2010年05月31日

「ミツバチ好き」を超えよう

麻布大学の高槻成紀先生と南正人先生共著の「野生動物への2つの視点 “虫の目”と“鳥の目” (ちくまプリマー新書)」が出たのでさっそく読んでみました.お二人は「シカ」という動物を異なる角度(それが虫と鳥の目)で研究対象として捉えていて,その研究からわかるシカの一生やシカの餌となる植物の話も面白い.少々乱暴だけど,シカをミツバチに置き換える発想に持ち込むと,いろいろなことが見えてきて,やっぱり一読の価値があります.

とりわけ,主観的な「好き」から,だれとでも共有できる科学的な方向性を持つことを,若い人(麻布大学で獣医を目指すような)へのメッセージとして語っておられるところには共感.もちろん一般の人たちが,最低限の科学性を保有するという点でも参考になるでしょう.

この最終章では「小さい生き物が大きな働きをしているという話を聞くと痛快な感じがする」というところで,ミツバチのことにも,ふれてもらっています.

科学あるいは科学的という言葉は,このブログでは,私の職業的な立場から何度か使っていますが,そのあたりを今日は辛口ミツバチと語ってみます.


minilogo.pngいい本だと思うし,研究者の自然観が見えて面白いけれど,ミツバチの記述はちょっと間違っているね.「花の蜜はミツバチの体内でインベルターゼという転化酵素によって分解され・・・」はありがちな間違いだけれど,訂正して欲しい.
そこから来たか.ミツバチを一番知っているはずの養蜂家でさえ,同じ間違いはよくするし,畑の違う研究者なら,この程度の間違いは許容範囲かなあ.この転化酵素は体内ではなくて,貯蜜に混ぜられて,六角形の巣房の中で働く.こう訂正しておけばいいかな.

minilogo.pngハチミツが「気の遠くなるような(ミツバチの)努力によってしか得られない」という記述は嬉しい.でも「もし地上からミツバチがいなくなったら,私たちはハチミツを味わうことはできなくなる」は,やっぱりそれだけ?みたいには感じちゃうなあ.
その先にちゃんと受粉の話もあるから.でも「気の遠くなる」も人間がという話で,ミツバチからすれば,日々実現可能な営みってことだよね.やっぱり人間の想像力の限界を感じる.

minilogo.pngマルハナバチさんが「航空力学的には飛べない」とかいわれてて,でも「普通に支障なく飛んでますから」っていってた.航空力学的に問題のないっていう飛行機でも落っこちるのにね.人間の科学は,まだ自然には追いついていないんだ.
追いつくことが目指されているわけではないと思うけど,できるだけ多くのことが理解できたらいいなとは思う.その仕組みを明らかにすることが,そのまま人間の技術に直結して,人間として何かができるようになるという以前に,きっとその生き物に敬意を感じるだろうし.

minilogo.pngそうかな.人間は,人間以外の生き物を支配できると思って,理屈の通じないものを明らかにしようとしているだけみたいだよ.で,明らかにできなければ,理屈に合わない,理論的には間違っている,そんなものはそもそも存在しないとか,むちゃくちゃいう.
日本人が,生き物を支配できるという着想をもったのは歴史上,最近じゃないかな.大阪市立大の瀬戸口明久先生の「害虫の誕生―虫からみた日本史 (ちくま新書)」では,「害虫」という理解の変遷でそのことを書いている.ただ,ミツバチという生き物に関していえば,それで食べている養蜂家たちでさえ,いろいろだね.自分は完全にミツバチをコントロールできていると思う人もいれば,ミツバチも含めて自然は一度として同じだった試しがないから,この商売は面白くて辞められないという人もいる.

minilogo.png自然に対する興味を失わないということは,そういうことでもあるんだね.でも,これでは科学に必要な再現性はどうなるの? 
組み合わせの問題として,同じはないということで,個々にみていけば,この養蜂家にしても,過去に経験したものはあるはず.でも,まったく同じようには再現できないのが生き物の世界だろう.だから興味や関心を維持しやすい.

minilogo.png麻布大は獣医学部があって,獣医さんになったあと家畜保健衛生所で働く人もいるので,ミツバチも時々お世話になっている.今年は口蹄疫への対応で,例年の家畜衛生講習会でミツバチの話を聞いてもらえなくて残念だった.で,学生の進路が,動物が好きということで決まっていくとして,高槻先生はそれだけでは不充分といっているわけ?
「好き」というのは,あくまで情緒的で,多くの場合,一方通行で,今ある情報で作られる感情なだけに,ある意味で不安定だろう.現状で満足して,よりよく知ろうという方向性を持たないことも多いし.もちろんミツバチが好きという気持ちは,ミツバチと向き合うには必要だろうけれど,ミツバチを知る段階へと発展していくには不充分だろうね.好きになった時点で,ミツバチの価値観は固定されやすいし.研究者は,「なぜ」とか,「どうして」という好奇心の継続と,その探求をやめない.探求には技術や設備といったハードルがあるかも知れないが,好奇心の継続は,研究者じゃなくてもだれでもできるはず.さっきの養蜂家のようにね.

minilogo.pngミツバチへの好奇心はどうすれば持続してもらえるのかな? ミツバチとしてできることは何だろう?
科学的態度とは,「疑うこと」といういい方もできる.その物事を説明する既存の人間の言葉を疑うという意味でね.誰かが語ったことを鵜呑みにするのではなく,自分の言葉で再現できるか考えることで,興味は持続できる.ミツバチとしてどうするかは難しいね.問題があればよく見てもらえるというのでは,ちょっと不幸なことだよねえ.

minilogo.pngそれで本当に目を向けてもらえるなら「犬死に(ってひどい言葉だね?)」ではないかも知れないけれど.でも疑うだけでは,何だか性格の悪い人みたいだよ.ひねくれ者というか,研究者はよく変わり者と呼ばれているけど,そのせいか.
それはそれでステレオタイプな表現だなあ.疑うというのは,自分なりの再現性を確認するということであって,他人のいうことを嘘と決めてかかるということではない.好奇心を持続させるためにも,喜びや驚きや落胆などいろいろな感情を付帯的に味わうことも大切だから,充分に普通の人間的側面を研究者も持っていると思うけれど.

minilogo.png落胆も? 落胆したら興味は失われるのでは?
例えば,研究のために花の蜜を集める作業があるけれど,特にミツバチが集めているような濃厚な花蜜は,人間業ではうまく集められない.ところがそのことをミツバチは,普通にやってのける.体の大きさが花に合っているといういい方がいいかな.その点で,こんなにいろいろな花を愛でているはずなのに,人間は,あんまり花からは相手にされていないって感じがする.でもそのことで,ミツバチってすごいなあと単純に思う.で,じゃあなんでそんなことができるのか,いろいろな濃さの花蜜があるのに,なぜ濃いものだけを選べるのか,そういうところから次の疑問が湧いてきて,今度はこれを検証しようとかなるわけだ.

minilogo.png打たれ強いってことかな? 
単純に気が済むようにしたいというのもあるかも知れないし,研究者としての職業的使命感というのもあるだろう,研究者を辞めたら他に役には立たないという自覚があるのかも知れない.でも基本は,逆説的なんだけど,「好き」という部分があるからだと思う.だから好きであることが悪いのではなく,好きなものの,もっといろいろな側面を理解する次元への到達を目指して欲しいということだ.

minilogo.pngだんだん恋愛談義っぽくなってきたね.
見かけではなく,真の姿をみて欲しいっていう意味では共通だよね.だからこそ研究者じゃなくても,「好き」の先を目指せるってことなんだろうけれど.



野生動物への2つの視点 “虫の目”と“鳥の目” (ちくまプリマー新書)

野生動物への2つの視点 “虫の目”と“鳥の目” (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 高槻成紀&南正人
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2010/05/08
  • メディア: 単行本




害虫の誕生―虫からみた日本史 (ちくま新書)

害虫の誕生―虫からみた日本史 (ちくま新書)

  • 作者: 瀬戸口 明久
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 新書







ラベル:科学の目
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2010年05月29日

春花の後は。ミツバチ初夏物語

今年の春は寒かったよな。
ミツバチ育ててる人も、そうでない人もミツバチ見たかな?

新緑が眩しくなってきた。
春花が終わった後、ミツバチはどうしてるのかな。

これから、初夏にかけて咲くお花をご紹介。
お庭やプランターで育てられるよ。ハチが来たら教えてね。

ロベリア。ミツバチサイズ。
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ラベンダー。沢山の種類があるけど、これが一番来ていた。
オレンジ色の花粉も集めてたよ。
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姫岩垂草。名前の通り、垂れた感じに茎が伸びてる。
ピンク色の蕾を付けて、ミツバチを待っている?
ポット苗が、秋には畳一畳分くらいになります。
「ミツバチ来すぎて、怖い」っていう声も聞くから、場所にはちょっと注意が必要です。
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伊吹ジャコウ草。
タイムの仲間。滋賀県伊吹山が故郷。
ジャコウ草という名はダテについてるわけじゃない。
すごくいい香り。この時期、夜風に吹かれるだけで、香りが広がります。
這うタイプだけど、プランターで吊るしても楽しめます。
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こっちはタイム。似てる。
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2010年05月28日

国分寺にミツバチのためのかぼちゃ畑出現!

