2010年04月29日

期待のヒメさま、すくすくとご成育中です

当団体の顧問の佐々木正己先生によると、イワダレソウは蜜源植物としてものすごく有望なのだとか。昨年、秋にそんな話を先生から聞いて以来、私たちには大注目だったイワダレソウ。そこでヒメイワダレソウを岩手県紫波町の畦に植えてみることにしました。

紫波町は岩手県内でも有数のコメどころ。なので田んぼの畦だらけ。中にはすごく広くて急勾配の畦もあり、草刈りで転落して死亡事故も起きているとか。この草は雑草を抑えるともいわれているので、そういう意味でも有用植物かもしれない。カメムシのやつが、この花の蜜を求めてぶんぶん飛び回るミツバチに恐れをなして、近づかないなんてことになればいいのだけれど。まあ、世の中、そんないいことだらけにはならないもの。ものすごい繁殖力だそうで、なにもかも駆逐してしまったりする、なんてこともあるかも。でも、とにかくやってみないとわからないですから。

というわけで紫波町に先日、ヒメイワダレソウを入手して送りました。さてさて、どうなることやら。
我が家のベランダにも同時に植えてみて、経過を見ています。
最初は、お天気が悪く、寒かったので縮こまっていたけれど、今日あたり、ヒメさまのご機嫌はすこぶるいいようで、こんな感じにピンと背筋を伸ばして太陽の光をたっぷり浴びています。
毎日、ヒメさまの様子を観察するのが楽しい日課です。

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2010年04月28日

検証植物 キワモノ!? キワーノ

皆さんこんにちは、メリッサです。
花屋に生息しています。今日、お客さんがレジに持ってきたモノ。
きわーの!? キワーノ? 何だ!?
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キョ〜レツに語りかけてくるポップ。
お客さんも「初めて見たのよ。珍しいわね。がんばって育ててみるわ」って。


昨日、入ってきたんだな、キワーノ。
メチャうまそ〜揺れるハート
ライム+バナナ×ゼリー=味
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ポップ右下には「デパートの地下で、1000円以上する高級フルーツを家庭菜園で収穫する楽しみ、あなたもいかがですか」って書いてある。

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ウリ科。ってことは蜜源!?
極めつけはコレ!!
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『人工受粉すると、実つき◎』って。
自家受粉しにくい!?虫媒花!?

うちのゴーヤもミツバチやらマルハナやら、ホウジャクやら群がっていた。
真夏に咲く花。

「キワーノ植えればミツバチ喜ぶ、みんなで植えよう蜜源キワーノ」
をこの夏、検証しようと思うんだ。

メリッサもゴーヤのとこに、こっそり植えてみよう。
とうちゃんが「何だこのゴーヤ」って、ビックリしそうだ。
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ラベル:検証中

2010年04月27日

みつばち百花プロジェクト@岩手県紫波町、開始!蜂神社もあります

ようやく春らしい陽気になりつつあります。
10年以上前から循環型まちづくりに取り組んでいる岩手県紫波町でみつばち百花プロジェクトが始まりました。
紫波町は果樹の生産高は県内一位、もち米の生産高は全国でも有数という県内随一の農業エリアです。
家庭系、事業系の生ゴミはすでにすべて堆肥化し、町内の農地に戻し循環を実現しています。また、町内の森林の資源を使い、小学校などの公共施設を立てることで森林資源循環を実現させつつ、木造建築の技術伝承を図るといったことも行っています。

今年度からは、循環型エコプロジェクト推進事業のイメージキャラクターとしてなんとミツバチを採用!デザインは県立紫波総合高等学校美術部の生徒さんです。町の特産品であるリンゴ、ラフランス、ぶどうのミツバチ(?)です。環境の課題についても熱心に取り組んでいる紫波町!さすがです。ミツバチは花粉を媒介することで多くの植物の再生産を手助けしている循環型の生き物ですから。

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紫波町でのみつばち百花プロジェクトは、まずはこの葉タバコ栽培の跡地にひまわりを植えてみます。ひまわりは食用を植え、加工品などに使用し、葉や茎は大地に戻します。その後にレンゲを植え、春に花を咲かせてから、緑肥として使い、地力のアップを図ります。

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一面の田んぼ。県内随一の米どころならではの風景です。

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手前はコスモス畑。

同時に畦にはヒメイワダレソウを植えてみます。
蜜源植物として有力なだけでなく、雑草を押さえる力があるということです。畦の雑草はカメムシの温床にもなります。高齢化が進む中、除草の手間が省けるとしたら、一挙両得!ミツバチも喜ぶ!りんごなどの受粉に活躍してくれるかもしれません。

農業が基幹産業である町で、ミツバチのための活動が、そしてそれに伴うミツバチの活躍が農業にどんな影響を与えてくれるのか。いろいろ結果が楽しみです。
すでに紫波町では、秋にはコスモス畑にたくさんの人が訪れています。ひまわり、レンゲと花いっぱいの町になるといいですね。

そうそう、紫波町には全国でもめずらしい蜂神社があるんですよ。
これに関しては次回に。



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2010年04月23日

国分寺に巣箱を設置!

我らのモデルフィールド国分寺に
セイヨウミツバチの巣箱を設置しました!
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今年も去年の夏と同様に
ミツバチ生産物である花粉団子,ハチミツから
国分寺の環境を
ミツバチに教えてもらおう
と思います!

名古屋の養蜂家の方から送ってもらったハチたち
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黄色くて美人です
ハニーウォークで見分けやすいかな??


設置場所周辺を歩いてみると
目移りするほどにいろんな種類の花が咲いていました.
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一体どんな花の花粉を集めてきてくれるでしょうか?



楽しみです!
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2010年04月21日

花は咲いているんだけど…

三鷹の二坪畑です。

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最近は手抜きです。手前はにんにく。今年はあまりできがよくないです。カリフラワーは終わり、ブロッコリーは先日の強風で吹き飛ばされてしまい、ミツバチのための花は咲きませんでした。残念です。
ルッコラが先週まで満開だったけれど、天気がイマイチのうちに終わってしまったようで今週はちょっと元気がないです。

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もう終わりかな。
足元ではイチゴ!見事なイチゴの形ができています。

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ということはミツバチが…としばらく見ていたら、ものすごい高速で飛び回っていました。とても撮影できるような速さではないです。よっく見ていると、足に白っぽい花粉団子が見える。ルッコラのものかしら?

