるシリーズだったわけですが,私たちは果たして環境を考えることができたのでしょうか.

連載の締めくくりは,「ミツバチがすめない世界に,人間は住めるのだろうか−」でした.反語的に「いや住めない」といいたいのか,可能性を純粋に問うているのかは読み手に委ねすぎているのかも知れません.生態系底辺(表現としてどうかな?)に起きていることをどう伝えるべきなのか,実は難しい問題です.というのは,第7回で書かれた現象はすべて個人の印象であり,こうしたものを列挙することでは,実は怪しい健康食品の体験談集と同じレベル.科学的な証拠はなくても,集めれば読み手が勝手に効果があると信じ込むように,「環境」に異変や問題があると思い込む.思い込むことで,健康食品の場合は,購買行動へ進むけれど,この記事の狙いであった環境を考えることに,万が一つながるとすれば,怪しい健康食品を買って,結局,損をすると同じことで,適正には考えられない,下手をすれば,害があるかも知れません.何かが明らかに欠落しています.


minilogo.png待ってよ,一人で進めないでよ.ミツバチにだって言わせてよ.そもそも現状でセイヨウミツバチは農業の現場で働いている.ハウスではたくさん死んでいる.でもそこに入れるために増やしてもらってもいる.一方的に死につつあるわけではないよ.ニホンミツバチさんは減っているところもあれば増えているところもある.結論を急ぎすぎだよ.ミツバチが住めない世界を,いきなり想定するなんて議論はおかしいよ.人間が飼っている生き物でもあるんだよ.生きているミツバチにとって,こんなSFな仮定は意味ないんだ.今をきちんと見極めないまま,「このままじゃあ滅んじゃうねえ」なんて高みの見物で,人間はいいと思っているわけ?
書き手としては,もちろん話法として,私たちは考えるための材料を集めてきました,ここで極限的な仮定をして,そうならないためにどうできるのか,そこを考えましょう,という筋書きなんだろうけれど.

minilogo.png考えるための情報は与えないまま考えさせるんだね,人間は.だからろくでもないことばっかりする.うわべが似ているだけの,断片化された情報を集めて,仮定するための,そして考えるための材料ですよって見せ方をして,相手の思考を停止させて,無意味な仮定をして,ほら考えなさいって,そんな無責任な情報提供の仕方は,人間が下等だと思っているミツバチだってしないよ.
その点は同意.確かに,集めた情報が,例えば背景が無視されている.読者に共通の背景があることを匂わせるつもりがあるなら,ちゃんと書けばいい.書かないということは,書き手にも実は背景事情の共通点は認識できていないということだろう.互いに不都合な情報,例えば記事の中ではクモも減っているとされているが,ネオニコチノイドに反発している養蜂家はクモが増えていることを重要なポイントとして挙げている.こうした点は,背景事情がさまざまであるということでもあるし,こうした発言者の思いつきは,単純化されすぎて,一方で普遍性が乏しく,何かの判断材料にするには質的な問題があると理解すべきなのかも知れない.
あとは,やはりどの事例も検証性に乏しくて,いずれも風聞でしかない.原因を推測することさえ難しいのであれば,これを考える材料にできるだろうか? いや,できない.


minilogo.pngおどろおどろしい事物を集めて,怖がるのでいいならお化け屋敷でいいじゃない.環境問題は,スズメが減ることなわけ? なぜ,そういう原始的な予兆が欲しいのかなあ? 違和感を感じて,そのうち恐ろしい実体を見ることになりますよなんて,ただのホラー映画だよ.人間はしょせんそのレベルってこと? そんなのに任せてたら,あらゆる生き物にとって不幸だよ. 
任せたくはないという生き物は多いだろうねえ.昨年末には「動物の反乱」なんて本まで出ているくらいで....
確かに「スズメの数が減っているから何かおかしい」は個人の印象としては理解しやすい.でも,それだけではなく,そのことがどういうことなのか,科学的な評価を取材してあれば,この点はよかったのかも知れないな.いずれの風聞にも,少しでも科学的検証が加われば,この記事もただのお化け屋敷や秘宝館から,博物館レベルに向上できたかも知れない.