ずーっと雨にたたられていた国分寺フィールドでの活動でしたが、今日、ようやく快晴に恵まれました。
それぞれのベランダや庭で育てていたかぼちゃもいい具合に育ち、ついに定植!連携先の国分寺もとまち公民館のみなさんと一緒に畑づくりをしてきました。

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ミツバチ、来てくれるかなあ。
このかぼちゃが全部花をつけてくれたら、かなりの数になるはず。
たぶん、ミツバチが気づいてくれるはずなんだけれど。

しっかり受粉してもらって、かぼちゃでパーティ。
すでに秋に開催予定で、カフェスローを予約しているぐらい期待しています。

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病気や害虫という局面もあるかと思いますが、とりあえずは無農薬でやってみることにしました。

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敷地にはエゴの木が花をつけていたけれど、そろそろ終わりかな。
残念ながら、今日はミツバチには出会えませんでした。

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巣箱にはご入居未だならず。
花を咲かせて待っています。

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セイヨウミツバチは外来生物? 10年で決まる運命

最近,ニホンミツバチの国内移動の是非に関して質問を受けました.折しも,昨年末に出た,京都大学の松井正文先生の「外来生物クライシス〜皇居の池もウシガエルだらけ」(小学館101新書)を読み終えたところで,外来生物としてのセイヨウミツバチとニホンミツバチの国内移動について考えてみます.

「外来生物クライシス」は外来生物(動物のみ33種)を,その位置づけごとに4章に配分して,種ごとに具体的に例示しながら,何が問題なのかをわかりやすく書いてあります.特に「問題」が,単に「外来だから悪」という図式ではなく,その発生パターンが多様なことに気がつかされ,そのことだけでもまちがいなく一読に値します.人間による動物の移動が,時代によって意味合いが異なることから,過去を今の価値観で糾弾したり,逆に,過去の価値で今を測ることはできないという点は実感できます.

さて,セイヨウミツバチは,第2章「人の生活に影響を与える外来生物」のトップで登場します.農作物の花粉交配での利用,大量死やCCDのこと,ミツバチ不足のこと,マルハナバチのことなど,刊行時期から,少し情報的には陳腐化した部分はあるものの,わかりやすく書かれています.多少,誤解かなという記述はあるけれど,それは何となくあとからミツバチを加筆したからではと思われる節もあります.

でも,辛口ミツバチ的には,少しは文句も言いたい? 何だか春の疲れがたまってきたのか元気がないけれど...

minilogo.pngセイヨウミツバチを外来種として排他的に扱おうというストーリーじゃないから別に文句はないよ.ただ「おわりに」に,ここに登場する動物の中で日本への導入(侵入)時期が最も古いのはマングースの1910年で,次いでカダヤシの1916年となっているけれど,セイヨウミツバチはもっと古いんじゃないの?
確かに.1877年だから,たぶん一番古いね.外来生物法では,明治時代以降に日本に来た生物を,基本的に「外来生物」と定義しているから,セイヨウミツバチはそれに基づけば最古参の部類だろうね.

minilogo.pngあと10年早く来ていれば,外来生物って呼ばれないですんでいたのかなあ?
今でも女王蜂は海外から人間の手で持ち込まれているから,ある意味では外来性の生物には違いないけれど,確かにその10年が何らかの意味を持ったかも知れないね.生物にとっては何の意味もない10年だけれど,日本はたまたまそこで歴史が動いたからねえ.運が悪かったと諦めるしかないなあ.

minilogo.png外来生物って最悪のイメージだよね?
そうかなあ,松井先生も「外来=悪」という単純なイメージではないといっている.最近では,研究者も,外来かどうかではなく,純粋に侵略的かどうかということを評価すべきという論調にもなっている.少なくとも,農業上欠くべからざるセイヨウミツバチに外来生物法を適用して何らかのアクションを起こす必要は,一部の野生化が問題になっている地域を除けばないだろう.

minilogo.png女王蜂の国内・国外移動に関しても問題視されているけれど,農業資材として全国で使われているしねえ.県境を越える転飼の場合は,病気の検査もしてもらってはいるんだけど.この本でも紹介されているように,名古屋大学の門脇先生が,国内にすでにさまざまなウイルスが広く浸潤しているっていってるね.やっぱりそれはミツバチのせいかなあ?
養蜂のスタイルが,花を求めての移動や受粉目的の移動が前提だから,防疫体制はあっても,それが病原の分布拡大防止にまで実効があるとは思えないな.発症していなければ,見落とされるし.ただ,日本にはニホンミツバチがいるから,種間での病原のやりとりが何らかの想定外の問題につながることもあるだろう.かつてのタイサックブルード(東南アジアのトウヨウミツバチが壊滅的被害を受けた)や,最近のノゼマやダニも種間で病原が往来することで問題化している.とはいえ,こうした厄災が,病気に強いミツバチを作っていく可能性もあるので,一元的には論じきれない.

minilogo.pngニホンミツバチさんの長距離移動の是非の問い合わせは,これも国内外来種という意味で? あるいは病気を危惧してのことなの?
同じ場所に血縁関係の近い群れを多数置くと近親交配が促進される.その影響を排除するために,あるいはよりよい品種作りを目指して遠隔地のニホンミツバチを導入して交配させるため,国内の長距離移動をするということらしい.一方で,そのことが,地域の個体群の特徴を喪失させ,遺伝子の多様性を失うことにつながるとか,病気の蔓延だとかが,心配されている.

minilogo.pngつまり国内外来種になるということ?
沖縄や北海道に関しては,少なくともニホンミツバチの自然分布域ではないので,それらの地域へのニホンミツバチの持ち込みには慎重でありたいね.それ以外の地域でも,どの程度,均質化が問題となるような遺伝的多様性があるのかもわかってはいないので,遠隔地のニホンミツバチを移動することの是非は問いにくい.予防原則的には,もっといろいろなことがわかるまでは移動しない方がいいといういい方もできる.

minilogo.pngミツバチは基本的には近親交配には強いはずだよね? だって,知られざる雄蜂の働きかも知れないけど,未受精で遺伝子を母親からだけ受け継ぐ雄蜂が,生きていくのに不都合なほどの遺伝子は,引き取って死んでくれるから.それなのに移動してまで交配する必要があるのかな?
近親交配耐性といういい方をすれば,確かに強い方だろうね.それと,多回交尾で,もともと群れの遺伝的多様度を上げようとしているから,多少不都合なものが入っても,影響は限定的なことが多いだろうね.

minilogo.pngそれなら遠隔地からの導入はやめた方がいいわけ?
ニホンミツバチでは分蜂利用で蜂を増やすから,ある人の飼っている蜂は血縁的に近くなりがち.そのため,特定の血縁集団が維持され,そこで交配が起こり,結果として継続的に血が濃くなっていく.そのことが,どの程度の影響になるのかはわからない.ただ,遠隔地でなくても,その地域の集団内で交配を繰り返せば改善可能だろうから,地域内でミツバチのやりとりをするくらいがちょうどいいかも知れない.
それと,飼育者が近交弱勢と思っている状況が,飼育という行為自体が与える影響,例えば過密で餌資源が競合しているとか,人間が与えるストレスや餌の問題とか,同じ巣を使い回していることとか,多様なことに起因している可能性も否定できない.各地でまだ原因不明の病気や異常現象が起きているのに,あえて今ミツバチを移動する必然性は感じないけれど.


minilogo.png外部からの血を入れないように,地域の集団を維持することは重要なことなの?
遺伝資源を守るという観点では一定の意味はあるだろう.とはいえ,特定の集団を守りたいのも,外来の血を入れて改良したいのも,どっちも,人間の都合にちがいない.繁殖を人間が完全にコントロールできる家畜であれば,その両方向を両立できる.だから,実は,ミツバチは家畜なのかそうじゃないのかという問題でもあるんだ.繁殖をコントロールできない点で,ミツバチを「家畜」とは呼べないから,その点で改良という方向だけを優先するのは危険かもね.ミツバチはもともと群れの遺伝的多様度を高めて,適応性を上昇させている.人間が高密度で飼うことは想定外の状況かも知れないが,それでもなお人間の行為はお節介にしかならない可能性が高い.

minilogo.png生物多様性では,遺伝子の多様性も取りあげるけれど,ミツバチはひとつの群れでそれを実現しているってことだよね.
そういうことになる.構成員を遺伝的に多様化することが,血を濃くすることよりも,社会を維持する上で,長期的な展望に立てる最重要要件だったんだろう.進化におけるこの選択は,ある意味で,エポックだったと思う.公平ということを誤解して,思想や教育で構成員を均質化することが,近代国家の成立要件だったという人間の歴史をふり返れば,ミツバチに見習うべきところは特にこのあたりにあるのかも知れないな.

minilogo.pngこの本にも,受粉を通じてのミツバチの経済価値が世界の農業食料総生産額の9.5%って書いてあった(2008年の独仏の共同研究).いろいろな家畜がいる中で,小さなミツバチが食料の1割に相当する働きをしているってことでしょう? すごくない?
実際,すごいと思うよ.お世話になっています.計算方法とか,研究者の考え方によっても異なってくる数字だけれど,いずれの研究でも,ミツバチの存在は有意だよ.それだけにミツバチ不足で大騒ぎしたわけで.もっとも今年の沈静化は嵐の前触れっぽいと予測する人もいる.夏に向けていっそう頑張って.

minilogo.pngこの上まだミツバチに頼るのか.人間も頑張って,ミツバチのためにも何かして下さい.あと,最後に.言い出しにくかったんだけど,ひとつだけ文句があった.セイヨウミツバチの挿絵.これじゃあ,イソギンチャクにとらわれた醜いカラスの子だよ.もうちょっとかわいく描いて欲しかったな.
なるほど,こりゃ目つき悪いね.確かにイソギンチャクにとらわれている.そうか,それを気にして今日は元気がなかったのかな? 一応,女の子だもんなあ.
minilogo.png「一応」は余計だよ.確かに,「一応」なんだけどさ.