近くにこんな寄植えがあって、この周囲もすごく飛び回っているけれど、ぜんぜん花に着地はしない。

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デージーも、パンジーもおよびでないみたい。
「花、花、花!花を探さなくっちゃ!でも、違う、違う、これも、あれも、花蜜も花粉もない!どーしよう!」という感じの飛び方。ってわかります?

ミツバチの目線でおいしそうな花蜜と花粉がありそうなところは…と駅に向かう途中に探してみましたが、桜が終わった今、街中にはほとんどないかも。街路樹はミズキが芽吹いているけれど、これも関係ないしね。ふと緑の沙漠、という言葉がアタマをよぎりました。
ミツバチたち、この時期、街中でどんな花にめぐりあっているのかしら?

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これはビービーツリーの幼木です。
芽吹いてきました。もう少し大きくなったら、どこかに移してあげるつもりです。



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2010年04月20日

人口密集地でミツバチを飼うことの是非

九州地方の某市市役所の環境関係の部処から,人口密集地(住宅街)でミツバチを飼っている家があり,そのお隣から蜂が騒いでいるとの通報がありましたとの問い合わせ.時期柄,分蜂だったようですが,実はこのお隣,以前に住んでいた方は,ミツバチに刺されて転居されたのだとか.ミツバチが隣に行かないような工夫はありませんかとは,市の担当者.でも,問題はそれで解決するのかな? 辛口ミツバチに聞いてみました.

minilogo.png住宅街だったら,隣がダメなら,反対側の隣に行くし,そっちがダメなら裏にも行けるよ.5メートル程度の壁でも建てたら,とりあえずそっちには行きたくない.

いや,問題はそういうことではないだろうね.周囲の方は飼っていること知っていたのかな.
minilogo.png刺された方が転居するというのは何だか大ごとだね.申し訳ない感じはするけれど,刺したミツバチも死んでいるんで許して欲しい.ミツバチは飼われた場所から花を探しに行くし,戻ってきて力尽きてたら,明かりがついている,お隣の家にも入り込んじゃうことはあると思う.秘密に大切に飼ってもらっていたかどうかはわからないけれど,みんなが知っていて飼われている方が,ミツバチとしては堂々としていられるけれどね.

カナダのバンクーバーでは趣味養蜂に関する条例が出ていて,飼ってもよい場所や理由,飼育の規模などが決められている.住宅事情も異なるから単純には比較できないけれど,許可されるのは,1〜2世代住宅地帯,農地,公共の庭園がある場所,教育目的で飼育する場合となっている.約900平方メートル以下なら2群まで,それより広い場合も4群までと飼育群数の上限設定もある.設置場所も裏庭で,通りに面した場所には置けない.巣箱の設置は日本ではちょっと実現不可能な基準があって,設置の高さは,ミツバチの飛行経路の高さを確保するために約2.5メートル以上,隣家の境界には高さ1.8メートルの塀か生け垣を設置し,巣門は隣家方向に向けず,さらに隣家との境界から8メートルほど離して置くこととなっている.ここまで来ると普通の日本の住宅事情では飼育はかなわないことになっちゃうな.
minilogo.pngそんな高いところにミツバチを置いて,飼う人の安全は確保されているのかな?

1970年代に全面禁止となったのを,解禁することにしたのは,ヨーロッパや北米の都市では養蜂が容認されていることというのが大きいのかな.こうしたガイドラインを作って,ミツバチと住民との不測の接触を最小限にとどめて,趣味養蜂を安全な都市活動と位置づけ,なおかつ都市における生物多様性に,花粉交配を通じて貢献させようという狙いがあるんだと.
minilogo.pngそこに花があるなら,都市でも農地でもどこでも行くけどね.生物多様性に貢献かあ,こんなに小さなミツバチばっかり頼りにされてもねえ.人間の影響力の方がはるかに大きいと思うよ,現状では,貢献よりは,たぶんマイナスの影響だけど.

この条例の「ミツバチについての追加情報」に「ミツバチはベジタリアン」って書いてあって,そうなんだけど,そう言われると,あえてそうはいわないのではと思うけれど....
minilogo.png「ベジタリアン」というのは,能力的には動物食もできるのに,訳あって植物食を選択する人でしょう.ミツバチは,「訳」があるのかなあ.昆虫の世界じゃどちらかというと広食性の部類だと思うよ.花粉はかなり多種類食べるから.それに実はミルク食いだから,本当の意味での「ベジタリアン」ではないね.

ちょっと脱線した.本題に戻そう.今回の問い合わせのようなものは,それなりに多いけれど,何と答えようか? 何か提案できるかな?
minilogo.png壁を建てたり,忌避剤を使って,お隣に行かないようにしても,問題は別の側で発生し続けると思う.そこにミツバチがいる限りはね.行政がそういう指導をしても,効果がなかったり,結果として新たな被害が発生したら,それはミツバチのせいではなくて,提案した側の責任として負わされるのでは?
確かに.行政がどう関与するかは難しいところだと思う.以前,ミツバチの糞害などでも,周辺の苦情を打診して,飼育状況の改善を要求するという程度だった.ここであまり具体的なものを出すと,そのことでの責任がついてくるから,一般論に終始しちゃう.当時は養蜂家からのアドバイスなどは機能してたけれど.

minilogo.png人口密集地でも,古い町だと,庭木がそれなりにあって,ニホンミツバチさんなんかは,自己調節的に,適当な密度を保って暮らしている.そういう場所は環境が悪いというわけではないんだ(人間にいたずらされたり,駆除されたりはするけどね).でも,セイヨウミツバチの場合は,やっぱり飼うということになるから,人間の置いたとおりの分布になって,それが適正かどうかは評価できていないと思う.多すぎるミツバチは,やはり周囲にとっては迷惑な存在かも知れない.いたずらに怖がっては欲しくない(私たちも一応女の子なんだから面と向かって怖がられるのは抵抗あるなあ)けれど,接点が増えれば刺害の確率も高くなるからね.

その点で,やはり周辺の方々が,そこでミツバチが飼われていることを知っていたかどうかは問題になるかな.バンクーバーの条例にもあるように,こうしたミツバチを教材化して,子供たちと共有できれば,そこにミツバチを置くことにも一定の意味は持たせられるだろうね.休日ごとに近所の子供を集めてのミツバチ観察会や採蜜体験もできるし,そのことで子供たちが自分の住んでいる町の花や環境に,そして町そのものにも興味を持ってくれるなら効果があるといえそうだけれど.
minilogo.pngミツバチとしては周りの人が,そこにミツバチがいることを理解してくれて,子供たちがミツバチのことを学んでくれるのは嬉しい.ミツバチがどんな生き物かわかれば,一緒にいるのを苦痛だと思う人は少なくなるだろうから.