minilogo.png「ハチや小さな生き物たちが姿を消し...」も,いつの間にか事実化している.これだけの情報で,ミツバチも消されちゃうの? 危機感を煽るのではなく,ちゃんとしたアセスメントがあって,データに基づいて,本当の意味での危機を伝えてもらえないのであれば,ちゃんと考えてもらえないよ.
一応「...気がする」ということで,事実とまでは断言していないけれど,読み手の多くは,姿を消しているのは事実と思うだろう.でも事実はデータによる裏付けが必要なのはいうまでもない.ここで取材を受けた人々が伝えたことを,科学的に評価できる人がいれば,そこを取材すればいいし,まだということであれば,こうした研究こそ必要と,地道な環境評価研究の大切さを訴えてくれればいい.

minilogo.png「鳥のすめない場所では,人間にも影響が出てくる」は何の影響のことを言っているの? 人間がいないところなら鳥はすめると思うよ(「『自然との共生』というウソ」(高橋敬一)参照).人間活動自体が,他の生き物を脅かしているんだから,今度は,どうやら自分たちも危ないぞって,その展開はないんじゃないかな.結局,人間は自分たちがしでかしたことに気がつくのが遅すぎる生き物なんだろうね.ミツバチを待たずに淘汰されて下さい.
まあまあ,そう結論を急がなくても.この「影響」は文脈的には明示されていない.農薬だと思う人も地球温暖化と思う人もいるだろう.セイヨウミツバチのように人間に近いところで生きているものは別として,多くの生き物にとって人間が与えているさまざまな負荷は相当に大きいだろう.そのことは,「『自然との共生』というウソ」でも描かれているけれど,人間のいないところが野生生物の楽園化していくプロセスを見れば明らかともいえる.

minilogo.pngセイヨウミツバチにも人間が多大な負荷を与えているんですけど....
もちろん,そうだね.現状は,それがある必要の上で成り立っている.本当にすべてのことが必要なことなのか検証する必要はある.代替できるものはないだろうか,意識を変えることでできることはないだろうか.現状をどう改善できるのか,そういうことを考える契機になるようなプロセスは必要だろうね.

minilogo.pngでもそのための情報が不足しているよ.この記事の全体として,「今」がどうしてもぼやけてしまう.その先にどう進むのか,この上に何を構築するのか,出発点も土台も正確に描くことができないなら,材料があっても先も上もないじゃん.
環境問題は建設的に考えることが重要だとは思う.懐古主義や郷愁では何もできない.ここを出発点と見極めて新しい環境を創成するという気概がないとね.その点では,自分たちが生きてはいけなくなりつつあるという危機感高揚型の訴求,つまり今を否定するようなやり方はもう時代遅れなんじゃないかな.
みんなが,現状をきちんと観察した上で,こうしてはどうかという知恵を集め,それぞれを具体化する中で,何がよくて何が悪いかの評価をする.環境問題を扱うということで,多様な生き物を含めた取り組みは実際には世の中にはたくさんあると思うけれど.
そういえば,みつばち百花は第3回環境ビジネスプランコンテストでアドボカシー部門賞をいただいている(ブログ記事参照).このアドボカシーという言葉は「権利擁護」などとも訳されているけれど,もっとミツバチや他の生物の立場を代弁するという方向性があってもいいかも知れない.それ自体が視点の移動にもなり,環境のとらえ方も人間中心だけではなくなっていく.


minilogo.pngミツバチ自身,決して沈黙しているわけではないんだよ.でもどうして伝わらないの?
ミツバチの言葉は,たぶん研究者ならある程度,翻訳ができると思う,それを一般に伝えるのは,サイエンスライターやファシリテーター,あるいは上でいうところのアドボケイターという存在だろう.本来は,新聞などのメディアがその機能を持っているはずではあるけれど.だから直接は伝わっていかないかも知れない.
あとは,さまざまな活動を通じてミツバチの発言の場も増やさなきゃ.その情報に基づいて世の中でミツバチをちゃんと考える活動がさらに増えていき,それぞれが長所を伸ばし合えるような関係を築いて,将来に向けた,ミツバチだけではなく多くの生き物を含めたコンセンサスを得ながら,環境創成という方向に向かえばいいと思う.
次はいい記事になるように期待したいね.


minilogo.pngこの現状で,ミツバチを取りあげてもらえたことは純粋に嬉しかった.でも,やっぱり「今」をもっときちんととらえて欲しかった.その上で,何をしなければならないのか,何をするとよいのか,読者の人々がちゃんと考えられるような記事を期待します.記者の方々,これからもよろしくお願いします.


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2010年06月01日

救世主も激減? 救世主が減るほど到来してたのに,いまや世も末?

中日新聞の環境を考えるシリーズで「ミツバチの沈黙」が連載されています.第6回は「救世主も激減」とか.タイトルをみても何のこと? 救世主が減るってどういうことよ,みたいな戸惑いを感じました.