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2010年05月27日

みつばちからの手紙 花畑で待っています

DSCF1537.jpg昨日、mecc賞の授賞式がありました。スピーチをということだったので、ミツバチから託された手紙を読んできました。
ミツバチによると、これを機会に時々頼むわね、ということなので新カテゴリー「みつばちからの手紙」を設けることにしました。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ミツバチからの手紙

人間のみなさま、こんにちは。

今日は、よい機会なので、私たちミツバチからのメッセージをお伝えさせていただきます。

私は一介の働き蜂です。
今、花蜜と花粉集めに毎日飛び回っています。
念のために言っておきますと、働いているのは全部私たちメスです。完全女系社会です。
♂がなにをしているかって?それはまたの機会に。長くなりますので。

私も巣の中のみんなにようやく貢献できる年回りになりました。というのは、私たちの寿命は、今の時期、だいたい40日間。後半の20日間ほどを蜜と花粉を求めて飛び回ります。

私は昨日から外に出ることが許されたので、すでに年増です。人間でいえば、この手紙を読んでもらっているおばさんぐらいの歳かもしれません。願わくば、花の下にて・・・いえ、花の上にて命終えたいと願っています。

宝塚ガーデン 137.jpg


私は、花がたくさん咲く一年で一番忙しい時期に生まれることができて幸せだと思います。
今日は、ぜひ、人間のみなさんに知ってもらいたいことがあります。

人間のみなさんは、私たちがつくるハチミツが大好きなですよね。
だから、ミツバチといえば、ハチミツ!と思っていただいているようです。

でも、私たちはハチミツだけで生きている生き物ではありません。

ハチミツは糖質で、動き回るエネルギーになります。だから、花からいただく蜜はとても貴重なものです。その花蜜を私たちの体に貯めて運び、水分を飛ばし、酵素で分解させてハチミツをつくります。

そのハチミツと同じくらい大切なものが私たちにはあります。
毎日絶対に必要なもの。それは花粉です。

みなさんが女王蜂と呼んでいる私たちのお母さんは、毎日1000個以上卵を産みます。ほぼ自分の体重と同じぐらいなんですよ。そのお母さんのパワーがどこからくるのか。それは、私たちがローヤルゼリーと呼ばれるものをお母さんに毎日食べてもらっているからです。人間の女性が、お肌に塗ったり、飲んだりしていますが、それがどんなふうに影響するかは知りません。一説によると太るという説もありますのでご用心ください。

そのローヤルゼリーの原料が花粉なんです。卵からかえったばかりの幼虫にあげるミルクも花粉が原料です。

でも、ハチミツの貯蔵場所と卵の産卵場所だけでほぼ巣の中はいっぱいだから、花粉はなかなか十分貯めておけません。ですから、毎日、毎日、必死で集めなければなりません。

私たちを見かけたら、ぜひ、足を見てくださいね。花粉団子と呼ばれるものを両足に着けています。体についたのを手足で足に集めて運ぶんです。重いんですよ。体重が90ミリグラムしかないのに、花粉は両足で40mgになることも。おなかは蜜を満タンにすると40mg。ほぼ体重と同じ重さのものを1日に巣と花の間を10回ぐらい往復しながら運んでいます。着地するときに重くて転がってしまうほどです。

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最近、なぜかビルの屋上に私たちの巣箱を置くのが人間界では流行っているようです。時折、風の便りに苦労している仲間のウワサを聞きます。風は強いし、ビル街だと花は遠くまで行かないとないし。排気ガスも多いし、アスファルトやコンクリートの照り返しは強いし。人間も、都会の夏の暑さにはかなりまいっていますよね。ヒートアイランドなんていって。

私たちなら、そんなところに巣をつくろうとは思わないけれど。

必死で採ってきたハチミツは採れたと喜ばれるけれど、私たちには苦労の種が増えただけです。

どこでも巣箱を置かれたら、ハチミツを採りますよ。だって、ハチミツを得なければ動けない。動かないと花粉が採れない。花粉がないと巣を維持できませんから。それはそれは必死なんです。まさに命がけです。

農村に住んでいる仲間は仲間で、以前ならレンゲや菜種がたくさん咲いたけれど、最近はほとんどありません。山は伐採されて、大好きな花を付ける雑木林はなくなるし、やたらと住宅地になったりして、本当に花を探すのは大変なんだそうです。

そんなとき、つい、花粉を採りに田んぼの稲の花に行ったら、カメムシのやつが来ていて、出会ってしまう。カメたちが、お米の実が固まらないうちに汁を吸うときに口を突っ込んで吸ったあとが黒い斑点になってしまう。だから農家はカメ退治のために農薬をまく。それを時々浴びてしまらしいです。

たぶん人間は「そんなに花がない?けっこう咲いているでしょ」なんてのんきに考えるんでしょうけれど、蜜が出る花、花粉が採れる花は限られています。それは私たちミツバチだけじゃなく、私たちの仲間のハナバチたちだってみーんな苦労しているんです。

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人間の都合でずいぶん環境が変わってしまって、本当に迷惑しています。それは人間が人間だけの心地よさを追求してきたから、ですよね。
私たちは、みなさんにハチミツだけじゃなく、蜜蝋やローヤルゼリー、プロポリスなどたくさん生産し、人間のみなさんはそれをいろいろに利用しています。
私たちは、リンゴやサクランボ、イチゴやメロン、玉ねぎやニンジンなども受粉もしています。

どうかもう少し私たちが生きやすい環境をつくってもらえないでしょうか?
たまには私たちの身になって考えてみてください。
小さな小さな生き物ですが、私たちミツバチは500万年を生き抜いてきました。
人間よりも300万年も先に生まれたんですよ。
その私たちの仲間がどんどん減っています。

アインシュタインという人間界では尊敬されている学者さんが、「ミツバチが消えたら、人類は4年以内に滅びる」といったと言われています。さすが偉い人の言うことは違うと思いました。

みつばち百花のみんなは、本当に私たちのことが好きみたいで、なにがそんなに気に入られているのかわからないですが、とりあえず無理な注文をしない人たちなので助かっています。私たちが生きやすい環境をみんなでつくろうと呼び掛けてくれています。

そうしたら、岩手や福島、国分寺や国立でやろうやろう!と花を増やしてくれる人がどんどん増えています。ハチミツを採る前にまずは花を増やそうって。うれしくて泣けます。

花が増えたら、きっと人間にもいいことがたくさんあると思います。
人間同士が仲良くなれるだろうし、なによりも花が咲いている風景は美しいですから。

国文学者の中西進さんという方が「幸福は、やまとことばで「さいわい」で、昔は「さきはひ」といったとか。「さき」は花が咲いていること、「はひ」は這うことで、幸福とは花が咲き広がり、咲き続けることだそうです。

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ミツバチの幸せを考えることはきっと人間の幸せを考えることになると思いますよ。
そろそろ人間以外の生き物の幸せを考えてみる時期ではないでしょうか?

私たちはいつの時代も変わらなかったし、これからも変わりません。

そして、人間とこの先もずっと一緒に歩んでいきたいと思っています。

人間が農産物を育てる、それを私たちが蜜や花粉をもらって受粉する、そして花は再生される、そんな幸せな関係をこれからもずっと続けられたらと心から願っています。

みなさんと花畑で会える日を楽しみにしています。




2010年05月20日

mecc(みなと環境にやさしい事業者会議)賞アドボカシー部門賞をみつばち百花が受賞

今日は国分寺フィールドでかぼちゃの定植の予定だったのに雨で延期になりました。地主さんに聞いたら、まだまだ大丈夫とのこと。よかった〜。

そんな雨の日にうれしいお知らせが来ました。
港区内の事業者による「みなと環境にやさしい事業者会議(mecc)」が毎年、実施している環境ビジネスコンテスト“mecc賞”のアドボカシー部門賞を受賞しました。
毎年、エコロジカルなテーマで公募される同賞ですが、今年はCOP10が開催されることから「生物多様性の保全」がテーマでした。

【審査委員長】山本良一
【審査委員】
・山田憲司 みなと環境にやさしい事業者会議 会長/港区副区長
・吉田全男 NECキャピタルソリューション CSR推進部 主席研究員
・鶴田佳史 大東文化大学 環境創造学部 専任講師

このところミツバチが都市の環境指標になってみたり、生物多様性のお手軽ツールに使われていたりと、疑問を感じることが多かったので、ミツバチの王道(そんなものあるの?と辛口ミツバチからつっこみ)を行く提言をしようとがんばっちゃいました。

みつばち百花では、アドボカシー部門に応募し、「企業の花畑 ミツバチと育む生物多様性 花粉源・蜜源植物による景観創生」を提案したところ、書類による一次審査を通過し、今月初めに二次審査のプレゼンテーションを行いました。

その結果、めでたく同部門賞を受賞しました。
ミツバチをはじめとする生き物たちに本来の生きる場所を私たちの暮らしの場にどう提供していくのか。それは新しい環境と景観の創出という壮大な取り組みだと思います。
研究機関や企業のノウハウ、そして、そこに暮らす人々との連携があってはじめて糸口が見つかることではないでしょうか。

今、私たちは地域づくりの一つのアプローチとして「ミツバチと一緒につくる町づくり、村づくり」の提案を始めています。すでに百花プロジェクトとしていくつかの自治体と取り組みを進めているところです。
これをきっかけに企業の方とも、ぜひ、力を合わせて、持続可能な環境・景観づくりに取り組んでいければと思います。



posted by みつばち at 14:08| Comment(1) | TrackBack(0) | みつばち百花プロジェクト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月18日

ハナバチのいろいろ part2 ミツバチとハナアブ

見分け方シリーズ第2段です.
今回もあくまで私の見方ですので,参考程度で見てくださいね.


part2では,ミツバチとハナアブの見分け方を紹介したいと思います.


ミツバチ関係者以外の方,
最近やっとミツバチに興味を持たれた方は
見分けにくいのでは?

私も4年前まで写真を撮っても気づきませんでした…


黄色い虫が花の上にいたら,ミツバチに見えるときってありますよね.
でも,じっと見てみてください.
全然違います!

はい,こちら↓
ハナアブ2.JPG

ハナアブの仲間です.
種まではちょっとわかりませんが.

そして比較用にセイヨウミツバチ
セイヨウ2.JPG


わかりやすいところは2つあります.
まず目です.
ハナアブの目はかなり大きいです.
細かいところまで言えば,目に毛も生えていません.
ミツバチは生えているのです.
さすがにそこまでは観察しにくいと思いますが笑
ちなみにミツバチの目はこちら↓
_IGP2519.JPG


もう1つは翅です.
ミツバチは膜翅目(ハチ目),
ハナアブは双翅目(ハエ目)と「目(もく)」が違います.
上の写真を見てもらうと,
どちらも翅が2枚に見えてしまうかもしれませんが,
ミツバチは4枚,ハナアブは2枚なのです.
ミツバチは2枚の翅を繋げて羽ばたいているんだそうですよ.


いずれの見方も,じっと見なければわかりにくいですね.
あとヒントになるのは
羽音と飛び方です.
このあたりは感覚的なものなのですが.
ミツバチは花から花を一定のスピードで飛んでいるイメージで,
あまりスピード感のある音ではない印象です.
同じような方向からビーっという音がします.

一方ハナアブは,あちこちに飛びまわって
人が近づくとすぐに飛んでいってしまいます.
体も少し大きいので,ミツバチより少し低い音がします.
花に止まるときもピタっと止まるし,
見れば見るほど違うふうに見えてくるのではないかと思います.


とりあえず目と翅がポイントです!
ぜひ観察してみてください.

次回はミツバチとハナバチの違いを書こうと思います.

ラベル:ハナバチ
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2010年05月16日

ミツバチの自然巣のあるガーデン

こんなかわいい看板を発見!

宝塚ガーデン 111.jpg


宝塚ガーデン 117.jpg


この扉の向こうに自然の巣があります。
扉は見せかけのもので、壁と扉の間に空間があるようですよ。
いいところを見つけましたね!さすがミツバチさん。

ここは宝塚ガーデンフィールズにある英国風ナチュラル庭園シーズンズです。園内は多年草の草花を中心に花があふれています。
約1500種類の植物が完全無農薬で育てられているそうです。

宝塚ガーデン 119.jpg


園内では、ミツバチたちがとても忙しそうにしていました。

宝塚ガーデン 098.jpg


最盛期のラベンダーには、特にたくさんのミツバチが集まっていました。お客さんたちはのんびり散策を楽しんでいましたが、気づいていたかな?

宝塚ガーデン 084.jpg


チャイブの花にも!
このほか、ノバラにもいました。
すぐそばには六甲の山並みが見えるこの庭園は、ミツバチたちにとって、住みやすいところなのかもしれませんね。

posted by みつばち at 09:26| Comment(2) | TrackBack(0) | ミツバチと一緒にHappy Honey Days  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月14日

ハナバチのいろいろ part1 セイヨウミツバチとニホンミツバチ

不安定ではありますが,暖かい日が続いて
ミツバチたちも行って帰って,忙しそうです.
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ミツバチたちと同じように,他のハナバチも飛び交っていますが,
見分けるのって難しいですよね?
インターネットで画像検索をかけると,アブと間違えている方も.

と,いうわけで,私なりの見分け方を
簡単に紹介したいと思います!
(あくまで自己流なので,参考程度に)

まずはミツバチ代表
セイヨウミツバチ
セイヨウミツバチ.JPG


ニホンミツバチ
ニホンミツバチ.JPG

この2つ,わかると結構違うんです.

大きさはニホンミツバチの方が少し小ぶり.

で,決定的に違うのは,おしりの縞模様と形です.
上の写真を見比べてみてください.
セイヨウは縞模様が淡くて
ニホンは白いラインがはっきりしていると思いませんか?

それと形.
この写真ではわかりにくいのですが,
セイヨウは先端が丸く,ニホンはツンとしています.

あとは色.
セイヨウは全体的に黄色い印象で,
ニホンは黒っぽいです.
しかしニホンは,夏場は心なしか黄色っぽくなるので,
おしりの縞模様と形で識別するのをオススメします.



part1はここまで〜
次回はアブとの違いです.

にしても写真が見にくくてすみません.
ぜひ画像検索してみてください.
だんだん見分けがつくようになってくるかも?!
posted by みつばち at 00:27| Comment(4) | TrackBack(0) | 花蜂の秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月12日

愛知県庁の屋上でもミツバチ−お手軽な生物多様性の保全のために働け!

名古屋の大空に飛べミツバチ――。

朝日新聞のサイトにこんな記事が出ました.
写真に出ている養蜂家は,玉川大学の大先輩で,私は決して頭が上がらないし,間違っても足を向けては眠れないお方.だから批判はしたくないけれど,記事はこれで大丈夫なのかな.記事を解剖しつつ,辛口ミツバチと血祭りにしてみます.


さて順番に行こう.まずは「愛知県は県庁(名古屋市中区三の丸3丁目)の屋上でミツバチ約2万5千匹の飼育を始めた。名古屋城一帯や官庁街の草花や街路樹の受粉を助け、昆虫や鳥が集まる生態系作りに一役買う。」とうことだ.
minilogo.png2万5千匹ってことは一群れってことだよね.ミツバチの群れは,それが一つの生き物として動くから,人間として換算すれば,一人,大きく考えても一家族だよ.それに生態系作りの一端を手伝わせる.なんか期待しすぎなんじゃない.

そもそも「生態系作り」って,聞き慣れないというか,新しい概念のような気がする.火山の噴火で生物が死に絶えたとか,山火事などでかなりの部分が焼失したとき,あるきっかけを与えれば,確かに新しく生態系を作るという気分にはなれちゃうのかも知れない.一般的には,以前あったようにはならないしても,「復元」ということだろうと思うが.「生態系を作る」と来たか.
minilogo.png考えようによっては,ミツバチ一群置けば生態系ができちゃう名古屋って,ミツバチを至上の生き物として認めているってことなのかな.日本の近代養蜂の発祥の地だから,そのくらいにミツバチを大切にしてくれている? もしかしたら神さまだと思ってもらえてる?

それはミツバチ的な発想ではないよ.だいぶ人間に毒されてきたな.ミツバチってそんなに独善的だったっけ?
minilogo.pngあまりミツバチ関係でよいニュースがないところで,最近は,何だかやたら担がれるから舞い上がっちゃうんだよ.たった一群のミツバチが,生態系作れるわけないじゃない.人間ひとりで何ができると思ってんの?

もちろん「一役を買う」ということで.ただ,県庁周辺の植物の受粉は任されたみたいだよ.
minilogo.pngミツバチは人間のための受粉係じゃあないんだよ.ミツバチは自分のために働いているんだから.受粉係として働かせるなら,ちゃんと報酬はちょうだい.

次は「飼育するのはセイヨウミツバチで、半径2〜3キロを飛び、ツツジやクロガネモチなど季節の花の蜜を集める。繁殖を繰り返し、7月ごろには4万〜5万匹に増えるとみられる。」だそうだ.「繁殖を繰り返す」というところがいかにもミツバチを知らない人の表現だなあ.
minilogo.pngミツバチってやっぱり理解されていない.働き蜂の数は増えるけど,本質的な意味での「繁殖」ではないのに.距離の表記は幅が出たねえ.これは養蜂家の情報が少し「正確」になったからかな?

さて,でもって「10月に開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向け、生物多様性の保全をPRする狙いもある。」んだそうだ.なんだか,COP10開催地の生態系への理解が「昆虫や鳥が集まる生態系」では心許ないなあ.
minilogo.png生態系作りのために働けといわれたり,ただの人寄せパンダにされたり,名古屋のミツバチも大変だね.だけどさあ,県庁でミツバチを飼うことって,生物多様性の保全とどう関係しているの? 生物多様性の保全がそんなに簡単なことなら,みんなでジェット燃料使って名古屋に集まって,ぐだぐだ言ったり,ぱくついたりするより,今日から世界中の屋上でミツバチ飼いなよ.ほら,そこの屋上2群,そっちは1群!・・・・

う〜〜〜ん,言葉の綾というか,勇み足というか,ただはみ出しただけというか.ミツバチを飼うと生物多様性の保全になるって,大新聞がこう書いたら,多くの人間は実際そうだと信じ込みそうだな,やれやれだ.
minilogo.pngさすがはミツバチ.実はキーストーン種だったって訳だ.人間も,もうちょっとミツバチに優しくしないと,つまみ出しちゃうよ.って,なんかおかしいよね,誤解だよね,間違って書いちゃったんだよね.誰か本当のことを言ってよ.そんな嘘のためにミツバチがダシにされるのはやだよ.

そう,それが正しい態度だろうね.で,「県は夏にハチミツ5〜10キロの収穫を期待。福祉施設に贈る予定だが、この見通しは甘い? 甘くない?」ということだ.さあ,これで見えたねえ.
minilogo.pngああ,やっぱりハチミツかあ.ミツバチじゃあないんだね.名城公園あたりなら10kgなんて軽いでしょう.福祉施設がいくつあるかわからないけれど,そこそこ配れるんじゃないの? で,福祉施設にハチミツを贈ると,生態系ができたことになったり,生物多様性が保全できたことになったりするんだ.へえー,やっぱり人間の世界ってお気楽だよね.で,肝心なところはミツバチ任せで,まったくお手軽.ダメだったら,ミツバチのせいにすればいいだけだし.

ほら,見通しについても,挑発されてるよ.
minilogo.png見通し? 甘いかって? 馬鹿にしないでよ.そのくらい稼げないでどうする.ただ,そこには本当に花があるんでしょう? だって,花を植えることはミツバチにはできないよ.そこにある花に種子を作ってもらう手助けはできるけどね.その分はちゃんと一緒に生態系を作る人間が手伝うんでしょう? えっ,ミツバチ置くだけなの? そっか,人間は置くだけーとか,押すだけーとか,ワンアクションで解決するのが大好きだものね.そんなお手軽,お気軽な人生が楽しいんだ.ふ〜ん.ミツバチに生まれて正解だったよ.次はミツバチに生まれて来なよ,短いけど充実してて,嘘のない一生が約束されてるよ!


posted by みつばち at 20:19| Comment(2) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」のご案内

先日、試写会で観てきました。
前作の「六ヶ所村ラプソディー」は下北半島の漁民や農民の人たちの生活の現場を踏み荒らされる憤り、悲しみ、あきらめを静かに見つめながら、原発について深く考えさせられました。その後、仕事で下北半島に行き、現場を目の当たりにして、国のエネルギー政策にもっと関心をもつべきだとつくづく思ったものです。石油備蓄基地、動燃、風力発電村・・・あそこにはすべてがあります。修学旅行は、全員行くべきだと思いました。環境問題はエネルギー問題でもあるのですから。

今回は、中国電力による上関原発建設に反対する山口県の祝島の半農半漁の暮らしを営む人たちのようすと、スウェーデンのエネルギー政策に焦点を合わせた内容でした。下北半島で起こった数十年前のことが性懲りもなくまた繰り返されています。

今回の映像の中で特に印象に残ったのは、埋め立てに来た中国電力の工事関係者と祝島の漁民と高齢者たちが海の上でにらみ合うなか、中電側が「祝島は農業や漁業だけの島で、このままでは高齢化で未来がない。原子力がくれば雇用が生まれる」と拡声器で話すところです。農業や漁業に未来がないと思うことが大きな間違いだと。そこに未来がないということは私たちの暮らしすべてに未来がないことなのに。エネルギーがあっても、自然がなければ、土がなければ、私たちも、ミツバチも暮らしてはいけないはず。
中電側の人は雇われているから、わけわからずに言っているにしても、それだけに悲しいシーンだなあと思いました。

ミツバチの羽音と言いながら、ミツバチが出てくるのは祝島の枇杷の花の上をくるくる回る日本ミツバチの姿が3秒間ぐらいだけ。
終わってから、監督の鎌仲さんに思わず「タイトルにミツバチとあったから、もっと出てくるのかと思った」と言ってしました
鎌仲さんによると、「「ミツバチの羽音が聞こえる世界が、求める世界の象徴だと直感的に感じて、つけちゃった」とのことです。
そういうことなら、「私たちの名前をお使いください」と甘口ミツバチが言ったとか?(笑)

原子力については、問題が大きすぎて、今回の映画でもなかなか自分に手繰り寄せるのが難しいことだなと思わせられましたが、日々の暮らしの何を大切にするのかといったことを再確認する上では、よいきっかけになる映画だと思います。
6月より全国で順次上映がスタートします。
詳細はこちらへ。
posted by みつばち at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチと一緒にHappy Honey Days  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月10日

きれいな花には…しゃくなげのハチミツ

しゃくなげの花はそろそろ終わりごろでしょうか。

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シャクナゲは蜜源植物の一つ。ただし、毒のあるものもあり、トルコの黒海沿岸地域では、ギリシャやローマ軍の侵攻をこのハチミツで防いだというエピソードがあります。道路脇にハチミツの入ったツボをぶら下げ、進軍してきた兵士がこれを食べて「酔った」ところを少数の兵士で襲ったとか。

もともとシャクナゲを含むツツジの仲間に有毒植物が多いことは馬酔木(アセビ)などでもおなじみです。
ヒマラヤオオミツバチのハチミツを食べると「酔う」といいますが、これも蜜源の一つにネパールの国花でもある赤いラリグラス(ヒマラヤシャクナゲ)が含まれているからとか。

ハチミツ自体での死亡例はたぶん極めて希で、日本でのホツツジハチミツ中毒も、3日ほど意識がなくなるものの予後はよいということです。
(といわれると、なんだかそそられるハチミツです)

以前、このブログでご紹介したイタリア・アオスタ州にある、Gran Pradiso国立公園で採種された野生のしゃくなげのはちみつです。

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日本に、イタリアのスローフード運動を紹介したジャーナリストの島村菜津さん(旧東京はちみつクラブの発起人の一人)に「とてもいいハチミツを手に入れたのよ」と小分けしていただきました。Gran Pradisoとは、偉大なる天国という意味。その天国は、トリノの北、ミラノから高速バスで2時間半のところにあるそうです。Mario Biancoさんという、これまた偉大な養蜂家によるMaster of Foodという賞を受賞したはちみつだそうで、なんだか天国の滴という感じです。
今まで食べたどれとも違う、まさに黄金の味。濃厚でいて、上品で、個性があって、クセがない、なんとも上質な甘さです。
イタリアンなみつばちさんたちとマリオさんに感謝!

しゃくなげ、あるときは悪魔のような、あるときは天使のような、いろいろな顔を持つ美女みたいな花ですね。

2010年05月09日

ミツバチが忙しいから、私たちも忙しい

5月っていいですねぇ。
さわやかな風が通り抜けていく。
一年中、こうだといいのに。と、ミツバチも思っているかしら。
今は、一年で一番多様な花が咲いているとき。
ミツバチはとにかく忙しそうです。
それにつられて、私たちみつばち百花のメンバーも忙しい。
みんなで訪花の確認作業をしつつ、報告しあっています。

3月初旬に咲いたルッコラの花がまだ咲いています。
今日は、ようやく花にとまったミツバチの画像をゲット。
なかなかじっとしていてくれないのでピンボケです。

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ふつうは葉を食べてしまうから、こんなに花が咲くことはないルッコラ。これ、たったひと株なんですよ。すごいパワーです。
種がどんどんできてきています。回りに落ちないうちに取り込まないと、すごいことになりそうですあせあせ(飛び散る汗)

家の近くにこんな空き地を見つけました。

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静かな住宅街の中にあります。
耳をすますと、ミツバチの羽音があちらから、こちらから、たくさん聞こえてきます。

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クローバーとアザミの花畑で飛び回っていました。
都会の中でこんなに広いスペースに花がいっぱいあるところなんて、そんなにないですから、ミツバチにとっては天国みたい?
人間からすると、今はいいけれど、夏になると蚊が多くなりそうです。

このあとはどんな花が咲くのでしょう。
しばらく定点観察してみようと思います。


ラベル:みつばちの庭
posted by みつばち at 18:14| Comment(3) | TrackBack(0) | みつばち百花プロジェクト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月08日

続:都会の花とミツバチ

前回,都心の中央区.江東区を4月30日〜5月1日に歩いて回った範囲での花を取り上げてみましたが,今回は5月4日に再調査をした中央区の花.ミツバチたちはどんな花に訪れているでしょうか?

築地本願寺の北門横のシラカシ(種名は確認中).花粉目当てに来ているのは,ここからほど近い銀座のミツバチたちでしょうか?(ちょっと高くて,小さくしか写ってない)
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本願寺裏手の駐車場のツツジ(大輪のオオムラサキ? 品種は不確かです,ごめんなさい)には花蜜目当てできていました.聖路加の周辺(築地川公園やあかつき公園など)でも見かけました.
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聖路加病院(看護大学側)の前庭のハナミズキにはニホンミツバチも(あまり写りたくない?).セイヨウミツバチも来てはいましたが.
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佃の石川島公園北側のパリ広場はその名にちなんでマロニエが.高層マンションを背景に,たくさんのミツバチが来ていました.3日前にはだれも通っていなかったので,この日が初日だったのかも知れません.
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隅田川テラスのクローバーもだいぶ咲き進んで,部分的には絨毯状になっています.ただ,16時にはビルの陰になって気温が下がるためか,活動自体は鈍っていました.
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ほんの3日前にはローズマリーに通ってた桜川屋上公園は,フジにクマバチが来てはいるものの,ミツバチの姿はなし.見切りをつけるのも早いようです.その辺はどうなんでしょう,辛口ミツバチに聞いてみました.