状況によるだろうから全面的な容認は難しいだろうけれど,人間が飼うことができて,周辺の花を資源として利用している生き物を通じて,周辺の自然環境(人工的な環境の中の自然ではあるけれど)を知ることもできる.生物多様性の理解にもつながる.無制限に増えることは歓迎できないけれど,目的の明確なケースは認められてもよいだろうね.
minilogo.pngただ,そのためには,誰でもOKってことではダメかも.ある程度ミツバチを理解している人じゃないと.あとは周囲の人との関係を健全に保っている人っていうのは大切な要件だと思う.地域の教材として,学内にミツバチを置くことが難しいという場面でも,だれかのミツバチを利用してもらえればいいかもね.

飼うのが下手だったり,周辺の理解を得るのが下手だったりすると,結果として,ミツバチのイメージが損なわれてしまう.これはすべてのミツバチだけではなく,適正にミツバチを飼っている多くの人にとっても不幸なことだね.そんな場所で,そんな人に飼われるミツバチは不幸だし,飼っている生き物を不幸にするのでは,飼う資格もないといわれそうだ.
minilogo.pngあたりまえ.人間なんだから大きな頭でちゃんと想像しようよ.ミツバチは誰かの家の庭だけでは生活できない.ミツバチが飛んでいく範囲に,実はたくさんの人が住んでいる.そのくらいは普通にわかることだよ.ミツバチからすれば,ミツバチと仲良くしたがる前に,人間同士がちゃんと関係を築いていて欲しい.ミツバチが社会性昆虫というのは知っていると思う.でもって,人間も社会性を持った生き物なんでしょう? それを発揮させて,ちゃんと周囲と折り合いを付けてから,ミツバチに向き合って欲しいな.



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2010年04月19日

ラッシュじゃない通勤 今そこにあるもの

花屋に通う、毎日通る県道沿い。
いつのころかピンクの花が。
「ホトケノザか、カラスのエンドウだろうな」って、思ってた。
まさか。あれじゃないよな。

気になってしょうがない。
今朝、ふと見ると。葉のつき方がどちらとも違う。
なので、減速してみる。

これはもしや!? いや、間違いない。
レンゲだ〜!!

田圃2枚くらいに広がるレンゲ畑。
花屋から、車で5分くらいなので、昼休みに脱走。

桜も終わってしまったこの頃。
ミツバチにとってのオアシスが。
だから、花屋にいないんだな。
花屋にいないってことは、どこかにハニーフィールドがあるんだな。

それにしても、会社の昼下がりにレンゲ畑にいる社会人って、メリッサくらいか!?

帰りに寄ったら、もういない。


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道路側から見た景色。
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いたいた。羽音が聞こえる。

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道路わきにあるレンゲ畑。メリッサも毎日通る。

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ラベル:レンゲ 蜜源

野菜花々祭 花咲く編 その4

クイズの5番目。咲きました。そら豆です。
花一房につき、一莢できます。

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日に日に大きくなる。今は50〜60センチくらい。
実が付くころには1メートルくらいになる。

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訪花未確認。
Mitta Mittaさん、まだ一問あります。

2010年04月18日

野菜花々祭 花咲く編 その3

こんな写真が届きました。

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さて、何の花でしょう・・・
茎も花芽もおいしくいただいちゃうので、花を見ることはほとんどないですねぇ。

アスパラガスです。
こんなに可憐な花を咲かせるなんて!

蜜源・花粉源としては有用のようですが、訪花は未確認です。

2010年04月17日

野菜花々祭 花咲く編 その2

ぞくぞくと開花中。
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ブロッコリー。
Mitta Mittaさん当たりです。2ポイントゲットです。

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大根。誰かが地面に大根をブッ刺したら、こんな風になったって、カンジだよな。

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花は、大根の面影を残す。白い。
蕪じゃなかった。おしいっ!!

訪花は、未確認。


2010年04月16日

鹿島建設環境本部地球環境室のニホンミツバチプロジェクトご担当さまへ

本日、日本地域開発センター主催の懇談会で、当団体の代表理事の朝田による講演「みつばちを通してみた東京の生物多様性のあり方」が開催されました。
参加者は、大手ゼネコンの環境関連の部署の方が大半でした。
ミツバチの生態や、現在おかれている状況についてをどのくらいお伝えできたでしょうか。つたない私のプレゼンで、「ミツバチの視点」を持つことの面白さや楽しさは伝わったでしょうか。
心もとないなあ・・・。

大手企業の方々だからこそ、あえて「ミツバチの視点」を持つことで環境や私たちの暮らしを捉えなおし、街づくりに生かしていただきたいと心をこめてお話しさせていただきました。

参加者リストの中に鹿島建設環境本部地球環境室のミツバチプロジェクトの担当の方のお名前があったので、意見交換ができるととても楽しみにしていましたが、残念ながら、お一人は参加していただいたものの、担当の方は不参加でした。
このところ、当ブログでこのプロジェクトに関する意見を表明していた中、同室から参加されるとのことで、疑問や批判に対する、その姿勢に感銘を受けておりました。
なので、本当に残念です。
参加者予定のリストに大手企業のCSR担当の方が多かったこともあり、「みつばちと生物多様性」に関する鋭い質問があった場合に備えて、当団体の理事の玉川大学の中村純教授にもオブザーバーで来ていただいており、忌憚のない意見交換ができるものととても期待していました。

鹿島建設環境本部地球環境室のご担当さま、ぜひ、意見交換をしましょう!ミツバチのために、そして、私たちの暮らしを新しい視点でデザインするために!
ご連絡をお待ちしております。
info*bee-happy.jp へ!!!(*を@に変えてください)

それにしても、ミツバチとはこれだけよく知られた昆虫で、いろいろなキャラクターにも使われ、毎日、ハチミツが食卓や加工食品に使われているのに、その生態はあまり知られていませんねぇ。
ミツバチのこと、ハチミツのこと、もっと知らせたいと改めて思いました。

当ブログの鹿島建設ニホンミツバチプロジェクトに関する記事

都市でミツバチを飼うことに意味って必要?

鹿島のニホンミツバチプロジェクトっていったい…
続・鹿島のニホンミツバチプロジェクトっていったい…

posted by みつばち at 22:02| Comment(2) | TrackBack(0) | ミツバチと一緒にHappy Honey Days  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

肌の水分補給にハチミツを

このところ、ずーっと肌荒れで悩んでいる私。
数日前、NHKの朝イチでやっていた「ハチミツ特集」で、ハチミツの保湿力と殺菌効果を取り上げていました。

ハチミツの種類は、番組の中で出てきたはちみつマイスターの女性が見せていた種類の3倍くらいはあります(笑)
ハチミツはワインなどと異なり、残念ながら年月が経てばいいというものではありません。成分は変化しないから、何年経っていても問題はないけれど、色は濃くなっていくし、風味もなくなっていきます。なのでたくさん持っているよりも、好きなハチミツを見つけて、1年ほどで食べきってしまうのがおいしい食べ方です。

収集していることもあるけれど、いただくことも多く、どんどんハチミツが集まってきます。時々、瓶の置き場に困って、大きな瓶にひとつにブレンドしたり、梅酒づくりに氷砂糖の代わりに使ってみたりして大量に消費(?)することもあります。昨年は日本みつばちのハチミツで梅酒を漬けちゃいました。なんと贅沢な!

ということで山ほどあるハチミツから、マヌカのハチミツを選び、今回は今、荒れてしまっているまぶたの周辺に塗ってみました。
薬を塗っても好転しなかったのに、いい感じです。
ハチミツに含まれるオキシターゼという酵素が活性化し、過酸化水素水を発生することで殺菌力もあるそうで、医療の現場でも使われているそうです。
詳細は、NHKの番組「朝イチ」のこちらをご覧ください。



posted by みつばち at 10:51| Comment(2) | TrackBack(0) | ミツバチと一緒にHappy Honey Days  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月14日

のらぼうに日本ミツバチが来てくれました!

昨日、国分寺のフィールドに植えたのらぼうに日本みつばちが来ていました!

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例の排水溝跡からなのかなあ。
そちらは激しく出入りしていましたから。

入居待ちの巣箱。
気づいてくれるかしら。

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昨日は、日本ミツバチのために花を植えようという活動を検討中の青山の街づくり関係者の方たちが見学に。みなさん、日本ミツバチの巣箱は見たことがないということで興味深々でした。地方にいけば、当たり前にその辺にあるんですけれど。

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フィールドには、タチスボスミレが足元で可憐に咲いていました。
ミツバチは訪れるけれど、果たして蜜があるのかどうかは?だそうです。

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こちらはヒトリシズカ。誰がつけたのか名前が絶妙です。
こんな花が咲き、ミツバチが普通にいる国分寺フィールド。
生物多様性という言葉が氾濫する今、土があることの当たり前の豊かさにほっとします。


posted by みつばち at 10:20| Comment(1) | TrackBack(0) | みつばち百花PT@国分寺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月13日

続・鹿島のニホンミツバチプロジェクトっていったい...

前回の続きですが,こうした取り組みを意味のあるものにするために,少しは前向きな提案をしておきたいです.
実は前回取り上げた,鹿島のKajima CSR Reportのニホンミツバチプロジェクトの記述の最後には「鹿島ではコゲラやシジュウカラといった野鳥の生息可能性を指標にした緑地の評価技術も開発している」とあります.この種の研究はある意味でやりやすいという側面があるのでしょう,いろいろなレベルで行われています.日本造園学会が刊行している学会誌「ランドスケープ研究」にも大阪府立大の研究者による「樹木面積率の異なる都市緑地におけるシジュウカラの繁殖成功の比較」(井上・夏原,2006)のような報告があります(本文は日本語で,全文J-Stageからダウンロードして読むことができます).
鹿島のいう「生息可能性」という概念には,当然この論文でも調査している「繁殖」が前提です.コゲラやシジュウカラは,人間が用意した巣箱を利用して,環境がよければ繁殖して増えることも可能です.その環境を人間が改変して,よくしていけば繁殖成功率は上昇するかも知れないわけです(どこかでもちろん頭打ちにはなるでしょうが).都市環境をよくしたいという場面で,環境を評価する指標として,こうした野鳥(の生態)を利用することには一定の有効性が認められるでしょう.
それができているならなぜミツバチではこんなひどいことを? とは辛口ミツバチ.今回も一緒に考えてみたいです.


minilogo.png野鳥は繁殖できるかどうかが問題で,ミツバチはハチミツが採れるかどうかでいい,というのが気に入らない.ミツバチが何のためにハチミツを集めるのか,ぜんぜん理解されていない.そのハチミツを採って,子供に食べさせて,そのせいでそのミツバチが冬を越せずに死んでしまったら,子供たちになんて言い訳するつもり? 
いきなりそこをついてきたか.その言い訳は難しいな.みんなで食べちゃったから死んでしまったんだと正直に伝えたら子供は傷つくだろうね.でもだからこそ大切なハチミツなんだといういい方はできるかも.ただ,ミツバチの命を犠牲にしてまで学ぶことではないし,ハチミツのありがたさを伝える方法は他にもあると思うよ.

minilogo.pngミツバチは,人間に近いところで繁殖を成功させるために,ある程度の仲間が犠牲になることは厭わない.人間の側にも割り切りがあって,こちらにも割り切りがあるならそれでいい.でも,教育という場面で,ハチミツが採れたからよい環境というのは,ミツバチという生き物をあまりに軽んじていると思う.ミツバチが繁殖できるかどうかもきちんと含めて議論して欲しい.今のやり方だと,花があってミツバチがいればハチミツが採れてよかったねで終わってしまう.こういうプロジェクトでは,ニホンミツバチでもセイヨウミツバチでも同じだけど,ミツバチはプロジェクトの中で生き物として考えてもらえていない.花の蜜を集めて,ハチミツにする便利な機械か何かだと思われているみたいで嫌だな.
う〜ん,そこまで生き物に対して無理解な人ばかりではないと思うけれど,「ミツバチ=ハチミツ」という短絡的な図式に束縛されている人は多いと思う.人間がミツバチを飼う目的は,本来的にはハチミツ生産だからね.ハチミツが生産できたことが,結果になってしまって,それ以上のものが見えない.

minilogo.pngでも,その生産のためにはミツバチが持続的に生きていかなきゃならないわけでしょう? まあ,次々とミツバチを入れ替えればいいと思っているんだろうけど,それでは生き物を通じて環境を知ることにはならない.昔の養蜂みたいにミツバチは秋に殺される運命,その時代に逆戻りしている.でも,それがあたりまえだった分,その時代の方がまだよかったかも知れない.
まあまあ.近代的な養蜂は,採蜜に伴うミツバチの負担を軽減したし,日本もそうだけど,寒冷地でも越冬が前提となる養蜂は確立している.生産養蜂家は,もちろんある程度の犠牲を要求はしているけれど,基本的にはミツバチを大切に思っていると信じているけれど.

minilogo.pngそれを実感できる場面はもちろんある.いい養蜂家は多い.だってミツバチがいなければ成り立たないのが養蜂なんだから.この養蜂家のところで飼われたいと思うような養蜂家はたくさんいるし,そこに飼われていれば,仲間からうらやましがられるほど愛情を注いでもらえることもある.でも,都市でミツバチを飼う人たちは,最初はミツバチを大歓迎してくれるのに,実はあんまりミツバチを愛してくれていないというのが実感.
それは,単純にミツバチを知らないということだと思う.技術的なものだけではなくて,ミツバチが本当はどんな生き物で,その時々でどうしたいのかが理解できていないから.刺されるのは怖いし,今,どんな調子なのか? 気分はどうなのか? どうやったらそれを聞き出せるのか,気むずかしい相手に接している気分なんだと思う.

ちょっと話をもとに戻そう.実際に都市部でどんなことをすればミツバチを使って生物多様性や環境教育を実践できるだろう.今日のテーマはそこにしたいんだけど.

minilogo.pngニホンミツバチさんは,場所にもよるけど都市部でもうまく生活している.セイヨウミツバチよりも群れが小さいし,越冬が上手だから,大量の貯蜜がなくても冬を越せる.都市部は気温も高いから,越冬には向いている.天敵もいないし,競合相手も少ない.でも,どのくらい生息しているかは,前回の駆除件数データのようなものしかない.海外では野生のミツバチの分布密度を環境の指標として利用できるという研究もある.ニホンミツバチの分布はヨーロッパやアメリカでの結果と比較すれば,東京や名古屋がどういう位置づけか,わかるかも知れない.
確かに日本の都市部では人口密度も高いから,野生群の巣も誰かには見つかっている可能性がある.通報されて駆除されてしまえばそれだけど,地域でその大切さを理解できれば,駆除をせず,生息したままでの分布調査は可能だろうね.

minilogo.png環境の善し悪しと分布密度がどういう関係になるのかはそれほど単純なものではないから,もっと多面的なデータが必要かも知れない.ただ,ミツバチがどの程度の採餌範囲を必要とするのかは,当然その場所の資源の量と質に依存するし(いつでも2kmってわけじゃあないんだ),そうした側面も調べてみればいい.どこに行ってるのか,どの花だったのかはちゃんと聞いてくれれば答えてあげる(ニホンミツバチさんはそのあたりはちょっと秘密主義だけど).
家屋への営巣は駆除の対象となりがちだし,人間の通行の邪魔にならないところに,ミツバチの野生群用の巣箱を置いて,住んでもらうというのはどうだろう.こうした巣箱をあちこちに設置して,その利用率から,その地域の環境をおおざっぱに把握することはできそうだね.

minilogo.pngついでに花でも植えてくれて,その効果を知りたいということなら教えてあげられる.こうした部分がうまくいけば,ニホンミツバチさんだってハチミツを提供できるかも知れないし,そうすれば人間の側でも,もっといろいろな情報を入手できるはず.現状がわからないのに,いきなり成果が出るわけはない.企業さんだと時間的な制約があるのかも知れないけれど,むだな1年は,有益な2年の半分の価値もない.そんなことはミツバチだって知っているのに.
確かにハチミツが得られれば,そこからはいろいろな情報が集まるね.そうしたものを解析していけば,人間の関与した環境が,どうミツバチに利用されているかはわかりやすい.こうしたデータがあれば環境教育もやりやすくなる.

minilogo.png環境教育が何を目指すのかはミツバチにはわかりにくい.人間が言う環境という言葉がいまいちなんだよね.多くの人は都市で環境というと「緑」だと思いたがる.でもそれほど簡単なものではない.生物多様性を意識するなら,植物以外の生物も勘案しなければならないし,都市部では一番数が多い(インパクトが大きい)人間活動も含めなければ.でも,だからやる価値があるということでしょう.教育は人間がやることだから,生き物を意識した環境作りを目指すということでいいのかな? そういう場面で,生き物が生きている意味をもう一度ちゃんと理解して欲しい.科学的にというよりも,同じ生き物として.
それはよくわかる.教育の素材は,もちろんフィクションもあるし,科学に基づいたものもある.ただ,環境を考えるときに,物語の中に登場するクマやミツバチと同列のとらえ方ではダメ.その点ではやっぱり科学性は確保したい.鹿島の取り組みは,数少ないという点では注目されるだろうけれど,COP10でこれが日本の取り組みということで紹介されたら,やっぱりちょっと恥ずかしい.都市を造るという気概のある企業なんだから,科学性をきちんと確保して,ちゃんとした理論を身にまとっては欲しいね.
minilogo.pngそのためならミツバチも協力できる.社会ということでは,ミツバチの方が長い経験がある.学べるものならきちんと学んで欲しいし,ミツバチについてももっと理解して欲しいな.


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2010年04月12日

鹿島のニホンミツバチプロジェクトっていったい...

都市でミツバチを飼う理由の話を書いたら,鹿島のプロジェクトの内容的な部分をどう思うかと聞かれました.新聞記事に書いてあることは内容が希薄で読み取れなかったのですが,ニホンミツバチを使うという点で,単なる都市での養蜂の話ではないのではという見方もあります.鹿島のプロジェクトが何を目指しているかは,Webで公開されているKajima CRS Reportには一応書いてあるというか,これしか情報源がなく,新聞記事にいうところの実際に得られた「データ」はないままでは,研究者としてコメントのしようがありません.それでも,やっぱり何かしっくりこないので,そこに書かれていることを引用しながら,どこが違和感のもとなのか,辛口ミツバチと一緒に考えてみました.

「二ホンミツバチは農薬に弱く環境の良い場所でしか生息できないため、都市環境の指標として適している」
まず,この前提は正直なところ意味不明.つまり,農薬には弱いので農地の近くでは生息できないといいたいのか,都市環境では生息しにくいのか,どっちなんだろうね.最近,この鹿島のプロジェクトにも係わっていたある養蜂家が,「農薬を多用しない都市の方が環境がよいから,生産物も安全」のような発言をしたとかしないとか,っていうのもあった.研究という観点からすれば,都市は,環境が悪く,したがって生物がぎりぎりのところで生息しているので,環境のちょっとした変動が,その生物を通じてとらえやすいというのが筋なのかなあ.

松浦誠の「都市における社会性ハチ類の生態と防除」(2005)によれば,2000〜2002年に,東京都内では,北区と板橋区では,駆除されたミツバチの16件中14件が,隣接する埼玉県の市部では59件中44件がニホンミツバチであった.1998年に行われた主要な公園での飛来数調査でもニホンミツバチが優先であった.横浜市では1999〜2000年の2か年間で,種名の判明した相談件数の117群中103群がニホンミツバチだった.

これを見ると,ニホンミツバチをどのように都市環境の指標としてとらえてよいかはわかりにくい.そもそもニホンミツバチが増えた(生息数が多く駆除の対象になりやすい)ことは,都市化して天敵が少なくなったこと,花粉源に関して競合する野生のハナバチ類が減少したこと,大規模養蜂が近郊から撤退していることなどで,都市やその近郊ではニホンミツバチとの生存上の競合種が少ないことが,生息環境としての質的向上につながっていると考えるのが普通で,植物資源に関しては,割り当てはともかく,よくなっているという具体的な報告は少ないのでは?

minilogo.png駆除の憂き目に遭うという点では,今だってミツバチにとっては都市は劣悪な環境だよ.そうでなければ,ビルの屋上とかだし.自分たちが住んでみて気持ちのいいところに置いてよね.
なるほど.そりゃそうだ.

minilogo.pngそもそもニホンミツバチが農薬に弱いというのはどんな根拠? セイヨウミツバチの方が体が大きい分,農薬の影響受けにくいとかいうつもり? そもそも神経質なニホンミツバチさんをセイヨウミツバチと同じ実験方法で毒性試験して比較することはできないでしょう? セイヨウミツバチだって農薬でたくさん死んでいる.それが農薬に弱いことではないの? 
確かに閉鎖系飼育でそもそも寿命に大きな差が出ちゃうのは事実だね.農薬への過敏さという点では,ニホンミツバチが野生だから高くて,人間といてもストレスを感じにくくなった分,セイヨウミツバチが鈍いというのはまあ納得できる範囲かな.
minilogo.png結局,人間がストレスの原因で,一緒にやるためには,多少鈍くなきゃやっていけなかったてことでしょ!.

「ミツバチは、蜜を集めると同時に花粉を運んで、植物が実を結ぶ手伝いをしてくれます。つまり、ミツパチがいることで都市の緑が元気になります」
都市の緑を構成するすべての植物をミツバチが利用できるわけではないよね.街路樹に関していえば,東京都の基本樹種は,スズカケノキ,イチョウ,ユリノキ*,アオギリ,トチノキ*,トウカエデ,エンジュ*,ミズキ,トネリコ,アカメガシワ*の10種といわれるけど,ミツバチがよく利用するのは*印を付けた4種のみ.緑のすべてがミツバチとの関係性を持たないし,そもそも都会の緑は人為的に導入されて管理されている.
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もちろん巣を作るのに向いた大木になるものもあるから,花がなければミツバチの役に立たないというのも短絡的だけど,少なくとも,既存の緑のすべてがミツバチに関係しているというのは,誤解を招きやすいと思う.人為的に持ち込まれたものは,それぞれの関係性が希薄だし.
確かにこの表現が繰り返し使われやすいけれど,こうしたわかったようないい加減な表現が,かえって生物多様性の中での生物間の相互関係を見落としてしまう元凶にはなっているね.関係というのは,もっと個別に,質的にも異なるものだという理解は必要だろうね.
minilogo.png人間だって,人間同士という括った関係では言い表せないでしょう? 本当は複雑なことを,あまりに単純化するから,ちゃんと理解する習慣がなくなる.人間の悪いクセだと思う.
そ,そうだ,ね.

「ニホンミツバチの巣箱を置き、都市の生物多様性の回復にどのように寄与するかデータを収集する実験」
この実験はイメージしにくい.仮説は何だろう.実体はあくまでdemonstrationであってexperimentではないから,「どのように」という部分の検証性は乏しそう.何かそれらしいデータは得られたんだろうか?

minilogo.pngそもそも都市に回復可能な生物多様性があるという前提からして,恣意的.結局,人間が持ち込んだもの(ニホンミツバチ)によって,人間が持ち込んだもの(植えた植物)がどんな影響を受けるかみてみたということでしょう? 生態系のリハビリにミツバチを利用するという方向とはちょっとちがうようね.それと,ミツバチが2km圏内でしか生活してないと思われたり,人間が気がつく植物にしか行かないと思われるのも嫌だなあ.
そもそもどんなデータを取ることで「回復」といういい方になるのだろう.ミツバチと親和性の高い植物だけが利益を受ける手助けをしているということなら,セイヨウミツバチが外来植物の増殖を助け,結果として在来種を含む既存の生態系への悪影響が懸念されるからと,一部地域で養蜂が排斥されているけれど,それと同じことをしてしまっているとさえいえる
minilogo.pngでもそれはどうせ人為的なことなんだからミツバチが悪いわけではないんだよ.

「ミツバチをテーマにした環境教育も実施する。採蜜体験などを通じて子どもたちにミツバチと自然とのつながりを実感してもらう狙いだ。」
これも中身が見えていないからコメントしにくいけれど,背景にある科学的根拠がこうした「実験」から得られたものだとすれば,数年前に流行った『水からの伝言』が道徳教育に取り上げられた時と同じような不安を感じる.科学性を無視して,結果がオーライなら教育,というのはどうかな?
minilogo.png根拠がなければ反論もまた科学的ではないのでは?
確かに.でも『水からの伝言』でも,当初は笑って無視していた専門家も,道徳教育で使われ始めてから,間違ったことが事実化して,理科教育の破綻を意味するからと動き始めた.今度も,科学性を欠いてしまえば,環境教育を貶めることになる.このプロジェクトで再現性や検証性はどう補償されているんだろう.これはCSRだということでやっていると思うけど,鹿島のような大企業として,これでよいのか,ニセ科学に陥らないで,本質的なプロジェクトの意味を見直して,軌道修正をして欲しいと思うね.名古屋のプロジェクトの取材記事は明らかにマイナスイメージだと思えたし. 

minilogo.pngビルの12階の屋上に「拉致」された,哀れな松阪のニホンミツバチさんの「生きる意味」も一緒に考えてもらってよ.

posted by みつばち at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチの気持ち by Junbee | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月09日

都市でミツバチを飼うことに意味って必要?

名古屋でもビルの屋上でミツバチを飼うという報道があり,またいくつかの問い合わせがありました.名古屋では,今秋,生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されることもあり,これに絡めた動きということで注目されているようです.そのあたり,ミツバチはどう思っているのでしょう? 聞いてみました.

minilogo.pngミツバチを飼うことに意味があるというのは,単なる人間の言い訳でしょう? 都会のビルの屋上だろうと,ミツバチはそこにいれば蜜は集めるよ,そういう習性の生き物なんだから.集められなければ,それはすなわち「死」ということなんだ.人間が,都会で,「ミツバチを飼った」,「蜜が採れた」,「生産現場だ」,「自然があった」,「共生だ」と,いろいろなごたくを並べて,喜んでいるけれど,違和感あるなあ.ミツバチからすれば,その状態を歓迎しているわけではないよ.巣箱を提供してもらっている立場上,連れて行かれればそこで最善は尽くすけれどね.それがミツバチの本然だから.

minilogo.pngほら,人間も,震動や騒音もある電車の中で座ったまま寝てるでしょう.あれが安眠や充分な休息と思われているのと同じだよ.寝ているんだから,その電車の座席は安眠空間だといっているようなもの.人間は寝るのが習性なんだから,どこでも寝るんでしょう? 電車の中で,席を譲ってあげて,実際にその人が寝たら,いい場所を提供したって喜ぶものなの? 変な生き物だねえ.ゆっくり眠れる空間は他にもいっぱいあることを知っているのにさ.もっといい場所を提供して,この人は疲れているんだから最高の場所で寝かせてあげようっていうなら,わかるんだけど.電車で席を譲ってあげて,ほら寝ただろう,じゃああとは働けって,本気でそれがいいことだと思っているのかなあ? されて嬉しいことを人にしてあげたいというのが,人間の美徳とかいうやつじゃないの.まあ,ミツバチは人間じゃないから,その美徳感覚もよくわからないけれどね.

minilogo.png生物多様性をどう考えるかって? だって,そもそも生き物は本来多様で,ある景観の中にいろいろな生き物がいて,相互に直接的な,あるいは間接的な,いろいろな距離で関係を築いているんだよ(人間によって攪乱されているといういい方もできるけれど,生き物の側からは,何だかやっかいなやつが入ってきたなっていう感じかなあ).状態の善し悪しはともかく,生物多様性は生き物からみれば実存するものであって,概念ではないよ.学問として学ぼうというならそれもよいかも知れないけれど,それは人間がやることでミツバチがやることではない.

minilogo.pngだから,ミツバチを飼うことがどう生物多様性と結びつくかは,ミツバチにはどうでもいいこと.もちろんミツバチをみていてくれれば,生き物の多様性の重要性はわかるとは思うよ.ミツバチは,生物相互の関係なしにはやっていけない,そういう想定で自分たちの立ち位置を作っているからね.

minilogo.png環境指標生物? ミツバチはどの場所でも,自分たちの存続のために最善を尽くすから,環境に対して周囲の影響を受けやすい,絶対的な受容者ではないし,そもそも飼うことができる生き物を環境指標生物と考えることには無理があるのでは.そのあたりはたぶん誤解があると思うよ.

minilogo.png海外でも都会でミツバチを飼うことが多い? だから飼うことには何の問題もないよ,ミツバチとしては最善を尽くすだけ.もっとも人間側ではいろいろ問題があるんじゃないの? 分蜂とか,刺されたとか,糞だとか? みんな気にしないの? 気にしないでいてくれるならミツバチ的には嬉しいけれどね.最近は,そんな理由で,せっかく覚えた空間から出て行かなきゃならないことも多いんだ.

minilogo.png人間はハチミツが採れて嬉しい? まあ,こっちはせっかく集めたんだからやりたくはないけれど,採って喜んでくれるなら,また明日から頑張ればいいと思うことにするよ.でも,素直に町中でハチミツが採れたと喜ぶだけにしておいたら? 人工空間の中には人間がいうところの「自然」はないから,都会にいるミツバチが人間と自然とのパイプ役になれるわけないし.人間が何を「自然」と呼びたいのかはちょっとよくわからないけれど,人間も生物という意味では,都市だって充分に自然(生き物が作った構築物があるだけで)なんじゃないの.自然と共生とかいう言葉があるけれど,生き物である以上,普通はみんな一体なんじゃないの?,え,ちがうの?

minilogo.pngミツバチがどの花を利用するかとか,その空間をどう考えているかとかは,ちゃんと聞いてくれれば答えてあげられるから,勝手な想像でいい加減なことはいって欲しくないな.ミツバチにとっては花はどれも同じじゃあないこともわかって欲しいし,ある空間の中で生きていくためには,自分たちがいいときにも悪いときにも対応できるように築いてきたシステムを駆使しているから,その点は尊重して欲しい.こういうことを「科学的に理解すること」だといういい方をする人もいるけれど,それ以前の問題だと思う.

minilogo.png生物多様性はいろいろな概念が入ってきてしまうから難しいのかも知れないけれど,正直言って,ミツバチ絡みの話は,このままじゃ,流行の疑似科学になってしまうよ.それに荷担しているように思われるのは嫌だなあ.ミツバチが都市の環境を教えてくれると思うのは自由だし,ちゃんと聞いてくれるならちゃんと答えてあげられるけど,対話ができているとは思えないなあ.ビルの屋上でミツバチと一緒に写っている人たちはいつも笑っているみたいだけど,ミツバチが笑っている写真は見たことがないね.気持ちが通っていないのに,何かが伝わったりすることってあるのかな? 人間はそういうの得意なんだっけ?

minilogo.pngメディアが,都会のミツバチを取り上げて,自然との共生だとか,文化だとか勝手なことを言うけれど,それはミツバチには責任のないこと.その点はちゃんとわかって欲しい.ミツバチはどこにいても自分たちの最善を尽くそうとしているだけであって,人間に誉めてもらおうと思ったことなんかない.あたりまえに,生きようとしているだけ.でも,もし,そこで生きていけないとしたら,申し訳ないけれど,それもミツバチの責任じゃあない.そのあたりは,よくよく理解して欲しい.

minilogo.pngミツバチは人間のいう「動物愛護」の対象外だけれど,動物には違いないし,個々の働き蜂はともかく,ミツバチという生き物として「命」があるんだ.人間のご都合にもてあそばれるのを,よしとしているわけではないことも,わかって欲しいな.


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2010年04月08日

ミツバチが選ぶ 人気NO.1春花は?

暖かくなってきましたね、メリッサの通う花屋も春のお花が出揃いました。
「蜂はいつ来るんだろう?」と思う今日この頃。

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駐車場の桜も満開かわいいブンブンかわいい
ブンブン!?  って、いるじゃないかミツバチ黒ハート
立派な桜が10本くらい。良く見れば、ミツバチが鈴なりだ。
羽音も聞こえる。

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1キロ圏内にある養蜂場から来たんだな。

この辺りの桜は、
きっとミツバチにとっても待ち焦がれていた春の訪れ。

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ってことで、花屋にミツバチがいないワケが判明。

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花粉もたっぷり。
春の花。人気NO.1は桜でした。





ラベル:花粉源

2010年04月04日

満開の差

ニュースを見れば桜.
寒い日もありますが,春ですね.

うちの目の前の桜も満開です.
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毎年ここで写真を撮るのですが
今年になって初めて,ミツバチが訪れていることに気がつきました.
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でも訪花しているミツバチは2匹程度.
たくさんの花があるのにどうして?



去年の夏に気がついたのですが,
ミツバチが利用したい花の時期と
人が思う満開の時期とには,差があるようです.

人が見て
「満開できれいだわ」と思っても
ミツバチにとってそれがベストとは限らない.

花の種類によって様々で,
蜜や花粉が出るベストな時期を選んでいるのだと思われます.
もちろん,人間の満開と一致する花もあるでしょう.




桜の場合は,満開よりも少し散り始めた頃が
ミツバチたちのお花見シーズンのようです.
きれいだと思っているかは別として…^^;

その頃にまた観察したいと思います.
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桜から羽音が聞こえる日は近い…?
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2010年04月03日

春の息吹桜の香るブランマンジェ 桜のジュレとハチミツアイス添え

いよいよ桜が満開〜!
明日はお花見日和になりそうですね。

郷里の夙川の土手の桜が大好き。でも、今回は見ることができず、その代わり、一足先に神戸でお皿の中でお花見してきました。
旧居留地にあるフレンチレストラン「オルフェ」でランチをいただきました。
いくつかのデザートの中から選んだのは、もちろん「ハチミツアイス添え」

「春の息吹桜の香るブランマンジェ 桜のジュレとハチミツアイス添え」

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あまりおいしそうに撮れていなくて残念!
桜の葉の香りがほんのりするジュレとハチミツアイスがすばらしいハーモニーを醸していて、うっとりしました。
あまりにもうっとりしていて、うっかりなんのハチミツを使っているのか聞き忘れてしまったほど。

いただいたお料理はどれもとてもおいしくて、さすが神戸で評判のお店です。久しぶりにお料理で心地よい興奮を覚えたおいしさでした。また、行こうっと!

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西宮市の広田神社の近くで発見!
日本ミツバチです。
午後5時ごろなのに、まだ、すごく忙しそうに飛び回っていました。

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明日は、あちこちで遭遇できるかもしれませんね。

posted by みつばち at 16:07| Comment(1) | TrackBack(0) | ミツバチと一緒にHappy Honey Days  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月02日

野菜たちの花々祭 咲いた咲いた その1

先日、クイズを出していたこのお花。咲きました!

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こんな感じです。菜の花とはちょっと違うでしょ。

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でも、同じアブラナ科。
ほら、蜂もやってくる。

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水菜でした。Mitta Mittaさん正解です。1ポイントゲットです。

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2010年04月01日

「ゲゲゲの女房」にミツバチが登場!

NHKで朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が今週から始まりました。
今朝、観ていたら、ミツバチが登場!
昭和18年、戦況がどんどん悪くなって食糧が不足し始めているころ、主人公の家でミツバチを飼って、甘味を補っているシーンです。お母さん役の古手川裕子さんが、「いたっ!」なんて刺されるシーンも。
主人公が食べていたハチミツで甘くしたぼたもち、かなり美味しそうでした。砂糖が配給制になっていて、貴重品だったから、ミツバチを飼う人もいたのかしら…と早速、中村先生にお聞きしてみたら、養蜂は軍需産業(蜂ろうが軍需物資だった)で保護されていたそうです!

生産養蜂家向けの砂糖の配給制度まであったり、家庭養蜂がもてはやされた時期でもありました。戦時下にもかかわらず、非常に多数の出版物=養蜂指南書が出版されており、養蜂に熱い視線が注がれていたようです。
戦時中はミツバチの針を関節炎や打撲の治療に用いる蜂針療法がきちんとオーソライズされており、陸軍病院には専門治療師が配属されていたという記録もあるそうです。

昭和18年に出版された平塚保雄の「養蜂の原理と実際」の目次が興味深いです。
前編「蜂を蜜に」
1 養蜂の実相
2 野蜜の掠奪
3 掠奪養蜂
4 半掠奪養蜂
5 現代における養蜂の基本理念

後編「蜜を蜂に」
6 早春と蜂造り
7 収蜜期
8 夏の蜂減り
9 秋は整備
10 冬の休養

掠奪養蜂と半掠奪養蜂。
この認識がいいですねー。
「ミツバチたちからの贈り物」なんていうコピーをよく見かけますが、要は掠奪していることに変わりはなく(笑)、ちゃんとその認識にたって、冬の休養まで紐解いているところに好感がもてます。ミツバチが持続して生存することが、安定して甘味料を得られることでもあるわけですから。

安来には行ったことがないけれど、数年前、境港や美保神社を訪れました。境港の水木しげるロードは、キャラクターたちがブロンズの像になっていて、思わずツーショットを撮りました。お相手は鬼太郎じゃなくて、ねずみ男と。

美保神社は荘厳な雰囲気で、そんなキャラクターたちが現れても不思議はないほど雰囲気たっぷりの場所でした。見えないものを信じる気持ちを大切にしたくなる、そんな場所です。そういえば、ミツバチは神社がお好き、ですよね?

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posted by みつばち at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ミツバチと一緒にHappy Honey Days  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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