前半に登場しているのは長崎県のニホンミツバチ養蜂家の久志さん.海外の学会にも参加したり,ある意味とても熱心なお方です.精力的な執筆活動もされていて,「ニホンミツバチが日本の農業を救う」に続いて,「我が家にミツバチがやって来た―ゼロから始めるニホンミツバチ養蜂家への道」が出版されています.それ自体は,個人の主張であり,個人の姿勢であるので,とりあえずは置いておいて,今日はこの新聞記事(Web版)について辛口ミツバチの意見を聞きましょう.


minilogo.pngニホンミツバチさんが日本の農業を救ってくれるっていうなら,それはいいことだと思うよ.私たちセイヨウミツバチも助かる.ただ,日本の農業っていっても,何でもかんでもミツバチが活躍できるってものでもないようには思うけれど.
この記者の方は,久志さんが「日本の農業を救うのはニホンミツバチだ」と信じているから,ニホンミツバチに「救世主」という呼称を与えたのだろう.タイトル自体は記者の方が本人の意思でつけたのではないかも知れないけれど.

minilogo.png救世主って,世の中が滅びそうな頃に現れて,みんなを救ってくれるっていう人のことでしょう?
人なんだか神なんだか.でも,それを常時に使う場合は,敗退傾向になるのを挽回できるとか,状況を改善する力を持つ者という程度の理解かな.

minilogo.pngそういう意味ならニホンミツバチさんが救世主でも悪くはないのかもね.でも,救世主って激減するものなの? そんなに減るほどもともといたってことなら,もう充分に救われてたはずじゃないの,日本の農業?
確かにね.この記事の展開では,「ニホンミツバチ=救世主」,「ニホンミツバチ=激減」,したがって「救世主=激減」ということだろう.「救世主」という言葉に「激減」という言葉をつなぐのには抵抗がなかったんだな.最近の記事は,理科教育上どうかなというものが多いけど,次は国語教育上でも問題にされそうだな.ハンドブック使っているだろうにねえ.

minilogo.pngでも,本人たちが救われてないんだから,ニホンミツバチさんが「救世主」ではなかったし,ニホンミツバチさんの激減は,佐世保の話だけが書いてあって,でも,久志さんも長崎県の中で増殖にも成功しているし,いろいろ病気や農薬被害の話もある一方で,ハチミツが高価に売れるから飼う人も増えているみたいだよ.ふたつのつながらない「イコール」でこのタイトルにしたわけ?
せめて「?」くらいはつけて欲しかったかな.一人の信条と,ひとつのケースでこれだけのタイトルを書く.文章にとってタイトルは顔だからね,多くの人はそこで中身を読む前にいろいろな判断をしてしまう.明らかに不用意な感じだね.以前は,文献とかを示してさえ,同じ言質を3か所の筋で取らなければ記事にはできないとかいっていたけれど,その点は記事作成規範が緩くなったということなのかもね.

minilogo.png後半はネオニコチノイドだね.1回目も農薬だったから,やっぱり農薬が悪いと書きたいんだね.でもなんかしっくり来ない記事だね.
全体としてネオニコチノイドをはっきり悪と決めるところには遠慮が見られるからかな? そのせいで文章が半端だなあ.

minilogo.pngそうじゃないよ.最初は,佐世保でミツバチが大量死したり失踪して,農薬が疑われた.つくばの研究所で調べたのは長崎のものだけではないよね.そして愛知県の稲作農家が戸惑う.日本がいくら狭いとはいえ,各地それぞれの事情を一本の線につなぐのは,B級のミステリーにしたって相当無理がある.それとも日本の農業はそんなに画一化されているわけ?
ポジティブにこの記事を理解すれば,長崎では農薬が問題と疑っている.でも研究所は,農薬だけではないかもと研究を継続している.ただ,稲作農家の心情的には戸惑いも.だから愛知・岐阜では行政が対応に乗り出した.どう?