巣から近い隅田川テラスのクローバーが急に増えたし,テラスは日中は暖かいこともあって,今日はマロニエとクローバーを中心に通ってたみたいだね.桜川屋上公園はあっさりと見限ったねえ.

minilogo.pngローズマリーが終わってたから,もういかない.見切りをつけるのは早いよ.一生は短い,ムダは少しでも省かなきゃ.

ハナミズキはあんまり好きではないんだろうね,色の好みもあるのかな.どの花に行って,どの花に行かないかは,やはりなかなか難しいね.だから研究としてのやり甲斐も大きいわけだけれども.
minilogo.png確かに白いハナミズキには行くけれど,ツツジは紫の方が好みだねえ.

この時期は都市部でも次々に花が咲くから,その点で何となくどの花にもミツバチが来そうな錯覚にどうしても陥りがち.人の目につくところ以外にはあまり花がないから,ミツバチと出会う確率は,都市部以外に較べるとずいぶんと高い感じだ.
minilogo.pngその点で都市部の方が,ミツバチの気持ちで花を見て回るのには向いているかも知れない.花が咲き始めて,ミツバチがいつ来始めて,そしていつ来なくなるか,もし,よい定点を見つけたら,そんな観察をしてみては? 毎朝,ちょっと顔を持ち上げて花を見たら,ストレスも少しは軽くなるんじゃないの? 美しい見かけ以外に,ミツバチの視点での「おいしさ」っていう情報が花ごとにわかるようになれば,翅を贈呈してもいいよ.人間は5月病とかいうんだろうけど,この1か月はそれなりに花もあるから,アスファルトばかり見つめて歩かないで,花を見る余裕も持ってみては.
でもこのブログももうちょっとリアルタイムでないと.読んでから見に行ったのでは,花も終わってたり,私たちが見限ったあとだったりかもね.


た,確かに.「花とミツバチ」に気がついてもらうためにも,次からは頑張ります.






posted by みつばち at 18:02| Comment(2) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月06日

農薬だらけ?の田舎でハチミツを作る

「ミツバチって農薬がある花には近づかないし,自分の体に農薬がついたら巣に戻らないらしい.だから,他の農業で使用している農薬だらけの田舎でハチミツを作るよりも都会のビルの上で作るほうが理にかなっている」とかいうまことしやかな文言が,ある番組をきっかけに皆さんの頭にすり込まれているそうです(申し訳ないけれど,私はテレビの取材は受けても,普段はテレビを見ないので,そんなことになっているとは気づきませんでした).

まあ,ある意味ではある種の「都市伝説」っていうやつでしょうかねえ.もし都市に住んでいる方が,どこか田舎(例えば水田地帯とか)に行ったら,農薬だらけだと感じるのでしょうか.感じない? それは生物として危険な退行ですよ.化学物質(これもひどい表現だけど)には敏感でなければねえ,とか冗談のひとつもいいたくなります.

正直,この題材で書くようにリクエストをいただいたものの,ちょっと住む世界の違いを感じ過ぎちゃいます.辛口ミツバチに聞くまでもなさそうだけれど,愚かしい人間の考えについて聞いてみました.


さて,冒頭の考え方だけど,ハチミツを生産するミツバチの立場からはいかがかな? つまらないことに付き合わせて申し訳ないというか,そんな呆れた目で見ないで欲しいんだけど....
minilogo.png人間って,本当に都合よく物事を考えるね,都合よく生きたいから,こんな文言を信じたいんでしょう.信じていれば? これは「風が吹けば桶屋が儲かる」的な因果連鎖というやつでしょう.武庫川女子大の丸山健夫先生の「『風が吹けば桶屋が儲かる』のは0.8%!?」でも読んでしっかり勉強しようよ.

因果連鎖以下だよ.少し,この文章を解剖してみよう.「ミツバチは農薬がかかっている花には行かない」.これは,ミツバチにその能力があれば農薬の被害を受けないことになるね.
minilogo.pngもちろん関知できる異常があればミツバチはその花には行かないと思う.野生のニホンミツバチさんの方がそのあたりは警戒心が強いだろうし,セイヨウミツバチはその点は多少は鈍感かもね.人間のそばで生きていくということは,実際そういうことなんだから.
ただ,農薬被害は現実に起きている.だってミツバチがいるところに農薬撒かれたり,撒いたところに行っちゃえば農薬浴びることになる.農薬被害の蜂群では,貯蔵花粉中に高濃度で農薬が見つかることもあるから,花粉と一緒に農薬を持って来ちゃうこともあるってことだ.その程度に,花に行くのが必死で,多少の農薬なんか気にしてられない.誰かはミツバチをカナリアに例えるけれど,それはまったくもって根拠のない話だよ.敏感じゃないし,どうせ繊細でもないっていいたいんだろうけれど,なりふり構っていられない程度には花に困っているんだ.


次は,ミツバチは「農薬を浴びたら巣に戻らない」そうだ.この春,学会発表があったけれど,致死量以下では対照区との差が出なかった(参加した方の話を総合すると,実験自体が破綻していた感じはするけれど).これももし本当なら,そのこと自体は,自らを犠牲にして巣の仲間を救うことになるわけで,もし農薬がそのように効果を持つのであれば,あるいはミツバチが自分の身の上の異変を自死という形で群れの存続を優先するように動くなら,結果的にはよいことと評価できちゃう.
minilogo.pngネオニコチノイドは神経に影響するから方向感覚を狂わせるといういい方もされるけれど,以前から有機リン剤や合成ピレスロイドでも,方向感覚が狂うという報告はあったよ.人間だって,酔っ払ってまっすぐ歩けないことはあるでしょう.中毒状態ならなおさらだよ.ミツバチは,病気や何らかの不調になると,基本的には巣を離れることが多い.もし巣の中で動けなくなれば,死体捨て専門の働き蜂(アンダーテーカーという)が捨ててくれる.アンダーテーカーは,人間ではペストの時の死体処理人のように,死体処理だけを専門にやる特殊な存在.病気や毒物がアンダーテーカーを蝕むまでに,巣の衛生状態はかなり復元されるってわけ.ミツバチは,みんなが全体のために働いているから,結果的に自死になること自体は厭わない.もちろん,生産性の高い仕事を優先したい気持ちはあるけれどね.

「他の農業で使用している農薬だらけの田舎」は田舎の人が聞いたら怒るんじゃないかな.実際,こんなことを平気で口にできる感性が知れない.自分たちの食料がどこでどのように生産されるか知らないってことだろう.自分は無農薬の作物しか食べないので,農薬使っている田舎は軽蔑していますという意思表明とでもいうのかな.物理的に農村部は農薬の使用量は多いから,農薬だらけという表現はあながち間違っていないかも知れないけれど,現行法の規制の厳しさや,訳もわからず無農薬崇拝をする一部の消費者に対応するため農家がどれだけ苦労しているか,そういう部分を知らなさすぎると思うと,腹立たしい.
minilogo.pngただの田舎への偏見だと思う.でも,そう言わないと都市の人間は環境的に誇れるものがないからでしょう.人間のその次元の言い争いのレベルの低さにはうんざりする.その程度のことで戦争までして,森を焼き尽くして.始まりは本当にどうってことのない人間の欲同士のせめぎ合いだったりするからね.他の生き物からはやっぱり迷惑な生き物だよ.

最後の「都会のビル」は田舎の対比で出たんだろうけれど,これはまたよくわからない.都会にもミツバチを飼うにふさわしい場所はあるかも知れないが,ビルだけなのかな.このあたりは逆に田舎の人間の都会への偏見が織り込まれている感じがする.田舎にはない「ビル」でなければ,みたいな.
minilogo.png確かに,この文言は,田舎を軽蔑している中途半端に田舎の人(東京じゃ都市に住んでいる人の多くがそうなのかも知れないけれど)の発言のようにもとれるね.本当の都会人はビルをありがたがったりはしないでしょう? ビルが好きならそれはそれでいいけれど,だからそこでミツバチを飼おうとは思わないんじゃないの? 田舎は嫌いでこき下ろしたい.都市では,でも,これといっていいものを見つけられないので,田舎にはないビルを示して,これでどうだみたいな.ほんっとに下らないねえ.人間がある意味で生物多様性のキーストーン種なんでしょう,実質的には(だから会議まで開いてる).そりゃみんながいうようにいつか滅びるよ.アインシュタインの予言を裏切って,ミツバチは人類滅亡後まで生き抜いてやるけどね.

いやいや,そのアインシュタインは出所不明だし.でも,当然,反対意見もある.都市は,例えば排気ガスは田舎と較べてすごいだろう.そうしたものがハチミツ中に含まれている可能性もある.北欧では,大気汚染物質を調べるのにはハチミツが向いているという研究者もいる.安全を損なうほどではないから,食品としての問題としないなら,残留レベルとして問題のない範囲で入る可能性のある農薬にも同じ態度でいればいい.というか,実際に田舎に行って,やっぱり空気がおいしいと思うことは多い.そういう自分の感性を信じないで,だれかのそれっぽい言葉を信じる気持ちがわからない.
minilogo.pngネオニコチノイド系の残留基準が日本は緩すぎるということで議会で質問した議員さんもいるみたいだね.ミツバチ的には,そういう意見でもまかり通って,農薬が減ればありがたいけれど,やっぱり科学性がないと,今度はどんなしっぺ返しが来るかわからないから,だめかもなあ.科学には科学で対抗できるけど,科学ではないものには科学では対抗しにくそうだよ.こういう考え方がみんなに受け入れられていく現状について,現職の理系の大学教員としてはどうよ?

おっと,そう向けてきたか.確かに困ったものだと思う.星占いを遊びとしてではなく信じちゃうとか,以前取り上げた「水からの伝言」とか,それっぽいけど,明らかに科学ではないものが,こうまで人の心をとらちゃうのは,逆に科学への関心をうまく高められていないということだろう.その点では反省しなきゃ.ただ,身近にミツバチのような生き物がいて,見るべきものが見えてくれば,研究者でなくても,ものをきちんと捉える目は養えそうだよ.ちゃんと人間以外の生き物がいることを理解してもらいたいし,メディアの偏った報道や,興味本位で作られる番組に影響されすぎないで欲しい.その点で自分たちの努力もまだまだ不足している感じはする.
minilogo.pngそのためには協力できる立場にいるのかな,ミツバチも.ミツバチネタでニセ科学がはびこるのはやはりミツバチとしても沽券にかかわる問題だから.ミツバチはいつでも情報公開するよ.知りたいことは何でも聞いて.ちゃんと聞いてくれればちゃんと答えてあげるから.


posted by みつばち at 19:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ミツバチの大量死の原因は複合的=国際獣疫事務局発表

国際獣疫事務局(OIE)が28日に,蜂群崩壊症候群の原因は複合的であるとの見解を発表しました.翌日のAFPの報道記事には,OIEの公開内容に若干の情報が付加されています.特に「もうひとつ、生垣や野生の草花がない大規模農場や市街地の拡大によりハチが栄養不足になっている疑いもある。」という部分は,定量的な評価が難しいので,見逃されがちですが,近年では複数の研究者がこの影響を強調しています.

総合的に見れば,やはり栄養不足や農薬被害などで体力が失われているミツバチに,これまでは問題とならなかったウイルスなどが有害化して影響するというのが,蜂群崩壊症候群をはじめとするミツバチの損失につながっている,ということが,ようやく共通認識になってきたということでしょう.なお,蜂群崩壊症候群の用語の,日本での事例への適用をOIEは事実上認めていますが,まだ慎重ではありたいです.世界的にも単純に蜂群損失Colony Lossという表現を使っています.

みつばち百花では,「ミツバチが減っているのはなぜ?」で,仮説段階のものも含め,こうした点を強調し,根源的には花が減っていることが大きいと訴えてきています.ミツバチにかかわる多段階の人々がいる中で,すべての人が同じ役割を負うわけではありませんから,みつばち百花としては,花が少ないことで引き起こされる諸般の問題に,花を育てる活動など,一般向けを含む多彩な活動を通じて応えようとしています.

さて,今回の発表を当のミツバチはどう考えているのか,辛口ミツバチに聞いてみました.


ようやく,大きな国際組織がミツバチの大量死の原因が複合的であると発表した.複合的ということで,対処に関しては,OIEとしては防疫と研究の強化を呼びかけているにとどまっている感じだけれど.
minilogo.png家畜化されているミツバチ自体が地球上のあらゆるところにいて,地域間で移動がある以上,防疫の必要性は高いとは思う.4月に宮崎県で発生した口蹄疫では牛豚合わせてすでに30000頭以上が殺処分対象にされている.そういう目には合いたくないな.

この口蹄疫,10年前(宮崎と北海道で計700頭余りの殺処分)に較べて被害が拡大したのは人災だという意見も多いようだね(前回は初動態勢がよかったともいわれている).今回のミツバチに関するOIEの発表にも「『無責任』な農薬の使用」という表現があって,これが,ミツバチの問題もある部分は人災的であるという雰囲気をにおわせている.
minilogo.png農薬がミツバチに影響があるのは事実.だって,そういうものとして作られているんだから.人には効かない代わりに昆虫に特異的に効くようにしたんだから.ただ,ミツバチは基本的には花を利用するので,花期に農薬を散布する必要のある作物以外では,農薬との接点は原則ないはず.ミツバチに頼る作物なら,普通は花の時期には農薬散布はしないでしょう.だから,それにもかかわらず被害が出るというのは,その誰かの「無責任」が理由で,だから人災なんだ? 誰,そいつ? 許せない.

「農薬=悪」の図式は一般にも受け入れやすいものだから,少数の,必ずしも吟味されていない証拠(と呼べるなら)で,充分に議論が尽くされているという空気ができてしまう.凄惨なほど,被害報告は,ある意味自殖するしね.それもある意味人災的だ.ただ「人災」というのはやや誤解を招きやすい言葉かな.特定の誰かが原因ということではないと思う.農薬に限って考えても,農薬を使う場面での,いろいろな仕組みが,ミツバチを守る方向で機能していないということだろう.
minilogo.pngだから,結局,ミツバチなんか守る気がないっていうんでしょう.そいつが誰かってことだよ.どうせ農薬浴びて死ぬなら,一発お見舞いしてやる.

まあまあ,いくら寿命が短いからって死に急ぐことはないよ.農業の現場においてミツバチに関係する人的資源は多段階にある.それぞれ,つまりミツバチを飼う立場からはどうすればミツバチを守れるのか,ミツバチの訪花を望む農家,作物の保護のために農薬を撒く農家,その農薬を作るメーカー,販売する企業,そうした仕組みを監督する,あるいは現場で運用する立場で,いったい何ができるかをちゃんと考える必要があって,それに基づいて行動を起こす.それが責任を負うということだろう.一般の市民だって,一端の「責任」は負うことができる.例えば,有機栽培を推進している団体で,「いたずらに農薬反対を訴えるよりも,農薬をできるだけ使わないで育てた野菜の普及が先」といった理念を示していることもある.どの立場で何をするのがよいのか,訴える先がどこなのかは,それぞれが決めればよいことだと思う.
minilogo.png一般の人向けということなら,ここ最近,ミツバチはいろいろな意味でニュースになった.最初は悪いニュースばっかりで嫌になったけどね.最近は,暗い話題ではなくても,何だか間違っているニュースが多くて,一般の人がきちんとミツバチやそれを取り巻く問題を理解できるとは思えないよ.新聞社の人,勉強して下さい!

消費者がちゃんとした理解を得られるような情報の開示は,これまたあらゆる段階で必要だろうけれど,その点は,日本ではあらゆる段階が,そのことに関しては不得意というか,どちらかというと,先に出すと不利益が大きいからと隠したがる感じは否めないな.もちろん,ブログやネットの情報の氾濫に加えて,新聞などマスメディアから内容に関してのプロ意識が欠除しがちで,情報の信頼度は全体的に低下しているのに,一般の人はそのことにあまり気がつかずに,都合のよいところだけを囓りたがる.
minilogo.png一般だけではないのでは? 今回の発表でも,花のことはAFPがどこからか加えた情報で,OIEはそのことはまったくふれていない.科学的な態度というものはこの程度なの?

自分の担当分野をきちんと全うするという考え方においては,OIEが防疫や研究の強化だけを訴えているのは正しい態度だろう.ただ,可能性の範囲として,論文も出ていることもあるし,もう少々広範な複合原因説を示してもよかったんじゃないかな.アメリカのCCD専門委員の論文でも,栄養改善と衛生改善が最大の予防策と言い切ってたから,栄養不足はある程度,研究者の間での理解のための共通材料になっていたとは思うけれどね.
minilogo.pngその論文はとても気になった.動物飼育では,栄養と衛生は最大の要でしょう? もともとミツバチという生物自身が,その二点に関しては独自に発達させた仕組みを持っているから,こんなに長くやってこれた.人間に飼われるようになってから発生しているんだよ,多くの問題が.その点もわかっていて,人間が責任ある態度で臨んで欲しい.

それはもちろん,その通りだろう.動物を飼育するという立場は,確かに動物に対して責任を負うということだ.ただ,技術的には確立されていたものが,徐々に現状に合わなくなるということはあり得る.状況の方の変化が大きいからね.環境の変化,温暖化もそうかも知れないが,やはり植生の変化はミツバチには栄養面での影響が大きいだろうし,土地の利用性の変化で以前とは異なる状況が到来してしまう.農薬被害の大きい,東北・北海道は,今や日本の米所だけれど,昔,社会科では冷害もあって稲作には不向きと習ったよ(古すぎるか?).当然,農家はいろいろな状況に応じて作物を転換するし,それによって地域の経済も変動するから,土地利用の全体像は大きく変わる.ミツバチを飼うことで成り立つ養蜂産業にとって,この変化にきちんとついていけているかどうかが,実はけっこう重要なポイントなんだろうと思う.その理解がなければ,やはりミツバチを飼うという点での責任は負い切れていないといわれても仕方ないだろう.
minilogo.pngミツバチは花があれば何とかそれを利用して,自分たちのあるべき姿を模索する(飼われていれば,その先には養蜂家が望む「生産」っていう部分がついてくるわけだけど).でも,普段は見向きもしない花を利用しなければならない状況や,農薬が散布された花に行かなければならない状況が強いられることで,私たちはかなり苦しめられている.そのことにはなかなか気がついてもらえない.予防原則で農薬反対を訴えるなら,目の前の農薬被害をちゃんと予防してよ.

農薬被害も,花が少なくなっていることのひとつの表出形だとは思っているけれど,具体的に花が少なくなっているという報告や,それと農薬害との関係を示唆する研究報告も見かけない.農薬のスタイル(散布形態や剤形)の変化によっても,散布された花の危険度が変わってきているのは間違いないだろう.でも,この部分は被害のメカニズムの科学的解析が公表されていないので,いろいろな報告から推論するしかないが.
minilogo.png人間は科学的にとか客観的にとかいう言葉をよく使うけれど,情報に関してはお互い出し惜しみで,総合的に考えるのは下手だよね.自分の情報だけが正しいと思っている(正しければ客観的だと思うみたいだし,それ順序,逆でしょう?).そして,他者の情報には懐疑的か否定的.あれでどうやって適正に総合的判断をするのかな? そもそも生き物には,科学以前に生きているという事実がある.存在こそがすべてだから,存在するものはすべて総合的に判断材料にするよ.人間にはどうしてそれができないのかな?

人間は,ミツバチの働き蜂の分業のように,ひとりひとりが,他のことは他人に任せきって,自分の仕事に埋没することもできないし,群れという存在として,全体の方向性をひとつと信じ続けるのも不得意なんだろうね.波と同じで,盛り上がればすぐに下がっていく....でも,いくつかの流れを作ることはできるし,それぞれが客観的で科学性を確保できれば,その集合体としては,きちんとした成果も出せているとは思うよ.みつばち百花もその点では,ミツバチのことをきちんと考えている.
minilogo.pngそれは信じてもいい.ただ,ミツバチのことを考えてくれるのは嬉しいけれど,ミツバチのことだけを考えているというのはかえって怪しい.ミツバチと一緒にいて幸せな自分をちゃんとイメージできているかなあ? 守りたいものが「自分」でなければ,それは生き物として嘘だよ.

さて,結局,今回の発表はどういうインパクトがあるだろう.人間の側では,監督する国際機関がお墨付きを出したことや,今後の研究に関して言及したことで,研究の方向性にはある程度影響が出そうかなというところだけれど.
minilogo.pngどうかなあ.何かが変わるとは思いにくいな.監督しているからこそ何かを表明しなければ,みたいな雰囲気もあるし.防疫だって,現場ではそれなりにやっているんだし,研究だって,そうでなくても進められるのでは? 口蹄疫の陰であまり報道されていないみたい(口蹄疫自体があまり報道されてないように思うけど,大丈夫なの?)だから,何ともいえないけれど,ミツバチを取り巻く状況が厳しい中で,でもミツバチには頼っているってことを,もっと一般の消費者にも知って欲しいし,知ったら知ったで,何かアクションを起こして欲しいな.そういう人間とは共存できるような気がするし,そういう人のためなら,多少のことは我慢して,畑の花にも通ってあげるよ.






posted by みつばち at 12:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月04日

都会の花とミツバチ

ちょっと都内(中央区/江東区)を歩いてみました.実験用に中央区に置いてあるミツバチが,どの花に行くのか,追いかけてみたという感じです.ミツバチを置いてある場所は隅田川河畔.半径500mの好適採餌圏の1/3は河川という条件下ですが,都市部は緑地・公園も多く,少なくともこの時期はよいのでは? 

隅田川の土手にはクローバーが咲き始めていました.蜜も花粉も供給できる花で,ミツバチも大好きです.花粉団子の色が鈍い褐色できれいではないけれど.
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門前仲町の牡丹町ではボタンが花盛り.
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それほど広くはない牡丹園の,道路で分断された北側にだけ,全部で40株程度ある側に足繁く通っていました.花が大きく,花粉が多い.おしべに触っては空中でホバリングして,これを数回繰り返すと隣の花へ,5花ほどで旋回しながら上空へ,そして巣の方角へまっしぐら.


隅田川の高層マンションの生け垣にはカナメモチ.花蜜目当て(花粉は少ない).
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区立桜川公園のヒメウツギ.クマバチが盛んに来ていましたが,ミツバチも負けじと.
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隣接する屋上公園ではハナミズキに訪花中.ちょっと高くて採餌行動は見えなかったけれど,花粉かな(花粉は多いようです).
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こちらも桜川屋上公園の花も終わりかけのローズマリー.花蜜が濃そうだなあ.でも量は少ないのか,やたら忙しそう(落ち着きなし).
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ホバリングするような花は花粉源(花の上空で止まっている写真を撮りやすい).花蜜を出す花は,構造によってはミツバチがじっくり蜜を吸うけれど,蜜が濃いものは量も少ないようで,忙しく花から花へ渡っていきます.



思ったよりも花をちゃんと見つけているようだけど,こうした状況をどう思うのか,辛口ミツバチに聞いてみました.
こんな場所に置かれても,ちゃんと花を見つけてくるんだ,なんだか健気だね.

minilogo.png健気って,ねえ.どちらかというと必死なんだよ.花粉源も蜜源もやっぱり少ない.国分寺に置いてもらったミツバチは,隅田川のミツバチの倍の花粉を集めてたそうだし.条件がよいわけではないんだよ.

都心だと,花自体がスポット的だし,人間の手の届くところに多いから,やはり目につきやすい.だから,その分,ミツバチの姿に気がつきやすいだけかも知れないな.
minilogo.pngたぶん,そう.だから,ミツバチが訪花している場面があっても,それだけで環境の指標にはならない.人間の手の届かないところにたくさん花があれば,逆に国分寺の方が,うまく花粉源や蜜源植物を探しきれないと思う.都会じゃ,見つけられる植物すべてにミツバチが来ているような錯覚につながっているんじゃないの.

確かにそういう錯覚というか,誤認はしそうだった.何となくどの植物もよく利用されている感じがするけれど,そのこと自体もちょっと不思議.ローズマリーもほんのひとかたまりで,花も終わりかけているのにあんなに来ていたし.ハナミズキは嫌いなんじゃないかと思っていたけれど,ちゃんと来てたね.
minilogo.pngだから,選り好みできない事情もある.訪花する植物種が多いというのが環境がよいという指標にならないのはその理由.良いか悪いか,その評価は重要.花蜜の場合は,糖度でその場で判断できるけれど,花粉の場合は,それでどれだけミルクが生産できて,卵や幼虫の数がどれだけ増えるかが重要だけど,どうしても集めているときは栄養的な評価は難しいから,集められそうなものなら何でも行く.

人間の方で,ミツバチがどんな植物に行くかではなく,どんな植物が好きかがわかっていなければ,ってことだね
minilogo.pngだから,都会じゃ,人間が何を植えてくれたかが,直接ミツバチの食糧問題に直結してる.気持ちが通じていれば,ミツバチが利用できるものも植えてくれるのかな? どうすれば通じるんだろう?

ところで,距離的にも近場が多かった印象だった.たった2kmしか離れていないのに,木場公園(都市緑化植物園)ではミツバチは見かけなかったね.いろいろなハナバチは来ていたのに.
minilogo.png生活圏の小さいハナバチは,木場公園のように花が多い公園でやっていける.もちろん,だんだん遺伝的多様度が低下していくのが問題かも知れないけれど.ミツバチだって近くに巣があれば行くと思うけれど.

今回を巣を置いた場所からは,高速の高架道が邪魔で,木場公園までは到達できないってことだったのかな.もっと近い清澄公園でも姿を見かけなかったけれど,これも同じ理由?
minilogo.png自然の中でも,越えられない丘や谷はあるから,基本的には同じこと.そのことが適度な棲み分けの条件にもなるから,気にはならないけれど....木場公園にそんなに花があるとは知らなかった.頑張れば行けるようになるかな?

川幅200〜300mもある隅田川は難なく越えていたね.
minilogo.png風が強かったりすると恐怖だけど,花があると思えば,飛ぶのがミツバチ.川を越えて,ボタンの花を見つけたときは嬉しかったな.
あのボタンで花粉を集めている姿にはこちらも感動した.カメラを持った多くの人間は,まるでミツバチには気がついていないようだったけれど.
minilogo.pngわざわざミツバチが退くのを待ってシャッターを切っている人もいた.喜んで花粉集めている姿も撮って欲しかったな.きれいなボタンにはミツバチは邪魔な存在なの? 「花にミツバチ」って,絵にならないわけ?




posted by みつばち at 12:01| Comment(4) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

野菜花々祭 花咲く編 その5 ねぎ

最後に咲いたのは、これ。
ネギでした。
Mitta Mittaさん、正解でした。3つ当たってました。全問正解の方は、いませんでした。ざんねん

事務局長が「訪花するの見た」と言っているので、蜜源。

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訪花確認写真です!
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ラベル:野菜の花 蜜源

2010年05月02日

ツィッターでミツバチの好きな花情報をアップしています

お天気のよい日が続きますね。
ミツバチも、元気に花を求めて飛び回っているはず。
どんな花を訪れているのでしょう。

先日、千葉市にある花の美術館に行ってきました。
ここに行けば、ミツバチが訪れている花をたくさん確認できるかと思ったので。

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ところが!まったくミツバチはいませんでした。
ラベンダーなど、ミツバチが好きそうな花が満開だったのに。
残念!
海岸に隣接していて風が強いから?
花があるのはここだけで、周囲はオフィスビルやマンション群。生息する場所がないのかも。
みつばち百花のメンバーにとっては、華やかに花が咲いているのにとってもさみしい光景でした。
でも、メンバーで植物に詳しいMさんにいろいろ教えてもらいながら、楽しい1日を過ごしてきました。

さて、ツィッターを始めました!
38100hanaです。
毎日、ミツバチの好きな花(蜜源・花粉源植物)や訪花が確認された花などの情報をアップしていきます。ヒメイワダレソウの観察日記も!
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ラベル:庭園めぐり
posted by みつばち at 09:35| Comment(0) | TrackBack(0) | そのほかのお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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