minilogo.png忘れちゃいけないポイントはいくつもある.ミツバチからすればネオニコチノイドは怖い農薬だよ.そこにいる他の動物には影響がなさそうなのに,昆虫には劇的に効く.実際に農薬散布が行われていて,時間的なことや,巣の中の残留(特に花粉),蜂児や若い働き蜂の死亡率を調べれば,それが農薬の被害かどうかはわかる.農薬メーカーだって過去に見舞金を支払ったこともあるんだから,農薬で死ぬケースがあるのは間違いない.でもすべてが農薬だと思っていたら,怖い病気を拡大させたり,他の原因を見逃しちゃう.そんなこと人間なんだからそのでっかい頭で思いついてよ.
確かに,今年発表されたフランスでの調査でも,大量死の一部だけが農薬被害ということで,他は原因が不明だった.世界の研究者も,各地で起きていることをひとつのことと考えるのは危険と感じていて,ちゃんとした個々の原因に関しての情報集積をはかろうとしている.フランスでは,ネオニコチノイド系の農薬を部分的に使用禁止にしたのに,ミツバチの大量死がとまらず,一般農家の不満が高まってきた.国としても農薬禁止ではなく,蜜源増殖ということで養蜂家の気持ちもなだめようという政策に出てきたしね.

minilogo.png農薬被害だって騒いで,そっちばっかり見ていたら,危ないっていってんの.それはそれで原因が明らかなら,騒いでないでちゃんと対策とればいい.予防的にやれることもあるんだから.でも,ニホンミツバチさんは,もし,昔,東南アジアで流行ったサックブルード病ウイルスが入ったら,大きな打撃を受けちゃうよ.ただ,サックブルードなら見たらわかるよねえ.あんなに顕著な症状出るものねえ.でも誰も言い出さないからちがうのかなあ.
その点は難しいところだな.同じウイルスが入って来るとも限らないし,症状も,だから死に方もまったく同じではないかも知れない.この時代なら,ウイルスの遺伝子を検出できると思うけれど,そのことがすぐ流行病を見つけたことにはなるわけではないので,難しい.

minilogo.pngでも,救世主ってウイルスや農薬に負けちゃうわけ?
だから,そこは言葉の綾だってば.

minilogo.pngなんだか,救世主願望があるって世紀末っぽいね.人間には,「人智を尽くして天命を待つ」っていうカッコいい言葉があるのに,今は逆っぽい.救世主を望んでいる状況は,自分にできることは諦めて,責任を負わず,他人の努力も認めないで,ひたすら奇跡を,どこかの誰かが起こしてくれるのを待っているだけ.そんな他力本願な人間に担がれるニホンミツバチさんもかわいそうだけどさ,今,実際に頑張っているセイヨウミツバチはまったく無視なわけ? セイヨウミツバチがダメならニホンミツバチさんでいいっていいたいんだろうけど.もうダメなんだ,私たちセイヨウミツバチ.でもだれがダメにしたんだよ−!
まあまあ.実際,農水省の本予算としては初めて,ミツバチ対象の補助事業が今年度から始まった.昨年の調査研究が農水の補正予算での初めての補助事業.これまで,ミツバチといえば地方競馬とか関連収益事業からの補助金ばかりだった.いよいよ農水省も本腰というか,ミツバチもお役所からは一人前に扱ってもらえるようになったということだ.

minilogo.pngこんなぼろぼろになるまでこき使って,足腰立たなくなっているのを見て,初めて一人前扱いなんだ.もっと元気なときじゃあだめだったわけ? もう元には戻れないかもよ.第一農水省の補助事業なんて人間のためのじゃないの.
長期的展望なしに今回のミツバチの不足は予見できなかったかといえば,海外での研究は少し先行していたわけだから,必ずしも前もって打つ手がなかったというわけではないだろう.その点は研究者にも責任はあるだろうね.でもここで農水省が本気なら多少は変わっていくのかも.お金を使うのは人間かも知れないけれど,ミツバチのためになるように知恵が集まると思うよ.

minilogo.png手遅れにならないうちに,ちゃんと情報を集める努力をしようよ.メディアは情報を集めるのが得意なんでしょう? お手軽にかすめ取ったような話だけで記事を書かないで,ちゃんとミツバチにも納得がいくような記事を書いて欲しいな.そっか,部数が増えるように人間向けにはいい加減な記事を書いてもいいから,集めた情報は漏らさずミツバチに伝えてくれると嬉しい.ミツバチから研究者には情報提供をするから.
おいおい,いい加減な記事で動く人間ばかりでも困るだろう.ちゃんとお願いをしておいた方がいいと思うよ.

minilogo.pngでは,記者の皆様,適正でわかりやすい記事*を書いて下さい.私たちも取材は拒みません.沈黙はしませんから.


*原文は「ぜひ憶測ではなく,無理矢理でもない記事を書いて下さい」でしたが,それ自体が記事作成の姿勢を「憶測」している表現であったので,訂正します(2010年6月3日)




posted by みつばち at 17:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする